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金融業界における法務の役割とは?適性がある人についても解説

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金融業界における法務の役割とは?適性がある人についても解説

金融業界では、デジタル化やDX、Fintech事業の推進など、変革が進んでいます。

法務に求められる役割も事業戦略に合わせて変化しており、法務人材には自らのスキルや知識、マインドの見直しが求められています。

金融業界の法務部門に在籍している方やこれから転職・就職を目指す方は、金融業界の法務の特徴や業務内容、必要なスキルなどを改めて確認しておきましょう。

金融業界の法務とは?その役割や重要視される背景

法務の中でもとくに金融業界における法務には、どんな特徴があるのでしょうか?

その役割や重要視されている背景を解説します。

金融業界における法務の役割

金融業界の法務は、金融業務にともなう法的リスクの管理やコンプライアンスを担う重要な役割を果たしています。

金融商品・サービスの提供に関する契約の作成や審査、金融取引に関する法律・規制の遵守や社内教育、顧客との紛争や訴訟の対応など幅広い業務を担当しています。

また、金融機関の経営戦略にも深く関わっており、経営層や営業部門と連携して業務を実行することが求められます。

金融業界で法務が重要視される背景

金融業界において法務が重要視される背景には、金融市場のグローバル化やデジタル化にともなう新たなリスクや課題の増加があります。

たとえば、元従業員の機密情報持ち出しやサイバー攻撃などの増加により、法的環境やコンプライアンス体制の強化が求められ、法務部門の役割や責任も拡大しています。

また、金融機関を利用する消費者の保護や、金融機関の社会的責任に対する意識の高まりを受け、金融業界では法的な問題に迅速かつ、適切に対処することが求められています

金融業界の法務と他業界の法務との違い

法務部門は幅広い業界に存在しますが、金融業界では業界特有の法律や規制が多く存在し、その内容も専門的で複雑であることが多いです。

また、金融業界は個人や法人の資産を扱うことから社会的な影響力が大きく、法的な問題が発生した場合には大きな損害やリスクを招く可能性があります。

ほかの業界の法務以上に、高い専門性や責任感を要求されることが多いでしょう。

金融業界における法務の業務内容

金融業界ならではの法務における業務内容は、次のとおりです。

金融商品やサービスに関する契約書や規約の作成・チェック

顧客に提供する金融商品・サービスに関する契約書や規約を作成・チェックすることは、法務の重要な業務のひとつです。

契約書や規約は、金融商品・サービスの内容やリスク・費用・権利義務などを明確に記載するものであり、顧客とのトラブルを防ぐために重要な書類です。

法務は法律だけでなく、金融庁などの監督官庁の基準や指針に沿って作成・チェックしなければなりません。

開示書類や申請書類など公的書類の作成

法律で義務付けられた、開示書類や申請書類などの作成も法務の業務です。

たとえば、新たに金融商品やサービスを提供するためには、必要な許認可や登録などを行政機関に申請するために書類を作成する必要があります。

また、金融業界では銀行法などに基づきディスクロージャー(情報開示)が義務付けられているため、説明資料の作成が必要です。

法務部門はこうした開示書類や申請書類の作成をおこなうことで、金融業界の透明性や信頼性を高める役割を果たします。

金融スキームの構築

金融スキームとは、金融商品やサービスを提供する際に用いる仕組みや手法を指します。

金融スキームは法令や規則に適合することが求められるため、法務はその構築に関する法的な課題やリスクを分析・評価します。

法的な観点から課題や解決策を提案することで、金融商品やサービスの開発、改善に貢献できます。

行政機関との折衝や対応

行政機関との折衝や対応も法務業務のひとつです。

たとえば、金融商品やサービスに関する法令違反や不正行為が発覚した場合の調査協力、是正措置への対応、新しい法律や規制の制定や改正に向けた意見交換といった場面が想定されます。

金融業界における自社の利益や競争力を守るためにも、法務は行政機関との良好な関係を築き、適切なコミュニケーションを図ることが求められます。

コンプライアンス教育や研修の実施

社内のコンプライアンス教育や研修も、法務が主導しておこないます。

金融業界では、部門にかかわらず高いコンプライアンス意識や倫理観が求められるため、重要な業務です。

社員がもつ、金融商品やサービスの提供に関する法的な知識や技能を向上させることにもつながります。

法務が教育や研修を実施することで、自社のサービス品質や信用を向上させる役割を果たします。

社内相談への対応

金融業界では、多くの法律や規制に関する疑問や問題が発生します。

その際には、法務が社内の担当者や経営者から相談を受けて、適切な回答やアドバイスを提供します。

たとえば金融商品の販売や契約内容の法令に関すること、顧客からのクレーム対応などに関する相談などがあります。

法改正への対応

金融業界に関わる法律は、国内外の状況や市場環境の変化に応じて、常に改正がおこなわれています。

そのため、法務部門は最新の法令情報をキャッチアップし、その影響や対応策を分析しなければなりません。

法改正について、社内に周知教育をおこなうのも法務の役目です。

金融取引に関する紛争や訴訟の対応

金融取引に関する紛争や訴訟が発生した際には、法務は弁護士と協働して事件の事実関係や法的根拠を調査し、最善の解決策を探ります

また、和解交渉や裁判手続きを進めるとともに、社内への報告や説明をおこないます。

インサイダー取引に関する規制助言等

インサイダー取引に関しては、ステークホルダーから厳しい目が向けられており、規制も厳しくなっています。

そのため、法務部門は取引先や役員・社員などに対してインサイダー取引の定義や禁止事項を教育し、遵守状況を監視します。

インサイダー取引の疑いがある場合には、調査や報告をおこないます。

FinTech事業などの新規事業立ち上げ助言

金融業界では、FinTech事業などの新規事業が次々と登場しています。

法務はこれらの新しい技術やサービスに関する法的リスクや課題を把握し、新規事業立ち上げの助言をおこないます。

たとえば、ライセンスや登録の手続き、個人情報保護や消費者保護などのコンプライアンス要件などに関する助言が挙げられます。

金融業界の法務の年収

法務は専門性が高いため、ほかのバックオフィス系職種と比べて年収水準は高めです。

さらに金融業界の法務になると、ほかの業界の法務よりも高い場合があります。

金融業界の法務は年収800万円以上も可能

一般的に法務の年収は500万~600万円ほどが目安ですが、金融業界の法務はほかの業界の法務よりも高い年収を得ることができます。

経験年数にもよりますが、大手金融機関なら800万円以上の提示も可能で、役職の有無によっても年収は変わります。

課長クラスになると800万以上、部長クラスで1,000万円以上が目安です。

金融業界の年収が高い理由

金融業界の法務の年収が高い理由としては、金融業界における法務部門の重要性が高いことや、金融法務には高度な専門性が必要であることが挙げられます。

また、業界自体の年収水準が高いことも関係しています。

金融業界ではお金や金融商品など価値が高いものを扱っており、社会的責任も大きいため法務に限らず年収水準が高めです。

組織規模が大きいケースが多いためブランド力や高収益を保つことができ、社員への還元が大きいという理由もあります。

金融業界の法務で必要なスキルや知識

金融業界の法務では、以下のような知識やスキルが必要とされます。

金融法務としての活躍を目指す方や金融業界の法務に転職を希望する方は磨いておきましょう。

金融業界や規制に関する法律知識

金融業界の法務は、金融サービスの開発や提供に関する契約や紛争、金融市場の秩序や安全を守るための監督や規制などの法的課題を扱います。

そのため、金融業界や規制に関する法律知識は必須です。

これらの法律知識を身につけるためには、金融商品取引法や証券取引法などの基本的な法律を学ぶだけでなく、最新の動向や判例を追うことも重要です。

事務スキル

法務は契約書や報告書などの文書作成や管理など多くの事務作業を担当するため、事務スキルは欠かせません。

文書作成や管理方法に関するスキルやルールを身につけておくのはもちろん、効率的かつ正確に作業をおこなうためのパソコンスキルや、社内外の関係者と円滑にコミュニケーションを図るためのスキルも必要です。

調査スキル

調査スキルも法務に欠かせません。

法改正があったときの情報収集、判例調査、リスクの洗い出しなどさまざまな場面で必要とされます。

最適な情報源や情報収集ツールの選択をはじめ、収集した情報の分析や管理スキルなども含まれます。

英語力

金融業界は国際的な取引や競争が盛んな業界なので、法務にも英語力が必要です。

レベルとしてはTOEICで800点以上が目安ですが、スコアだけでなく金融業界特有の言い回しを覚えることが求められます。

IT知識

金融業界では、デジタル化やDXが急務となっており、FinTech事業も活性化しています。

そのため、金融業界の法務にはITに関する知識が求められます

基本的な知識を身につけるだけでなく、金融業界におけるITの活用や影響を理解することも必要です。

金融業界の法務に向いている人の特徴

金融業界の法務は高度な知識やスキルが要求されるため、法務経験があっても必ずしもマッチするとは限りません。

金融業界の法務には、以下のような特徴をもつ人に適性があります。

法律だけでなく、金融に関する幅広い知識や興味を持っている

金融業界の法務には、民法や商法などの一般的な法律だけでなく、金融商品取引法や銀行法などの金融専門の法律や規制が適用されます。

また、金融業界は国内外の経済や政治の影響を受けやすく、常に変化しています。

そのため法律だけでなく、金融に関する幅広い知識や興味を持っている人が向いています。

金融の動向や市場の変化に敏感で、自分で積極的に情報を収集したり専門家と交流したりできる人は、金融業界の法務に必要なスキルを身につけやすいでしょう。

コミュニケーション能力が高い

法務を担当していると、社内外のさまざまなステークホルダーと連携することが多いです。

社内では、経営層や営業部門などと協力して、ビジネス戦略や契約書作成などに関わります。

一方で社外の場合は、顧客や取引先、監督官庁や弁護士などと交渉や調整をおこないます。

そのため、コミュニケーション能力が高い人が向いています

相手の立場やニーズを理解し、説得力や調整力を発揮できる人は、金融業界の法務として高い信頼を得るでしょう。

チームワークを大切にし、協力的に仕事ができる人にも適性があります。

学習意欲が高く、常に最新の情報をキャッチアップできる

金融業界の法務は、常に変化する環境に対応することが求められます

法律や規制の改正に対応するのはもちろん、判例などの司法判断も重要な参考資料となります。

また、経済市場の国際的な動きの把握も必要です。

そのため、学習意欲が高く、常に最新の情報をキャッチアップできる人が向いています。

自分で主体的に学ぶ姿勢や習慣をもち知識やスキルをアップデートできる人は、金融業界の法務において価値を提供できるでしょう。

倫理観や規範意識が高い

金融業界は個人や法人の資産や経済活動に大きく関わる分野であり、その安全性や信頼性が重要な課題です。

そのため、倫理観や規範意識が高い人が向いています。

正しく公正な判断や行動ができる人は、金融業界の法務において信頼と評価を得られるはずです。

金融業界の法務転職に強い転職エージェント3選

金融業界の法務は採用難易度が高いため、転職活動の際にはエージェントのサポートを受けることがおすすめです。

NO-LIMIT

NO-LIMITは、法務人材と弁護士のキャリア支援に強い業界特化型の転職エージェントです。法務人材の市場動向に精通しており、求人企業とのネットワークを活かした詳細な企業情報を提供してもらえます。

公式サイト:https://no-limit.careers/

BEET

BEETは、法務や人事などの管理部門人材に特化した転職エージェントです。

アドバイザーは管理部門の働き方やニーズを熟知しているため、的確なアドバイスを受けられます。管理部門の転職市場における市場価値診断もサポートしているため、まずは相談してみましょう。

公式サイト:https://beet-agent.com/

MS Agent

MS Agentは、管理部門と士業を専門に支援する転職エージェントです。

専門特化型のエージェントとして30年以上の実績がある老舗エージェントなので、精度の高い転職ノウハウの提供や求人紹介に期待できます。

公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/

まとめ

金融業界の法務は金融業界に関する法律や規制に精通し、金融業界独自の法的リスクや課題に対応する必要があります。

高度な専門性が求められますが、社会的な影響力の大きい環境なので、やりがいも感じやすいでしょう。

転職を考えている方は、金融の法務に詳しい転職エージェントの利用がおすすめです。

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BackOfficeDB編集部
この記事の執筆者
BackOfficeDB編集部
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