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契約書管理は総務の仕事?法務がない会社の役割分担と進め方

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契約書管理は総務の仕事?法務がない会社の役割分担と進め方

法務の担当部署がなく、契約書の管理が総務に任されたものの、どこまでが自分の仕事で、何を誰に相談すればよいのか迷っていませんか。

本記事では、契約書を管理する部署の3つの形を比べたうえで、総務が受け持つ業務の範囲と、審査を外部に任せる線引きを紹介します。兼務で回すためのコツもまとめました。

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目次

契約書はどの部署が管理するか

契約書の管理を受け持つ部署は、会社の規模や体制によって変わります。主な形は、法務部門が管理する、総務部門が管理する、各事業部が管理する、の3つです。

管理する部署 向いている会社 気をつけたい点
法務部門 法務の担当者がいて、契約の件数が多い会社 審査と管理の両方が集中し、法務の負担が大きくなる
総務部門 法務の担当部署がなく、総務が文書や印章を管理している会社 契約内容の審査は総務の外に相談先が要る
各事業部 事業部ごとに取引先や契約の種類が大きく違う会社 保管の仕方が部署ごとに変わり、全社で把握しにくい

各事業部での管理は、部署ごとに保管場所やルールが違ってくるため、全社でどんな契約があるかを把握しにくくなります。法務の部署を持たない会社では、全社を横断して文書を扱う総務が、契約書の管理の窓口を受け持つ形が考えられます。

総務が契約書管理を受け持つときの強み

総務は、もともと社内の文書や備品、印章の管理を受け持っていることがあります。契約書の管理を総務に寄せると、次のような強みがあります。

全社の契約書を1か所に集められる

総務はどの事業部とも関わりがあるため、各部署が結んだ契約書を集める窓口になりやすい部署です。保管場所を総務の書庫や共有フォルダに一本化すれば、全社の契約書を1か所で見渡せます。

押印と原本の管理をまとめられる

契約書への押印を総務が受け持っている会社では、押印のときに契約書の内容と締結日を把握できます。押印の申請を受けた時点で台帳への登録まで済ませれば、台帳への載せ忘れを防げます。

保管期間や廃棄のルールを社内の文書管理とそろえられる

社内の文書の保管や廃棄のルールを総務が決めている場合、契約書も同じ考え方で扱えます。保管の年数や廃棄の手順を、ほかの文書と合わせて管理できます。

総務が受け持つ業務の範囲

総務が契約書の管理を受け持つ場合、主な業務は次の5つです。自社でどこまで受け持つかを決め、事業部にも知らせておきましょう。

原本の受け取りと保管

締結した契約書の原本を事業部から受け取り、決めた書庫やファイルに保管します。電子契約で交わした契約書は、保存先のフォルダやサービスを決めておきます。

押印と印章の管理

契約書に押す印章の保管と、押印の申請の受け付けを担います。

電子契約を使う会社では、締結の手続きを送信できる人の設定もあわせて管理します。誰が、いつ、どの契約書に押印したかを記録しておくと、権限のない押印を防げます。

押印の申請には、契約書の内容を承認した記録を添えてもらうようにします。承認が済んでいない契約書には押印しない、というルールを決めておくと、社内の手続きが抜けたまま締結されることを防げます。

押印の申請書に以下の項目を設けておけば、押印の記録と台帳への登録を一度に済ませられます。

項目 書く内容
申請者・部署 押印を申請した人と、契約を結ぶ部署
契約名・相手方 契約書の表題と、相手方の正式な会社名
押す印の種類 代表者印、社印など
押印する通数 自社用と相手方用の通数
承認の記録 社内の承認を得た日と承認者
契約期間・更新の有無 台帳に登録するための情報
押印した日・押印者 総務が記入する

台帳への登録と期限の通知

締結した契約書を台帳に登録し、更新や終了の期限が近づいたら担当の事業部に知らせます。続けるかどうかを判断するのは事業部で、総務は判断に必要な情報を届ける役割です。

原本の貸し出しの管理

事業部から原本を確かめたいと求められたときは、貸し出しの記録を付けてから渡し、戻ってきたら返却を記録します。

中身を見るだけであれば写しで足りるので、原本は書庫に置いたままにする運用がおすすめです。

保管期間の管理と廃棄

期間が終わった契約書を分けて保管し、保管の期間を過ぎたら廃棄します。残しておく年数は書類や法令によって異なるため、廃棄の前に確かめます。

何年残すかは書類ごとに経理や顧問税理士と決め、一覧にしておくと迷いません。

総務が受け持たない範囲|審査と判断は誰に任せるか

総務が契約書の管理を受け持つ場合も、契約の内容を判断する役割まで1人で抱える必要はありません。次のように分けて考えると、総務の負担を抑えられます。

取引の条件を決めるのは事業部

代金や納期、業務の範囲といった取引の条件は、取引先と話し合っている事業部が決めます。総務は、決まった条件が契約書に書かれているかを事業部に確かめてもらう立場です。

契約内容の審査は外部の力も借りる

契約書に自社に不利な条項がないか、抜けている条項がないかを確かめる審査は、契約に関する知識が必要な作業です。

法務の担当者がいない会社では、顧問弁護士や、弁護士に相談できるサービスなど、審査を頼める先をあらかじめ決めておくと、総務が判断に迷ったときに止まらずに済みます。

相談するかどうかの目安を決めておく

すべての契約書を外部に相談すると、費用も日数もかかります。自社のひな形どおりに結ぶ契約は社内の確認で進め、相手方のひな形を使う契約や金額が大きい契約は外部に相談する、といった目安を決めておきましょう。

法務・事業部との役割分担

総務の目線で押さえておきたいのは、次の3点です。

  • 事業部から総務へ、締結した契約書を回すタイミングを決める
  • 期限の通知を受けた事業部が、いつまでに判断を返すかを決める
  • 総務が判断に迷ったときの相談先(顧問弁護士・外部サービス)を決める

総務の担当者が最初の1か月でやること

新しく契約書の管理を任されたら、次のような段取りで進めると、全体を把握しながら管理を整えられます。

1週目:契約書のありかを洗い出す

書庫、キャビネット、事業部の机、共有フォルダ、電子契約サービスなど、契約書が保管されている場所を一覧にします。前任の担当者がいれば、保管場所と台帳の有無を聞き取っておきます。

2週目:期限が近い契約を拾い出す

洗い出した契約書の中から、今も続いていて、更新や終了の期限が近いものを先に確かめます。ルールづくりに時間をかけているうちに、更新の時期が過ぎるのを避けるためです。

3週目:保管と登録のルールを決める

どこに保管するか、ファイルに何と名前を付けるか、いつ台帳に載せるか、原本をどう貸し出すかを決めます。事業部から契約書を回してもらう方法も、3週目のうちに決めておきます。

4週目:事業部に知らせて運用を始める

決めたルールを事業部に知らせ、締結した契約書を総務に回してもらう運用を始めます。審査の相談先と、相談するかどうかの目安もあわせて伝えましょう。

契約書管理を兼務で回すためのコツ

総務の担当者は、契約書の管理だけでなく、ほかの業務も抱えていることがあります。限られた時間で回すために、次の点を意識しましょう。

契約書の作業をする日を決める

台帳の登録や期限の確認を、思いついたときに行うと、ほかの業務に押されて後回しになります。週に一度の登録日、月に一度の期限の確認日のように、作業の日を予定に入れておきます。

ひな形をそろえて相談の件数を減らす

繰り返し結ぶ種類の契約は、社内で使う雛形を決めておくと、外部に審査を頼む件数を減らせます。ひな形どおりに結ぶ契約は、社内の確認だけで進められるようになります。

紙の作業を外に出す

過去の紙の契約書のスキャンや、原本の保管を外部のサービスに任せる方法もあります。総務の担当者が手作業で行う量を減らせば、ほかの業務に時間を回せます。

引き継ぎのメモを残しておく

保管場所、台帳の場所、ルール、相談先を1枚のメモにまとめておきます。

総務の担当者が替わっても、メモを見れば同じやり方で管理を続けられます。

電子契約を始めるときに整えること

電子契約を取り入れると、押印や郵送の作業は減りますが、総務が受け持つ役割がなくなるわけではありません。次の3つを整えておきましょう。

送信できる人と、承認の流れを決める

電子契約では、画面上の操作で契約を送れます。誰が契約を送信できるか、送信の前にどんな承認が要るかを決め、サービスの権限の設定とそろえておきます。

紙の契約と同じ台帳で管理する

電子契約で交わした契約も、紙の契約と同じ台帳に登録します。サービスの画面だけで管理していると、紙の契約と別々に探す手間が生まれます。

保存の方法を確かめる

電子契約の契約書は、電子帳簿保存法でいう電子取引にあたる場合があります。保存のしかたを経理や顧問税理士に確認し、総務と経理で同じ方法をとれるようにしておきましょう。

総務の契約書管理の年間スケジュール

契約書の管理は、日々の作業と、定期的に行う作業に分けると、兼務でも抜けなく回せます。次のような予定を組んでおくと便利です。

頻度 作業 ポイント
締結のたび 原本の受け取り、管理番号の付与、台帳への登録 押印の申請を受けたときに登録まで済ませる
毎週 届いた契約書の登録漏れの確認、原本の貸し出しの返却確認 週に一度の作業日を決めておく
毎月 期限が近い契約の洗い出しと、事業部への通知 3か月先までに期限が来る契約を拾う
半年に一度 台帳と実物の照らし合わせ(棚卸し) 台帳にない契約書、見つからない原本がないかを確かめる
年に一度 保管期間を過ぎた契約書の廃棄、ルールの見直し 廃棄した日と管理番号を記録する

毎月の期限の確認では、相手方へ更新しないと伝える期限から逆算して、事業部が判断できる余裕を持って知らせることが大切です。

総務が契約書管理でつまずきやすい場面

総務が管理を受け持っても、事業部の協力や担当者の体制によっては、うまく回らないことがあります。起こりやすい場面と手当てを確かめておきましょう。

事業部が契約書を回してくれない

事業部が締結した契約書を手元に置いたままにすると、総務は契約があることすら把握できません。

押印の申請や電子契約の送信を総務で受け付ける形にすると、締結の前に契約書が総務を通るようになります。押印を総務で受けない会社では、締結後に契約書を回す期限を決め、守られているかを棚卸しで確かめましょう。

紙と電子で二重に管理してしまう

紙の原本を書庫に、スキャンしたPDFを社内のフォルダに保存し、それぞれに台帳を作ると、どちらかの更新が漏れて内容が食い違います。

台帳は1つにまとめ、紙と電子のどちらで保管しているかを列で区別する形にしておきます。

担当者が1人で、休むと管理が止まる

総務の担当者が1人で管理していると、休暇や急な欠勤のときに、期限の通知や原本の貸し出しが止まります。

台帳の場所や手順を書いたメモを共有し、期限の通知は上長にも届くようにしておくと、担当者が不在でも最低限の管理を続けられます。

外部のサービスに任せられる作業

総務の人手が足りない場合は、契約書の管理の一部を外部のサービスに任せる方法もあります。任せられる作業の例は次のとおりです。

任せられる作業 内容 向いている場合
スキャンと電子化 紙の契約書を読み取ってPDFにする 過去の紙の契約書が大量にある
原本の保管 原本を外部の保管庫で預かってもらう 社内の書庫の場所が足りない
台帳への登録 契約書の情報を読み取って台帳に入れる 入力する時間が取れない
審査の相談 契約内容を弁護士などに確かめてもらう 社内に法務の担当者がいない

外部に任せる場合も、どの契約書を誰に預けたか、どこに保管されているかは総務が把握しておく必要があります。任せる範囲と、社内に残す作業を分けて決めておきましょう。

総務が受け持つ契約書管理のチェックリスト

総務が契約書の管理を受け持つときに、整っているかを確かめたい項目です。着任したときや、年に一度の見直しのときに使ってください。

保管と台帳

  • 紙の原本を保管する書庫と、鍵を持つ人が決まっている
  • 電子データの保存先と、見られる人が決まっている
  • 契約書ごとに管理番号を振り、台帳に載せている
  • 原本の貸し出しと返却を記録している

押印と締結

  • 押印の申請に、社内の承認の記録を添えてもらっている
  • 誰が、いつ、どの契約書に押印したかを記録している
  • 電子契約の送信ができる人を決めている

期限と廃棄

  • 期限が近い契約を、事業部に知らせる時期が決まっている
  • 契約書ごとの保管期間を決め、廃棄の記録を残している

相談と引き継ぎ

  • 契約内容の審査を相談する先が決まっている
  • 管理の手順と相談先を、引き継ぎのメモにまとめている

総務の負担を減らすツール

審査の相談先や、紙の原本の管理、依頼の受付をサービスに任せると、兼務の総務でも契約書の管理を回しやすくなります。

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ConPass(コンパス)|紙の原本のスキャンと保管を任せたい総務に

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総務の書庫にある紙の契約書も、電子契約で交わしたものも、同じ台帳で扱えるサービスです。AIが契約書から管理に使う項目を拾い、解約を申し出る期限や契約の終了日が迫ると担当者にメールが届きます。

過去の紙の契約書のスキャンや、原本を保管庫で預かるサービスも頼めるため、書庫の管理に手が回らない総務に向いています。

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よくある質問

法務部門と総務部門の両方がある会社では、どちらが管理しますか?

審査は法務、原本の保管や押印、台帳への登録は総務、のように分ける形があります。どちらが何を受け持つかを決め、事業部が迷わないように知らせておくことが大切です。

印章の管理と契約書の管理は、同じ担当者が受け持ってもよいですか?

同じ担当者が受け持つと、押印のときに台帳への登録まで済ませられる利点があります。一方で、1人に権限が集まるため、押印の記録を残し、上長が定期的に確かめる仕組みもあわせて整えておきましょう。

契約書の管理のルールは、総務が作るべきですか?

管理を受け持つ総務がたたき台を作り、事業部や経営者に確かめてもらう進め方が考えられます。保管、登録、押印、貸し出し、廃棄の手順と、審査の相談先をまとめておきましょう。

事業部の担当者が契約書を個人で保管していたら、どうすればよいですか?

まずは、原本を総務に回してもらい、台帳に登録します。確認のためのコピーやPDFは手元に残してもらってかまいません。

あわせて、締結した契約書を総務に回すルールを改めて伝え、次からは締結後すぐに回してもらうようにしましょう。

顧問弁護士がいない場合、審査はどこに相談すればよいですか?

弁護士に相談できるサービスや、スポットで依頼できる法律事務所を探す方法があります。相談先が決まっていないと、判断に迷ったときに締結が止まってしまうため、契約書の管理を任された段階で決めておきましょう。

まとめ

社内に法務の部署がなければ、総務が原本の保管、押印、台帳、期限の通知、廃棄を受け持ち、取引の条件は事業部、契約内容の審査は外部に任せる形にすると、総務の負担を抑えながら管理を回せます。

着任したら契約書のありかと期限の近い契約を先に確かめ、ルールを決めてから事業部に知らせましょう。

兼務の負担が大きくなってきたら、契約書管理システムの比較で、総務の作業を減らせる製品を探してみてください。

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BackOfficeDB編集部
この記事の執筆者
BackOfficeDB編集部
こんにちは。BackOfficeDB編集部です。 私たちは、管理部門に関する情報発信を専門にしています。 業務効率化や、各職種のキャリアプラン、スキルアップなど、管理部門の様々なお悩みにお答えします。