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経理の年収と年収を上げるために必要なスキル、具体的な方法について

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経理の年収と年収を上げるために必要なスキル、具体的な方法について

経理は会社の売上や経費などの金銭的な動きを記録し、財務諸表の作成を通じて自社の財務状況を把握・報告する職種です。経営判断や戦略立案に欠かせない重要な職種なので年収も高いイメージがあるかもしれませんが、実際にはどれくらいなのでしょうか?

この記事では経理の年収をテーマに年収相場や年収を左右する要因、年収を上げるのに必要なスキルや資格、方法などについて解説します。

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経理の年収相場

経理の年収は400万~500万円が相場です。あくまでも全体の目安なので、年代やポジション、企業規模などによって異なります。

年代別の年収

20代経理職の年収は300万~400万円が目安です。20代は役職なしの担当者クラスがほとんどで、経理経験が浅いためほかの年代と比べて低く抑えられています。20代後半になると経理経験を3年以上積み、リーダー候補として期待される人もでてくるため年収も徐々に上がっていきます。

30代経理職の年収は400万~550万円が目安です。責任の範囲や業務の難易度が上がるため、20代と比べて年収が高くなります。企業規模にもよりますが、経理課長になると年収は600万円を超えるケースが多く見られます。

40代経理職は経験が豊富なスペシャリストか管理職になる人が多く、年収は500万円以上となるケースが多数です。上場企業の経理部門で管理職になると800万円以上を得ている人もいます。

ポジション別の年収

ポジション別に見ると、役職なしの担当者クラスは現金出納や仕訳入力など基本的な業務を担当するケースが多く、一般に年収が低く抑えられています。しかし、担当者クラスでも経営分析など難易度の高い業務を行う場合は600万円近い年収になることがあります。

リーダー候補になると年収は500万円~、リーダーや課長は600万円以上が目安です。部長以上は800万円を超え、上場企業の経理部長になると1,000万円を超える場合があります。

企業規模別の年収

大企業の経理の平均年収は600万円前後です。これに対し、中小企業の経理は400万円前後が目安となり、企業規模によって大きな違いがあることがわかります。

大企業の場合、多くの財務情報を報告する必要があり、国際的な取引や規制への対応などもあることから高度な専門スキル・知識が求められます。そのため年収も高めに設定されています。

ほかの管理部門系職種との比較

経理以外の管理部門系職種と比較すると、まず経理と関係の深い財務の年収は450万~550万円が目安です。経理の年収は400万~500万円が目安なので、財務のほうがやや高いことがわかります。これは、財務は資金の調達や運用など経営戦略と直結する業務を行うため、専門性や難易度が高いことが関係しています。

ほかの管理部門系職種との比較は以下のとおりです。管理部門の中で、経理は平均的な水準にあるといえるでしょう。

  • 総務:300万~400万円
  • 法務:500万~600万円
  • 広報:400万~500万円
  • 経営企画:500万~600万円
  • 人事:450万~550万円

※参考:求人ボックス給料ナビ|経理の仕事の年収・時給・給料
※参考:転職会議|経理の年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計)

経理の年収を左右する要因

経理の年収は以下のようにさまざまな要因によって左右されます。

実務経験

経理の年収を左右する要因のひとつが実務経験です。一般的に、実務経験が長くて豊富なほど、経理の年収は高くなります。これは、実務経験が長くて豊富な人は会計知識やスキルが高く、複雑な業務にも対応できると評価されるからです。

また、実務経験が豊富な人はキャリアアップのチャンスも多くなります。管理職に昇進したり、大手企業や業績のよい企業に転職したりといった機会に恵まれやすいため、年収を大幅に上げることができます。

資格

経理の資格は、会計や税務などの専門知識を証明するものであり、企業にとっては経理業務の品質や信頼性を高める要素です。そのため、資格があると資格がないよりも高い年収を得やすくなります。

経理に関係する資格には簿記や税理士などさまざまな種類がありますが、一般的には、難易度と経理業務との親和性が高い資格ほど年収に大きな影響を与えます

マネジメント経験

マネジメント経験は経理部門のメンバーや他部署との連携を円滑に進める能力のことで、経理業務の効率化や品質向上に貢献します。

マネジメント経験があると経理の専門性だけでなく、リーダーシップやコミュニケーションスキルも評価されるため、年収アップのチャンスが広がります。一方、マネジメント経験がないと、優れたスキルや知識があっても上位職への昇進や転職が難しくなる可能性があります。

企業規模

一般に経理職として勤めている企業規模が大きいほど、業務の難易度や専門性が上がり責任範囲も広がるため、年収が高い傾向があります。転職する場合も、規模が大きい企業の経理経験があるほうが、スキルや経験を高く評価される可能性が高まります。

一方、企業規模が小さい場合は業務の対応範囲が限られます。外部の税理士事務所などに一部業務を委託していることもあり、その場合はさらに業務経験の範囲が狭くなります。年収も低く抑えられやすいでしょう。

業界

経理の年収は、同じ職種でも業界によって大きく異なります。一般的には業界の規模や利益率、海外展開の有無などに影響されます

たとえばITやAI、再生可能エネルギーなどの成長産業は収益性が高いため経理の年収も高く設定されていることが多いです。また海外展開するグローバル企業は経理の仕事が複雑で多岐にわたり、語学力なども求められるため、年収が高い傾向があります。

経理が年収を上げるために必要なスキルや知識

年収を上げるには、経理としての基本的なスキルや知識を備えるだけでなく、以下のようなスキル・知識も必要です。

ビジネススキルや経営者視点

ビジネススキルや経営者視点を身につけることで、会社のビジネスパートナーとして認められ、年収も上昇する可能性が高まります。

ビジネススキルとは自社の事業内容や市場動向、競合状況などを理解し、経理の数字がどのようにビジネスに影響するかを把握する能力のことです。ビジネスの知識があれば、経理業務で得た数字をもとに自社の強みや弱み、課題や改善点などを見つけ出し、提案やアドバイスを行うことができます。

経営者視点とは自社の経営方針や戦略、目標などに沿って経理業務を行う能力です。経営者視点があれば、日々の業務を単なるルーチンワークではなく、自社の成長や発展に貢献する活動として捉えることができます。経理業務を効率化・最適化するために、自ら改善案の提案などもできるでしょう。

コミュニケーションスキル

経理が年収を上げるには専門的な知識やスキルだけでなく、社内外の人と円滑にコミュニケーションを図れるスキルが必要です。

社内のコミュニケーションでは、たとえば部門長には部門の予算や実績をわかりやすく的確に伝える必要があります。社員には給与や福利厚生などの個人的な情報を伝える必要があるでしょう。それぞれの相手に合わせたコミュニケーションを図ることで信頼関係を築き、協力を得ることができます

社外の人とのコミュニケーションでは、公的機関や取引先、金融機関などとのやり取りがあります。会社関係者とのコミュニケーションで信用を得ることで、会社の評判や信用力を高めることができるため、経理としての評価が高まり年収アップにつながります

システムやツールを活用できるスキル

経理業務に必要なシステムやツールを使いこなせるスキルがあれば、業務の効率化や業務品質の向上が実現できます。また、システムやツールを使ってデータを可視化したりわかりやすく説明したりすることで、経営陣や他部署の理解や信頼を得ることができます結果的に年収が上がりやすくなるでしょう

スキルの具体例としては会計ソフトやエクセルなどの基本的なツールはもちろん、クラウドサービスやAIなどの最新の技術を活用できるスキルも含まれます。

財務分析スキル

自社の財務状況や業績を数値で分析し、経営判断や戦略立案に役立てる財務分析スキルを身につけることで、経理としての価値や信頼性を高めることができます。

また、財務分析スキルはコミュニケーションにも必要です。たとえば営業部門と協力して収益性の高い案件を見極めたり、経営層に対して財務指標を説明したりする場合などに役立ちます。

財務分析スキルは、ビジネスパートナーとして活躍できる可能性が高まるため、年収を上げるのに有効です。

英語力

グローバル化が進む現代では、英語力は経理の年収を上げるための重要な要素のひとつといえます。英語力があれば、海外の取引先や親会社とのやりとりがスムーズになります。

また、国際会計基準(IFRS)や海外の税制など、経理に関する最新の情報や知識を英語で入手することができます。さらに、英語力があれば海外での研修や留学などのチャンスが広がります。

英語力があることで経理としての総合的なスキルアップやキャリアアップにつながり、年収にも影響を与えます

経理の年収アップにつながりやすい資格

経理のスキルや知識を高めるために資格を取得することは、年収アップにも有効です。経理に関係する資格には以下のようなものがあります。

簿記

簿記は会計帳簿を作成するための基本的なルールや方法を学ぶ資格で、1級から3級まであります。最上位の1級では財務分析や予算管理などの応用的なスキルや知識も身につけることができるため、経理の仕事の質やレベルを大きく上げられるでしょう

また簿記は経理としてのスキルや知識を証明できるため、転職する際に有利にはたらきます。経理の場合は2級以上で評価の対象となることが多く、今よりも待遇のよい企業へ転職できる可能性を高めます。

税理士

税理士は、法人や個人の税務に関する専門家として、税金の申告や節税のアドバイスなどを行える資格です。税理士になるには国家試験に合格する必要がありますが、その難易度は非常に高く、合格率は約10%程度です。その分、税理士の専門性は高く評価されるため、平均的な経理の年収よりも高くなる可能性があります。

公認会計士

公認会計士は、会計や監査に関する高度な知識と技能を持ち、監査法人や企業などで幅広く活躍できる専門家です。試験内容や試験方法などさまざまな面で違うため単純な比較はできませんが、税理士と同様に合格率は10%前後の難関です。難易度が高い分、高い評価と年収につながり、特に上場企業やIPO準備企業などで評価の対象となる可能性があります。

その他民間検定・試験

上記以外にも、ビジネス会計検定やFASS検定などの民間検定・試験が挙げられます。これらの民間検定試験は比較的合格しやすく、それだけでは年収に大きな差が出ない場合があります。しかし経理に役立つ基礎知識や実務スキルを身につけることができ、ほかの資格へのステップアップにもつながります。

経理が年収を上げるための具体的な方法【まとめ】

最後に、経理が年収を上げるための方法を整理してお伝えします。

経理部門の管理職になる

担当者クラスに比べて管理職の年収は大きく上がる可能性があるため、管理職を目指すのがひとつの方法です。管理職になるには経理実務スキルや知識はもちろん、リーダーシップやコミュニケーション能力が必要です。

部下や他部署と協力して業務を進めるだけでなく、経営陣や外部の関係者とも連携して会社の財務状況を報告する役割も担います。そのため、チームワークや交渉力、プレゼンテーション力など幅広いスキルを高めることが必要です。

資格を取得する

資格の取得も年収を上げるための方法です。年収アップに直結するのは資格手当がつく資格です。資格手当制度があるのか、またどの資格に手当がつくのかは企業によって異なるため、自社の給与規則などを確認するのがよいでしょう。

手当がつかない資格であっても、昇進や転職などの際に評価の対象となれば間接的に年収が上がります。いずれにしても経理としてのスキルレベルや評価を高める資格を選択することが大切です。

財務へキャリアチェンジする

財務は企業の戦略や資金調達に関わる重要な部署であり、経理と比べて年収水準も高くなります。財務へのキャリアチェンジには会計や財務分析のスキル、ビジネスや金融の知識などが求められます。

キャリアチェンジは簡単ではありませんが、経理から財務へステップアップすることで年収を上げるだけでなく、キャリアの幅も広げることができます。

企業規模や業界を変えて転職する

経理はどのような企業・業界でも必要な職種ですが、同じ経理でも企業規模や業界によって年収に大きな差が出ることも事実です。そのため経理として年収を上げたい場合は企業規模や業界を変えて転職するのが有効です。

転職する際には、自分の強みや目標を明確にし、適切な企業や業界を選びましょう。

外資系企業の経理へ転職する

一般的に日系企業の経理よりも外資系企業の年収が高いといわれています。外資系企業の経理は、国際的な会計基準や税務知識、英語力などさまざまなスキル・知識を求められるためです。また外資系企業は成果主義の傾向があるため年齢等に関係なく成果に応じた評価を受けやすいというのも理由です。

したがって、実力がある人は外資系企業の経理へ転職することで年収が上がる可能性があるでしょう。外資系企業の経理へ転職するにはそれなりの準備と努力が必要ですが、グローバルなビジネスに関わることができるため、視野が広がり、今後のキャリアにもよい影響を与えられます。

転職エージェントを利用して、年収交渉してもらう

転職する際に経理としての実績や経験を正当に評価してもらうためには、転職エージェントを利用して転職のプロに年収交渉まで任せることをおすすめします。

年収交渉は自分で行うこともできますが、企業との関係悪化を恐れて強気に出られなかったり、妥当な年収相場が分からないために思うような年収を得られない可能性があります。年収交渉に第三者が加わることで企業と直接やり取りすることがなくなりますし、転職のプロに相談したうえで理想の年収や年収の下限を決めて交渉を進めたほうが理想の年収に近付くでしょう。

たとえば、管理部門に特化した転職エージェント「BEET-AGENT」では、求人提案から選考の対策、内定後のフォローまでサポートが充実しています。経理・財務などバックオフィス系の人材に特化しているため、年収相場や企業・業界ごとの特性をよく理解しており、希望年収を叶えるための有益なアドバイスがもらえます

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BackOfficeDB編集部
この記事の執筆者
BackOfficeDB編集部
こんにちは。BackOfficeDB編集部です。 私たちは、管理部門に関する情報発信を専門にしています。 業務効率化や、各職種のキャリアプラン、スキルアップなど、管理部門の様々なお悩みにお答えします。