契約書管理台帳を作ろうとして、どの項目を入れればよいのか、作ったあとにどう運用すれば崩れないのか、迷っていませんか。
本記事では、台帳に入れる項目の一覧とExcelで作る5つのステップに加え、作った台帳を使い続けるための運用ルールを紹介します。
台帳の入力を自動化する方法は、契約書管理システムのおすすめ比較で製品ごとに紹介しています。
| サービス | 月額料金目安 | おすすめポイント |
|---|---|---|
| 要問い合わせデモあり | 生成AIが主要な項目を抜き出して管理台帳を自動作成契約終了日や更新期限をSlack・Teams・メールで通知 | |
| 要問い合わせ初期費用0円・15日間無料トライアル | LLMとOCRで契約情報を抽出しデータベース化契約終了・自動更新のアラートで更新漏れを防止 | |
| ¥30,000〜 / 月初期費用100,000円・ユーザー数無制限 | AIが管理項目を抽出して台帳を自動作成契約書の本文まで探せる全文検索に対応 |
契約書管理台帳とは、取り交わした契約書の主な情報を、1件1行の一覧にまとめた表のことです。契約書そのものを開かなくても、相手方や契約期間、更新の条件などを確かめられます。
台帳を作っておくと、契約書の管理で起きがちな次のような困りごとを防げます。
取引先の名前や契約の種類で絞り込めば、目当ての契約がすぐに見つかります。台帳に原本の保管場所や管理番号を書いておけば、書庫のどこにあるかも分かります。
契約の終了日や更新の期限を一覧にしておけば、近いうちに判断が必要な契約が見えるようになります。自動更新の契約を気づかないまま続けてしまう、といったことを防げます。
契約の情報が担当者の記憶やメールの中にしかないと、異動や退職のときに引き継げません。台帳にまとめておけば、後任の担当者も同じ一覧を見て管理を続けられます。
部署ごとに別々に契約を結んでいる会社では、同じ取引先と似た内容の契約を重ねて結んでしまうことがあります。台帳で全社の契約を見渡せれば、新しく結ぶ前に、すでにある契約を確かめられます。
台帳に入れる項目は、多ければよいわけではありません。使う場面を思い浮かべながら、必要な項目を選びましょう。
まずは、次の項目をそろえておくと、探す・期限を把握する・原本にたどり着く、という台帳の役割を果たせます。
| 項目 | 書く内容・ポイント |
|---|---|
| 管理番号 | 1通ごとに割り当てる番号。原本やPDFにも同じ番号を書く |
| 契約名 | 契約書の表題をそのまま書く |
| 相手方 | 正式な会社名。略称で書かない |
| 契約の種類 | 売買・業務委託・秘密保持など。選択肢から選ぶ形にする |
| 締結日 | 契約書に記載された日付 |
| 契約の開始日・終了日 | 開始日と終了日を別の列に分ける |
| 自動更新の有無 | 「あり」「なし」から選ぶ |
| 更新しない場合の通知期限 | 自動更新を止めるために相手方へ伝える期限 |
| 金額 | 取引の金額や月額の料金。金額の定めがなければ空欄 |
| 担当部署・担当者 | 契約を結んだ部署と、問い合わせ先になる人 |
| 原本の保管場所 | 書庫の棚やファイルの名前。電子データなら保存先 |
| 紙・電子の区分 | 紙で交わしたか、電子契約で交わしたか |
見落としやすいのが「更新しない場合の通知期限」です。契約の終了日だけを書いていると、終了日の直前に気づいても、相手方へ伝える期限はすでに過ぎていた、ということが起こりえます。
通知期限は、終了日とは別の列に分けて記録しましょう。
会社の業務や契約の種類によっては、次の項目を足すと便利です。
項目が多すぎると、1件あたりの入力に時間がかかり、空欄のまま放置される列が増えていきます。空欄が多い台帳は、どの情報が正しいのか分からなくなります。
最初は基本の項目だけで始め、「台帳で探す場面がある項目か」を基準に、足すかどうかを決めるとよいでしょう。半年ほど運用したら、使っていない列がないかを見直します。
台帳は、Excelでも作れます。次の5つのステップで進めましょう。
まずは、どの契約書を台帳に載せるかを決めます。全社の契約をまとめるのか、ある部署の契約から始めるのかによって、作り方が変わります。
あわせて、台帳を管理する担当者も決めておきます。入力する人が決まっていないと、登録が後回しになりやすくなります。
決めた項目を、1行目に見出しとして並べます。1件の契約を1行に書く形にし、1つのセルに2つの情報を入れないようにします。
たとえば「2026/4/1〜2027/3/31」と1つのセルに書くと、並べ替えや期限の確認に使えません。開始日と終了日は別の列に分けましょう。
契約の種類や自動更新の有無のように、選択肢が決まっている項目は、ドロップダウンリストから選ぶ形にします。人によって「業務委託」「業務委託契約」のように書き方がばらつくのを防げます。
Excelでは、セルを選んで[データ]タブの[データの入力規則]を開き、[入力値の種類]で[リスト]を選ぶと、ドロップダウンリストを作れます。選択肢を表として別のシートにまとめておくと、項目を足したときにドロップダウンリストにも自動で反映されます。
選択肢の一覧は、範囲内のセルを選んで[Ctrl]+[T]を押すと、すばやくテーブルに変換できます。
参考:ドロップダウン リストを作成する|Microsoft Support
更新しない場合の通知期限や契約の終了日が近い行に、自動で色が付くようにしておくと、確かめ忘れを防げます。
Excelの[ホーム]タブにある[条件付き書式]から[セルの強調表示ルール]の[日付]を選ぶと、「来週」のような期間を指定して色を付けられます。「今日から60日以内」のように日数で区切りたい場合は、TODAY関数を使った数式でルールを作ります。
期限まで3か月を切ったら黄色、1か月を切ったら赤、のように色を2段階に分けておくと、どの契約から手を付けるべきかが一目で分かります。複数のルールは、[条件付き書式]の[ルールの管理]から追加や見直しができます。
参考:条件付き書式を使用して Excel 内の情報を強調表示する|Microsoft Support
台帳を保存する場所と、見られる人、編集できる人を決めます。契約の金額などが載るため、社内の誰でも開ける場所には置かないようにしましょう。
複数の人が同時に開いて編集する場合は、どの部分を誰が更新するかも決めておくと、上書きによる入力の消失を防げます。
台帳は、Googleスプレッドシートでも作れます。
ブラウザで開けるため、複数の部署で同じ台帳を見る場合に便利です。Excelと同じ項目と手順で作れますが、共有のしかたなどに違いがあります。
スプレッドシートを共有するときは、相手ごとに[編集者][コメント可][閲覧者]のいずれかの権限を選べます。台帳を更新する担当者だけを編集者にし、ほかの人は閲覧者にしておくと、意図しない書き換えを防げます。
参考:スプレッドシートでの共同編集|Google ドキュメント エディタ ヘルプ
スプレッドシートでは、以前の版を表示して、誰がいつ内容を変えたかを確かめられます。月末など区切りのよいときに、名前を付けた版を作っておくと、あとから当時の内容を見返しやすくなります。
参考:ファイルの変更内容を確認する|Google ドキュメント エディタ ヘルプ
シートや範囲を保護すると、ほかのユーザーが内容を変えられないようにできます。見出しの行や、プルダウンの選択肢をまとめたシートを保護しておくと、台帳の形が崩れにくくなります。
ただし、保護はセキュリティ対策ではないとGoogleのヘルプでも案内されています。見られる人の範囲は、共有の設定で絞っておきましょう。
参考:シートを保護する、非表示にする、編集する|Google ドキュメント エディタ ヘルプ
基本の項目に沿って記入すると、次のようになります。会社名や金額は例です。
| 項目 | 記入例1 | 記入例2 |
|---|---|---|
| 管理番号 | 2026-GI-0012 | 2026-HI-0003 |
| 契約名 | Webサイト保守業務委託契約書 | 秘密保持契約書 |
| 相手方 | 株式会社〇〇 | 株式会社△△ |
| 契約の種類 | 業務委託 | 秘密保持 |
| 締結日 | 2026/3/25 | 2026/5/10 |
| 契約の開始日 | 2026/4/1 | 2026/5/10 |
| 契約の終了日 | 2027/3/31 | 2028/5/9 |
| 自動更新の有無 | あり | なし |
| 更新しない場合の通知期限 | 2026/12/31 | ー |
| 金額 | 月額50,000円 | ー |
| 担当部署・担当者 | 広報部・山田 | 営業部・佐藤 |
| 原本の保管場所 | 書庫B-2 業務委託ファイル | 電子契約サービス |
| 紙・電子の区分 | 紙 | 電子 |
記入例1は、契約書に「終了日の3か月前までに申し出がなければ更新する」と書かれていた場合の例です。期限の決まり方は契約ごとに違うため、契約書の更新の条項を確かめてから入れましょう。
台帳を新しく作るときは、すでに手元にある契約書も登録する必要があります。件数が多いと一度には終わらないため、順番を決めて進めましょう。
まずは、今も続いている契約を優先します。期間が終わった契約は、急ぎで確かめる場面が少ないため、後回しにしても困りにくいでしょう。
続いている契約の中でも、更新しない場合の通知期限や終了日が近いものから登録します。登録している間に期限を過ぎてしまうことを防げます。
契約書だけでは、続いているのか、すでに解約したのかが分からないものもあります。担当部署に確かめながら登録し、分からないものは備考の列に印を付けて、あとでまとめて確認しましょう。
台帳は、作った直後がいちばん正確で、運用のルールがないと少しずつ実物とずれていきます。使い続けるために、次のルールを決めておきましょう。
誰が、いつ台帳に登録するかを決めます。「契約書が締結されて手元に戻ってきたら、当日中に登録する」のように、タイミングを具体的に決めておくと、登録漏れが起きにくくなります。
各部署が結んだ契約を管理担当の部署にまとめて登録する場合は、締結後の契約書を誰に回すかも決めておきます。
相手方の名前は正式な会社名で書く、日付は「2026/10/30」の形で入れる、といった書き方のルールを決め、台帳の別のシートに書いておきます。
書き方がそろっていれば、絞り込みや並べ替えが正しく働き、探すときに取りこぼしが出ません。
半年や1年に一度、台帳に載っている契約と、書庫やフォルダにある契約書を照らし合わせます。台帳にない契約書や、契約書が見つからない行がないかを確かめます。
期間が終わった契約は別のシートへ分けると、続いている契約の一覧がすっきりします。
台帳を見る人は多くても、書き換える人は少ないほうが、内容の正しさを保てます。台帳を更新する担当者だけが編集でき、事業部などほかの人は見るだけ、という分け方がおすすめです。
事業部に台帳の修正を頼まれたときは、担当者が受け付けて直す形にします。編集できる人を絞ると、誰がいつ直したかをたどりやすくなります。
台帳のファイルを誤って上書きしたり、消したりすると、復元できないことがあります。定期的にバックアップを取り、保存先を決めておきましょう。
あわせて、行を削除したり内容を書き換えたりしたときは、いつ、誰が、何を変えたかを記録しておくと、あとで確かめられます。
Excelの台帳は自由に書き込める分、使い方しだいで、並べ替えや期限の確認がうまく働かなくなります。次のような失敗に気をつけましょう。
「2026/4/1〜2027/3/31」のように開始日と終了日を1つのセルに入れたり、相手方の名前と担当者を同じセルに書いたりすると、並べ替えや絞り込みに使えなくなります。
1つのセルには1つの情報だけを入れ、列を分けましょう。
「2026年4月1日頃」「令和8年4月」のように書くと、Excelが日付として扱えず、期限の色付けや並べ替えが働きません。
日付の列は書き方を1つに決め、セルの表示形式を日付にそろえておくと、期限の管理に使えます。
解約した契約の行を消してしまうと、あとで過去の条件を確かめたいときに手がかりがなくなります。
期間が終わった契約は行を消さずに別のシートへ移し、解約した日を備考に残しておきましょう。
見た目を整えるためにセルを結合したり、区切りの空の行を入れたりすると、並べ替えや絞り込みで表が崩れます。
台帳は1行目を見出し、2行目以降を1件1行にして、結合や空の行を入れないようにします。
Excelの台帳は手軽に始められる一方で、件数や使う人が増えてくると、次のような困りごとが出てきます。
入力の手間が理由で台帳が更新されなくなったら、台帳づくりを自動化する方法を検討するタイミングです。
契約書管理システムの中には、登録した契約書から必要な項目をAIが読み取って台帳を自動で作る製品があります。台帳の入力を減らしたい企業に向けて、3つのツールを紹介します。

法務部門への依頼、契約の審査、締結後の保管をまとめて担う法務管理クラウドです。締結した契約書を登録すると、生成AIが主要な項目を書き出し、管理台帳ができあがります。
基本契約と、あとから交わした覚書を互いにひも付けておけるので、関連する契約の列を手で埋める手間も省けます。

契約書づくりから社内の承認、締結後の管理までを受け持つクラウド型のシステムです。大規模言語モデル(LLM)と文字認識(OCR)を組み合わせたAIが、契約書から必要な情報を抜き出すため、台帳に手で打ち込む量を減らせます。
契約の終わりや自動更新が近づくとアラートで知らせてくれるほか、紙の原本をどこに置いたかも記録できます。導入前には、15日間の無料トライアルで操作を試せます。

紙で交わした契約も電子契約も、同じ台帳にそろえて管理できるサービスです。取り込んだ契約書の中からAIが読み取る項目には、契約書名や取引の相手、自動で更新されるかどうかなどがあります。
過去の紙の契約書のスキャンを外部に任せることもでき、入力し直す時間が取れない企業に向いています。
台帳を自動で作れる製品はほかにもあります。違いを比べるときは契約書管理システムのおすすめ比較を参考にしてください。
1つの台帳にまとめ、「紙・電子の区分」の列で見分ける形がおすすめです。台帳が2つに分かれると、探すときに両方を確かめる必要があり、どちらかへの登録漏れも起きやすくなります。
行を消すのではなく、別のシートに移して残しておきましょう。期間が終わったあとに、過去の条件を確かめる場面があるためです。
契約書の原本をいつまで残すかは、台帳とは別に決めておきます。税務上の保存期間は、No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁が参考になります。
テンプレートの項目が自社の契約に合っているかを確かめてから使いましょう。更新しない場合の通知期限や原本の保管場所の列がない場合は、自社で足す必要があります。
反対に、使わない列はあらかじめ削っておくと、空欄が増えるのを防げます。
契約書管理台帳は、基本の項目に絞って作り、登録のタイミングと書き方のルールを決めておくことで、長く使える台帳になります。特に、契約の終了日とは別に、更新しない場合の通知期限を記録しておきましょう。
Excelで作る場合は、ドロップダウンリストで書き方をそろえ、条件付き書式で期限が近い契約を目立たせると、確かめ忘れを減らせます。
入力が負担になってきたら、台帳を自動で作れる製品を契約書管理システムの比較から探してみてください。