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財務で目指せる4つのキャリアパス!転職に有効な資格も解説

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財務で目指せる4つのキャリアパス!転職に有効な資格も解説

財務は、経理が作成した決算書などをもとに、予算の管理や資金調達などを行う仕事です。企業内におけるお金の流れを把握・記録する経理とは違い、会社外の資金運用・経営の最適化図る職種という違いがあります。

この記事では、財務のキャリアパスについて、財務経験者が目指せる職種や企業規模で異なる財務の業務範囲、転職する場合に有利となる資格を解説します。財務でキャリアパスを模索している方や、転職を検討している方は参考にしてください。

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財務の代表的な4つのキャリアパス

財務は企業の業績を左右する重要な業務を担っているため、経験で得た知識やスキルはさまざまなキャリアに活かせます。以下は、財務から考えられるキャリアパスの一例です。

  1. 経営企画
  2. 管理部門の責任者
  3. CFO(最高財務責任者)
  4. 財務スペシャリストとして独立起業

キャリアの選択肢を増やすためにも、詳細を確認しておきましょう。

経営企画

財務で培った予算の策定や財務分析、リスク評価などのスキルを活かしたい場合、経営企画のキャリアパスを目指すのがおすすめです。

経営企画では事業計画の立案や戦略の実行が求められるため、財務の分析スキルがあると事業課題の把握や戦略の策定に役立ちます。また企業全体の財務状況を把握して経営陣に報告してきた経験も、ビジネスの全体像に対する理解が求められる経営企画では有利に働くでしょう。

経営企画の業務は多岐にわたりますが、財務の知識に基づいた高度な業務遂行能力があれば、有能な経営企画の人材へ成長できるはずです。

管理部門の責任者

財務の経験を活かせば、総務や人事・経理・労務などのバックオフィスを統括する管理部門責任者のキャリアも目指せます。

財務といえば、企業のビジョンに合わせて予算・リスク管理をおこなうのが基本です。管理部門の責任者は、法務や人事の知識も必要になりますが、財務で培った戦略立案や管理能力を活かして組織全体の目標達成に貢献できると考えてよいでしょう。

最高財務責任者(CFO)

財務で経験を重ねれば、最高財務責任者(CFO)へのキャリアを築ける可能性もあるでしょう。

CFOは経営陣の一人として企業の経営戦略の策定や意思決定に関与し、財務の面から企業成長をサポートします。具体的には、予算実績を通じた経営戦略の遂行や株主・投資家への財務報告、キャッシュフローの最適化と戦略的な資金調達など、業務範囲は多岐にわたります。

これらの業務では、財務で究めた予算管理やリスク評価などの各知識と経験をさらに深化させ、経営戦略への理解やマネジメント能力を発揮する必要があります。自社で昇進するのが難しければ、ハイキャリア向けの転職サービスを利用するなどして、CFO求人を探すのもよいでしょう。

財務スペシャリストとして独立起業

財務のキャリアパスでは、知識と経験を活かして独立起業する選択肢もあります。とくにベンチャー企業やスタートアップ企業では、財務機能を外部へ委託するケースもあり、独立した財務スペシャリストの需要も存在するのです。

ひとつの企業に従事せず、財務で働き方の多様性を目指したい場合は、独立に向けてスキルを高めていくのもよいかもしれません。

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財務の企業規模別キャリアパス

転職してキャリアアップを図る際は、企業規模ごとの業務内容の特色を把握しておくのが大切です。

ここでは、企業規模をベンチャーから大手まで4つのカテゴリーに分類して、それぞれの特徴と目指せるキャリアを解説します。財務で転職を検討している方は、参考にしてください。

ベンチャー企業

ベンチャー企業は企業が成長段階にあり、市場の変化にも敏感のため、財務ではビジネスの成長に応じた予算策定と進捗管理をおこなう必要があります。短期間で多くの経験をして、企業の成長とともにキャリアアップできるのが特徴です。

またベンチャー企業は、新規事業に取り組んだり新たな市場に参入したりする機会も多く、適切なリスクマネジメントも求められます。経営陣とのやりとりも多いため、自身の意見が経営戦略に影響するシーンに直面すると、大きなやりがいを感じるかもしれません。

上場準備中の企業であれば上場準備に伴う調査や制度づくりなど貴重な業務経験を積むことができ、財務としての市場価値を高めることが可能です。

中小企業

中小企業は経営基盤がある程度整っているものの十分な人材確保ができているわけではない企業が多く、各管理部門の人たちでバックオフィス業務を分担しているケースがあります。財務も一人もしくは少人数チームで幅広い業務を任され、財務以外に経理や人事、総務の仕事に関わる機会も多いでしょう。

転職で中小企業を目指すなら、専門性を磨くよりはマルチタスクで活躍の場を広げるキャリアをイメージするのがよいかもしれません。ベンチャー企業と同様に自身の提案が会社の意思決定に影響する可能性もあり、さまざまな業務に触れて実務経験を積むことで、キャリアの選択肢を増やしていけるでしょう。

大手企業

大手企業は経営基盤が整っており、転職すると大規模で高度な財務業務に携われます。たとえば、連結決算や決算開示の資料作成経験は、大手の上場企業でしか経験できない業務のひとつです。

また大手では業務が細分化されているケースが多く、マルチタスクというより専門分野に特化して業務を進める特徴があります。社内ポジションも豊富なため、財務の一般職からチーフ・主任・課長・部長へ地位を上げていくなど、長く勤めることで昇進によってキャリア形成が図れるでしょう。

昇格してマネジメントや経営スキルを習得できれば、社内で最高財務責任者(CFO)を目指すルートも開けるかもしれません。

外資系企業

外資系企業では、グローバルな視点と多様性のある環境で財務経験が可能です。基本的な業務内容は国内企業と同様ですが、本国の通貨や税制度に基づく対応は慣れるまで難しく感じるかもしれません。

また外資系企業ではグローバルな取引も多く、国際会計基準(IFRS)の適切な理解も必要です。日常的に英語を使用する環境や決算期の違いなどは外資系企業でしか経験できないため、実務を通じて財務としての市場価値を高められます。その後のキャリアパスにも大きく影響するでしょう。

このように、企業規模によって財務の実務経験やその後のキャリアに変化が生じます。自身の市場価値にも影響する可能性が高いため、転職する際はどのような経験を経てスキルを習得したいか検討したうえで、転職先を探すのがよいでしょう。

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財務で重宝される実務経験とは

財務でキャリアを積んでいくには、以下の経験があると重宝されます。

  • 財務戦略の立案と実施
  • 資金運用
  • 予算管理
  • 資金調達
  • IPO推進
  • 内部統制(J-sox)の3点セット

業務範囲を広げてキャリアの選択肢を増やすためにも、詳細を確認しておきましょう。

財務戦略の立案と実施

財務戦略の立案・実行は、企業価値向上のために必要な財務業務のひとつです。企業が健全性を保つためには第三者からの評価が重要となり、選択を誤ると資金不足によって成長が阻害されるおそれが出てきます。

また、資金面に問題があると企業の社会的信用が失われ、結果的に金融機関からの融資を受けられなくなる可能性もあるでしょう。経営安定のために貸借対照表や損益計算書などの財務諸表から財務分析を図り、的確な財務戦略の立案と実施がおこなえると、有能な財務経験者と判断してもらえます。

資金運用

財務業務で資金運用を経験できると、経験値がアップします。企業の資産のなかでも運転資金に該当しない余剰資金は、資産運用によって利益を出すことが可能です。有価証券や不動産への投資のほか、M&Aによる企業の合併・買収など、さまざまな方法で資金運用を図ります。

投資と運用により利益を増やせると、企業価値の向上につながるでしょう。市場や商品価値を判断して投資する知識や経験があると、財務のキャリア形成に役立ちます。

予算管理

財務における予算管理は、重要な業務のひとつとなります。各部署へ予算を配分し、その後適切に使用されているかを定期的に確認します。不測の事態が生じれば、不可解な支出がないかチェックしたうえで資金を追加する必要もあるでしょう。

企業が資金不足に陥らないためには、売上予算や原価予算・経費予算などを正しく管理し、物事を客観視する能力が求められます。そのような経験を積んでおけると、キャリアアップの際にアピールできるでしょう。

資金調達

財務では資金調達の経験も重視されます。企業活動における運転資金や事業拡大に伴う資本金は、銀行からの融資や株式を発行する株式資本などで調達するのが基本です。うまく資金調達できなければ事業計画を実行できなかったり、ビジネスそのものを展開できなくなったりする恐れがあります。

スムーズに資金調達するには、適切な書類の作成や銀行・投資家に対する交渉・折衝に加え、良好な関係づくりも必要です。それらの経験があると、財務としてのコミュニケーションスキルを評価され、キャリア形成の際の人材価値も高まるでしょう。

IPO推進

新規株式上場(IPO)に向けた準備経験は、財務として非常に貴重です。誰もが経験できることではないのに加え、IPOを経験しなければ知り得ない業務も多いため、人材価値が高まる傾向にあります。

企業がIPOを目指す場合、財務は上場企業の会計を学び、運用面で変更しなければいけない点を洗い出す必要があります。また経理担当者がミスなく運用できるよう、マニュアルの整備や勉強会の実施も欠かせません。監査も増えるため、書類の作成や提出・監査法人への対応・証券会社への書類提出など、業務量が一気に増えることが予想されます。

しかし前述のとおり、これらの業務は未上場企業に属しているからこそ経験できることです。期間中の激務は避けられないかもしれませんが、成し遂げたあとの知識量や経験値は、通常の財務経験者よりも何倍も評価されるでしょう。

内部統制(J-sox)の3点セット

IPO準備中にも経験するかと思いますが、社内ルールなどの内部統制設計を経験していれば、転職市場でも市場価値の高い人材と言えます。

内部統制に必要な3点セットとは

  1. 業務記述書:業務内容や手順プロセス、業務遂行者などを明文化した書類
  2. フローチャート:業務プロセスを図式として可視化した書類
  3. リスク・コントロール・マトリックス(RCM):業務上のリスクとどうコントロールするかの対応表

これらの作成・提出の経験をしていることも、財務としてのキャリアアップの一助になるでしょう。

財務のキャリアアップに役立つ資格

財務は資格必須の仕事ではありませんが、取得によってキャリア形成に役立つものがあります。ここでは代表的な資格を5つ挙げ、簡単に紹介します。

公認会計士

公認会計士は、財務会計・税務・監査に関する高度な知識が求められる国家資格です。合格率10%程度の非常に難易度の高い資格ですが、取得によって財務としての市場価値を高められます。

会計士資格を持っていると、年収アップや経理財務のハイレイヤーポジションを望めます。また、監査法人や会計事務所に転職したり、独立開業したりというキャリアパスも選択できるようになります。

税理士

税理士は、税務の専門知識を証明する国家資格です。取得によって、企業のコンプライアンスや税務戦略に関与できるようになります。受験資格があるため誰でも受けられる試験ではないものの、社会的信用度も高いため挑戦する価値のある資格といえるでしょう。

日商簿記検定

簿記は会計業務の基礎知識を証明できる資格です。財務や経理など企業の資金関連業務を担う方は、2級以上を取得しておくと役立ちます。資格取得によって、データ分析や記帳の知識も習得できるでしょう。

FASS検定

FASS検定(経理・財務スキル検定)は、資産・決算・税務・資金の4つの分野の実務知識を評価する資格です。各分野の評価点が示されることで、自身がどのような業務レベルが長けているのか把握できます。

また経営層のキャリアパスを検討する方が実力確認のために受験するケースも多く、取得によって財務のキャリア形成で役立つでしょう。

これらの資格は財務の基礎・応用知識を証明するだけでなく、自身の市場価値を高めて企業内外で活躍の幅を広げる後押しになります。財務からのキャリアパスを成功させるためにも、これらの資格と合わせて実務経験を磨き、キャリア形成を戦略的に進めるのが大切でしょう。

財務のキャリアに悩んだら、専門家に相談を

財務がキャリアアップを図るうえで目標にしたい職種について、企業規模ごとの業務範囲とともに解説しました。財務業務は所属する企業によって任される業務内容が大きく異なります。

将来どのような役割を担い、どういった働き方を目指したいのかイメージできている方は、そのキャリアに少しでも近づけるよう戦略的にキャリアを積む必要があります。

キャリアプランの実現に伴い転職を検討している方は、財務の転職に特化したエージェントに相談することをお勧めします。

例えば、経理・財務など管理部門特化の転職エージェント「BEET-AGENT」なら、財務や経理などのバックオフィス系求人を豊富に扱い、転職支援の実績豊富なキャリアアドバイザーが求職者一人ひとりに合ったキャリアを提案してくれます。

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公式サイト:https://beet-agent.com/

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BackOfficeDB編集部
この記事の執筆者
BackOfficeDB編集部
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