契約書をファイルにとじてはいるものの、分け方が人によって違い、目当ての1通を探すのに時間がかかっていませんか。
本記事では、紙の契約書のファイリングと、電子データの整理の方法を分けて紹介します。分け方の4つのパターンや管理番号の付け方など、すぐに使える例もあわせてまとめました。
システムへの切り替えを考え始めた段階なら、契約書管理システムのおすすめ比較で製品の違いを確かめておくと判断しやすくなります。
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契約書の管理ファイルとは、締結した契約書を探しやすい形で保管するための入れ物のことです。紙の原本をとじるバインダーやボックスファイルのほか、PDFを保存するフォルダも含めて考えます。
紙と電子では整理のしかたが違うため、以下では2つに分けて紹介します。どちらの場合も、分け方、番号、名前の付け方を社内でそろえることが、探しやすさを左右します。
紙の契約書は、署名や押印がある原本そのものです。なくしたり汚したりすると元に戻せないため、とじ方と保管場所を決めて丁寧に扱います。
ファイルの分け方は、主に次の4つのパターンがあります。自社で契約書を探すときに、何を手がかりにすることが多いかで選びましょう。
| 分け方 | 向いている会社 | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| 取引先ごと | 同じ取引先と複数の契約を結ぶことが多い会社 | 取引先が増えるとファイルの数も増える |
| 契約の種類ごと(売買・業務委託・秘密保持など) | 種類ごとに担当者が分かれている会社 | 複数の種類にまたがる契約の置き場所に迷う |
| 部署・案件ごと | 案件単位で契約を結ぶことが多い会社 | 部署の統廃合のたびに分け直しが要る |
| 締結の年月・管理番号の順 | 件数が多く、台帳と組み合わせて探す会社 | ファイルだけでは目当ての契約を探しにくい |
迷ったときは、取引先ごとに分けて、ファイルの中を締結日の順に並べる形が扱いやすいでしょう。件数が多い会社では、管理番号の順にとじて、台帳で番号を調べてから取り出す方法も使えます。
契約書をとじるファイルには、穴を開けてとじるバインダー型や、書類をそのまま立てて入れるボックス型などがあります。
原本に穴を開けたくない場合は、クリアポケットに入れてとじるタイプを選ぶと、契約書を傷めずに保管できます。同じ書庫に並べるファイルは、種類と色をそろえておくと、背表紙が見やすくなります。
ファイルの背表紙には、中に何が入っているかが分かるように、分類名と期間を書きます。たとえば次のような書き方です。
ファイルの中では、インデックスのラベルで区切りを付けます。取引先ごとのファイルなら契約ごとに、年度ごとのファイルなら月ごとに区切ると、ページをめくる回数を減らせます。
ファイルの色やラベルの色を、契約の種類や年度で分けておくと、書庫の前に立ったときに目当てのファイルを見つけやすくなります。
たとえば、業務委託は青、秘密保持は緑、のように種類ごとに色を決める方法や、年度ごとに色を替える方法があります。色の決め方は、ファイリングのルールに書いて社内で共有しておきましょう。
基本契約を結んだあとに、覚書や変更契約を交わすことがあります。別々のファイルに入れると、最新の条件がどれか分からなくなります。
関係する契約書は、基本契約のすぐ後ろに、締結日の順でとじておきましょう。
相手方から署名済みの契約書が届いたら、次の順番でファイルにとじます。手順を決めておくと、誰が作業しても同じ形で保管できます。
1と5を飛ばすと、不備のある契約書が気づかれずに保管されたり、台帳から漏れたりします。作業を急ぐときほど、確認と登録を省かないようにしましょう。
ファイルを並べる書庫やキャビネットは、鍵をかけられるものを選び、鍵を持つ人を決めておきます。
棚には、分け方に沿ってファイルを並べる順番を決め、棚の端に「取引先 あ〜さ行」のような見出しを付けておくと、初めて探す人でも迷いません。今も続いている契約と、期間が終わった契約は、棚を分けて置きましょう。
ページ数の多い契約書は、製本テープでとじられた状態で届くことがあります。製本された契約書は、とじ具に通すために製本をばらしたり、ホチキスを外したりせず、届いた形のまま保管しましょう。
穴を開けられない契約書は、クリアポケットに入れてとじるか、ボックス型のファイルに立てて入れます。契約書のページを差し替えたり抜き取ったりしたと疑われない状態で残しておくことが大切です。
管理番号は、1通ごとの契約書に割り当てる番号です。ファイル、電子データ、台帳に同じ番号を書いておくと、どれか1つから残りの2つにたどり着けます。
管理番号は、年と通し番号を組み合わせると分かりやすくなります。契約の種類を表す記号を間に入れると、番号を見ただけで中身の見当が付きます。
| 例 | 組み立て |
|---|---|
| 2026-0001 | 締結した年+通し番号 |
| 2026-GI-0001 | 締結した年+契約の種類の記号(GI=業務委託)+通し番号 |
| 2026-GI-0001-01 | 上の番号+枝番(覚書・変更契約) |
通し番号の桁数は、1年に結ぶ契約の件数に合わせて、あらかじめ決めておきます。件数が少ないのに桁を増やしすぎると、書くのも読むのも手間になります。
番号は、締結が済んで原本が届いた時点で割り当てるのが分かりやすい方法です。締結前の下書きの段階で番号を振ると、取りやめになった契約の番号が抜けてしまいます。
管理番号は、Excelなどで作る管理台帳の列にも入れておきます。台帳で取引先や契約期間を調べて番号を確かめれば、ファイルのどこにあるかがすぐ分かります。
ファイルの背表紙、原本の右上、台帳の3か所に同じ番号を書くと、探す手がかりが一本につながります。
電子契約サービスで交わした契約書や、紙の原本をスキャンしたPDFは、共有フォルダなどに保存して管理します。紙と同じように、分け方と名前の付け方を決めておくことが大切です。
フォルダは、階層を深くしすぎないように作ります。3段ほどにとどめると、目当てのファイルまでたどり着きやすくなります。
| 階層 | 例 |
|---|---|
| 1段目 | 契約書 |
| 2段目 | 有効(今も続いている契約)/終了(期間が終わった契約) |
| 3段目 | 取引先ごと、または契約の種類ごと |
期間が終わった契約を別のフォルダに移しておくと、今も続いている契約だけをすぐに見渡せます。
ファイル名は、探すときに使う情報を決まった順に並べます。次のような付け方が考えられます。
日付は桁数をそろえ、区切りの記号も1種類に決めます。「最新」「修正版」のような言葉はファイル名に入れず、締結した版だけを保存すると、どれが正しい契約書か迷わずに済みます。
紙の原本をスキャンして、確認用のPDFを作るときは、次の点に気をつけます。
PDFのファイル名にも原本と同じ管理番号を入れておくと、PDFから原本を探すときにも迷いません。
電子契約で取り交わした契約書は、締結が済んだ時点でサービスの中に保存されます。サービスの中だけで管理するのか、PDFを取り出して共有フォルダにも保存するのかを、会社として決めておきましょう。
両方に保存する場合は、どちらを正本として扱うかを決めておきます。ファイル名や管理番号のルールは、紙の契約書をスキャンしたPDFとそろえると、交わした方法を問わず同じ手順で探せます。
契約書のフォルダは、社内の誰でも開ける場所に置かないようにします。フォルダごとに、見られる人と編集できる人を分けて設定しましょう。
たとえば、全社の契約書を見られるのは管理担当の部署だけにし、各部署は自部署の契約書のフォルダだけを見られるようにする、といった分け方があります。
ファイルでの管理は手軽に始められる一方で、運用のルールがあいまいだと、紛失や重複が起きやすくなります。次の点に気をつけましょう。
紙の原本は、鍵のかかる書庫やキャビネットに保管します。持ち出すときは、誰が、いつ、どの契約書を持ち出したかを記録し、戻したときにも記録を残します。
確認のためだけならコピーやPDFで済ませ、原本はなるべく書庫から出さないルールにすると、紛失のおそれを減らせます。
期間が終わった契約書も、すぐに捨てるのは避けましょう。何年残すかは書類や法令ごとに異なります。
書類ごとに必要な保管期間を経理や顧問税理士に確かめ、ファイルの背表紙や台帳に廃棄できる時期を書いておくと、捨ててよいか迷わずに済みます。
廃棄するときは、シュレッダーや、処理を請け負う業者による溶解など、中身を読めない形で処分します。廃棄した日と契約書の管理番号も記録しておきます。
スキャンしたあとに紙の原本を処分してよいかは、電子帳簿保存法などの決まりが関係します。経理や顧問税理士に確かめるまでは、原本を残しておきましょう。
契約書が増えて書庫に入りきらなくなったら、次の順で場所を空けます。
今も続いている契約の原本は、すぐに取り出せる場所に残しておきましょう。外部に預けた原本は、取り寄せに時間がかかる場合があります。
分け方やファイル名のルールは、決めた担当者だけが知っている状態では守られません。ルールを1枚の紙や社内の掲示板にまとめ、契約書を扱う部署に知らせておきましょう。
書庫の扉の内側や、共有フォルダの一番上にルールを置いておくと、作業のたびに確かめられます。
分け方、番号、保管場所などのルールは、次のように1枚にまとめておくと、社内に共有しやすくなります。自社に合わせて書き換えて使ってください。
| 項目 | ルールの例 |
|---|---|
| 分け方 | 取引先ごとにファイルを分け、中は締結日の順にとじる |
| 管理番号 | 「締結した年-契約の種類の記号-通し番号」(例:2026-GI-0001)。覚書は枝番を付ける |
| 背表紙 | 取引先名と期間を書く(例:株式会社〇〇|2024年〜) |
| 保管場所 | 総務の書庫(鍵付き)。今も続いている契約と、期間が終わった契約は棚を分ける |
| 電子データ | 共有フォルダ「契約書」の下に「有効」「終了」を作り、取引先ごとに保存する |
| ファイル名 | 管理番号_締結日_相手方_契約名 |
| 登録 | 原本が届いた日に、管理番号を付けて台帳に登録する |
| 貸し出し | 原本の貸し出しは記録簿に書き、確認だけならPDFを使う |
| 見直し | 半年に一度、台帳と書庫・フォルダを照らし合わせる |
最初から細かく決めすぎず、運用しながら足していくと、現場の負担が少なく定着しやすくなります。
契約書の件数が増えると、ファイリングや台帳への入力が追いつかなくなります。書庫の場所が足りない、過去の紙の契約書を電子化する時間が取れない、といった悩みが出てきたら、システムや外部のサービスを使う選択肢もあります。

紙でも電子でも、締結した契約書を一か所に集めて管理できる契約管理システムです。PDFにした契約書を読み込ませると、契約書名や取引先といった管理項目をAIが拾い、台帳に反映します。
書類の読み取り作業や、原本の預け先まで外部に頼めるため、書庫の場所や電子化の手間に悩んでいる企業に向いています。
紙の契約書に対応したほかの製品は、契約書管理システムの比較で確かめられます。
分けて保管するのがおすすめです。原本は鍵のかかる書庫に置き、日常の確認にはコピーやPDFを使えば、原本を持ち出す回数を減らせます。
コピーには「写し」と分かる印を付けておくと、原本と取り違えずに済みます。
ファイルの厚さに余裕を残し、ページがめくりやすい量にとどめましょう。詰め込みすぎると、とじ具が外れたり、書類が傷んだりします。
取引先ごとに分けている場合は、1冊がいっぱいになったら「その2」のように続きの冊を用意し、背表紙に期間を書き分けます。
日常の確認のために、担当部署がコピーやPDFを持つこと自体は問題になりにくいでしょう。ただし、コピーが社内のあちこちに増えると、どれが最新の内容か分からなくなります。
コピーを持つ場合も、原本の保管場所と台帳は1か所にまとめ、内容を確かめるときは台帳から原本にたどる、というルールにしておくと安心です。
日常の確認のために印刷しておくこと自体は問題になりにくいでしょう。ただし、印刷した紙だけを残し、電子データを消してしまう運用は避けます。
電子で締結した契約書には、電子帳簿保存法の電子取引の決まりが関係することがあります。国税庁の電子帳簿保存法関係|国税庁で確かめ、電子データの保存先を決めておきましょう。
取引先が社名を変えた場合は、背表紙に新しい社名を書き、旧社名も括弧で残しておくと、どちらの名前からでも探せます。
台帳にも新しい社名を登録し、備考に旧社名と変わった時期を書いておきましょう。
今も続いている契約とは別のファイルやフォルダに移して保管します。続いている契約と混ざらないようにすると、日常の確認がしやすくなります。
保管しておく期間を過ぎたものは、廃棄の手順に沿って処分し、記録を残しておきましょう。
契約書の管理ファイルは、紙と電子のどちらでも、分け方、管理番号、名前の付け方を社内でそろえることが探しやすさにつながります。
紙の原本は取引先ごとなどの分け方を決めて背表紙とインデックスを付け、電子データは浅いフォルダと決まった順のファイル名で整理しましょう。管理番号を台帳とひも付けると、どちらからでも目当ての1通にたどり着けます。
件数が増えてファイルでの管理が難しくなってきた方は、契約書管理システムの比較もご覧ください。