入社したばかりで「総務って何をする部署?」と戸惑っている方、あるいは1人総務として何から手をつければいいか分からず困っている方は少なくありません。
総務の業務は幅が広い分、体系的に把握しておかないと抜け漏れや属人化が起きやすい部門です。
この記事では、総務の業務をカテゴリ別・月別に整理し、各業務を効率化するためのSaaSも合わせて紹介します。
総務とは、企業の日常業務が滞りなく回るよう、縁の下で支える管理部門の一つです。
人事・経理・法務などの専門部門が担わない業務を広く受け持ち、会社全体の運営インフラを整える役割を果たします。
会社によって定義は異なりますが、「施設管理」「文書管理」「契約管理」「福利厚生」「株主総会対応」「来客・電話対応」「庶務」など、多岐にわたる業務を担当するのが一般的です。
総務が「何でも屋」と呼ばれるのは、他の部門に明確に属さない業務が、すべて総務に流れ込む構造になっているからです。
オフィスの電球が切れた、備品が足りない、社内イベントの幹事を誰かがしなければならない——「誰の仕事でもない仕事」の受け皿が、総務です。
大企業でも中小企業でも構造は変わりませんが、会社の規模によって総務が抱える業務の重さは大きく異なります。
大企業では、施設管理・文書管理・株主総会対応などがそれぞれ専門チームに分かれているケースもあります。
一方、中小企業や100名以下の組織では、1〜2人で総務全般をこなすのが珍しくありません。いわゆる「1人総務」状態です。
1人総務の場合、全業務を自分でこなすことへの負荷はもちろん、知識が属人化してしまうリスクも高くなります。
業務をカテゴリごとに整理し、優先順位をつけておくことが、持続可能な運営のために必要です。
総務の中でも日常業務として頻度が高いのが、オフィス環境の維持管理です。
備品の購入・在庫管理、会議室や設備の予約管理、清掃業者との調整、防災設備の点検・管理といった業務が含まれます。
特に備品管理は、紙台帳や目視確認だけでは在庫の過不足が発生しやすく、発注漏れが起きやすい領域です。
防災については、消防法に基づく定期点検の記録保管が義務付けられており、対応漏れは法令違反につながります。
備品管理SaaS、施設管理SaaSを導入すると、在庫の自動アラートや予約状況の一元管理が可能になります。
座席管理には「せきなび」のような在席管理・フリーアドレス管理ツールも活用できます。
企業活動で発生する大量の文書を適切に保管・管理するのも総務の重要な役割です。
社内規程・議事録・契約書・報告書など、文書の種類によって保管期間や保管方法のルールが異なります。
契約書管理では、締結・更新・解約の期日管理が特に重要です。更新忘れによる自動継続や、解約通知の漏れは実務上よく起きる問題です。
電子帳簿保存法への対応が求められる現在、電子保存への移行を進めている企業も増えています。
文書のデジタル化は、検索性の向上や物理スペースの削減にもつながります。
文書管理SaaS、電子契約SaaSを活用することで、更新期日のアラート通知や文書の全文検索ができるようになります。
従業員が安心して働ける環境を整えることも、総務の担う業務の一つです。
健康診断の手配・受診管理、社内イベント(忘年会・表彰式・クラブ活動支援等)の企画・運営、慶弔対応(お祝い金・香典等)の手配などが含まれます。
健康診断については、労働安全衛生法に基づき、企業には従業員への年1回の健康診断実施義務があります。
受診率の記録管理や、再検査案内の送付なども総務が担うことが多いです。>
福利厚生SaaSを活用することで、健康診断の予約管理や受診状況の一元管理、各種補助制度の申請受付を効率化できます。
オフィスの物理的なセキュリティ管理と、情報セキュリティの維持は、総務が関わることの多い領域です。
入退室管理システムの運用、IT資産(PC・スマートフォン・ライセンス等)の台帳管理、セキュリティポリシーの整備と周知などが業務として挙げられます。
IT資産管理は、紛失・盗難時のリスク管理だけでなく、ライセンス費用の適正化にも直結します。
使っていないアカウントやライセンスを把握できていないと、無駄なコストが発生し続けます。
入退室管理SaaSとして「バルテック入退室管理システム」が活用できます。IT資産管理SaaSを導入することで、端末の所在・利用状況をリアルタイムで把握できます。
上場企業の総務では、株主総会の運営準備が年間の大きなヤマ場となります。
招集通知の作成・発送、会場手配、議事録の作成・保管、株主対応など、準備期間を含めると数カ月にわたる業務です。
また、社内規程の整備・改定、印鑑・公印の管理、行政機関への各種届出手続きなど、法務的な対応も総務が担うケースがあります。
コンプライアンス教育の企画・実施を総務が担当する会社も多くあります。
コンプライアンス管理SaaSやeラーニングツールを活用することで、コンプライアンス研修の実施記録管理や教材の配信を効率化できます。
受付業務や代表電話への対応は、会社の顔として重要な役割を持ちます。
来訪者への応対、会議室への案内、担当者への取り次ぎ、代表電話の一次対応などが日常業務として発生します。
テレワーク普及以降、オフィスに常駐するスタッフが減り、代表電話や来客対応の負担が特定の担当者に偏りやすくなっています。
無人受付SaaSとして「ラクネコ」「MOT受付」などのタブレット受付システムが活用できます。代表電話の対応には、「ミライAI」のようなAI電話サービスや、「MOT/TEL」などのクラウドPBXを導入することで、不在時の対応も自動化できます。
郵便物の発送・受け取り管理、名刺の発注・在庫管理、出張手配(交通・宿泊の手配)、消耗品の補充、会議準備(お茶出し・資料印刷等)などが含まれます。
一件あたりの所要時間は短くても、件数が積み重なると総務担当者の時間を大きく圧迫しやすい業務群です。定型化できるものをSaaSや外部サービスに移管することが、工数削減に直結します。
名刺管理SaaSを活用することで、受け取った名刺のデータ化・検索を効率化できます。
出張手配や経費精算には経費精算SaaSが有効です。
「i-STAFF」のようなオンラインアシスタントサービスに庶務業務をアウトソーシングするという選択肢もあります。
購買・発注管理には「リーナー購買」の活用も検討できます。
総務は季節によって集中する業務があります。
毎年繰り返される法定業務と社内イベントをあらかじめ把握しておくことで、突発対応に追われるリスクを減らせます。
※掲載しているスケジュールはあくまで一般的な例です。3月決算以外の企業や、業種・規模によってスケジュールは異なりますのでご注意ください。
総務業務の効率化で最も即効性が高いのは、紙やExcelで管理していた業務をSaaSに置き換えることです。備品管理・契約管理・入退室管理・名刺管理など、いずれも専用SaaSが存在します。
SaaS導入のメリットは、データの一元管理と検索性の向上だけではありません。権限管理ができるため、担当者が退職しても業務が引き継ぎやすくなります。「1人しか把握していない」状態からの脱却が、総務のリスク管理という観点でも重要です。
導入の際は、既存の業務フローや他ツールとの連携可否を事前に確認することをおすすめします。全業務を一度にデジタル化しようとすると現場が混乱しやすいため、負荷の大きい業務から段階的に導入するのが現実的です。
社内でSaaSを導入しても、業務そのものを内部でこなす必要がある場合、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)という選択肢があります。
庶務・受付・メール対応・出張手配などの定型業務を、「i-STAFF」のようなオンラインアシスタントサービスに委託することで、総務担当者が本来集中すべき業務に時間を使えるようになります。
ただし、機密情報の取り扱いや業務フローの引き継ぎには準備が必要です。何をアウトソースして、何を内製するかの線引きを先に決めておくと、導入後のトラブルを避けられます。
定型的なデータ入力・転記・レポート作成など、「毎回同じ操作を繰り返している」業務はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で自動化できます。
たとえば、申請フォームの内容を台帳に転記する作業、毎月の使用料集計をシステムから取り出してまとめる作業などが対象になります。
RPAの導入ハードルは以前より下がっており、ノーコードで設定できるツールも増えています。
まず「週に1時間以上かかっている繰り返し作業」をリストアップし、自動化できる候補を絞り込むところから始めると取り組みやすくなります。
大まかな原則は、「お金の流れを管理するのが経理、お金以外の会社インフラを管理するのが総務」という分け方です。
ただし中小企業では、経費精算の受付・集計を総務が担当したり、備品購入の支払い処理を経理が担当したりと、境界は企業によって異なります。
重複しがちな業務(郵送料の立替精算、消耗品費の仕訳等)については、どちらが主担当かを明文化しておくと、業務の抜け漏れや二重対応を防げます。
総務の業務そのものに法定資格は不要ですが、業務の幅によっては以下の資格が役立ちます。
どの資格が必要かは、会社の規模や総務が担う範囲によります。まず自社で義務となっている法定資格から確認することをおすすめします。
法定義務がある業務を最優先にすることが原則です。
労働保険年度更新・社会保険算定基礎届・年末調整・健康診断の実施管理・安全衛生委員会の運営など、対応漏れが法令違反につながる業務は、期限を管理表に落とし込んで必ず対応します。
法定業務を押さえたうえで、次に「止まると困る業務」として、備品補充、来客対応、電話対応などを優先します。
「あれば便利」な業務(社内イベント、社内報等)は、余力が生まれてから取り組む優先度で考えると、1人でも業務が回りやすくなります。
総務の業務は「施設管理」「文書・契約管理」「福利厚生」「セキュリティ」「株主総会対応」「来客・電話対応」「庶務」と多岐にわたります。
カテゴリ別に整理して把握することで、業務の抜け漏れを防ぐとともに、どこからSaaSやアウトソーシングを活用すべきかの判断がしやすくなります。
毎年繰り返される法定業務(労働保険年度更新・算定基礎届・年末調整等)は年間カレンダーに落とし込み、余裕を持って準備することが重要です。
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是非、現在の業務で抱えている課題に沿ったサービスを検索してみてください。