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人事の転職を検討するなかで、次のキャリアパスに迷う方は多いでしょう。人事は企業によって役割・業務内容が異なり、キャリアアップを目指す際は特定領域を定めたうえで、スキルアップや転職を検討する必要があります。
本記事では、人事のキャリアパスの考え方とともに、具体的なキャリア事例を紹介します。
人事のキャリアプランに悩んでいる方は、参考にしてください。
人事のキャリアには複数の選択肢があります。たとえば以下は、人事が携わる可能性のある業務です。
企業によっては特定業務に特化して人事の専門性を磨いていくパターンもあり、自身の興味やスキルセットに合わせて仕事を選択できると、より充実したキャリアを築けるはずです。
人事は在籍する企業規模によって任される業務や役割が異なります。そのためキャリアパスにもさまざまな選択肢が生まれます。
以下は、人事のキャリアパスのなかでも代表的となる7つの事例です。
将来のキャリアを検討するためにも、詳細をチェックしておきましょう。
人事のなかでも『採用業務』に軸足を置き、部署を跨いだ新卒採用・中途採用、どちらのニーズにも応えられる人材を目指すキャリアパスがあります。
新卒採用の場合を例にあげれば、リクナビに代表される各種就活サイトへの掲載や新卒向けの合同説明会・個別説明会の企画・実行、応募意思の確認、選考ステップへ載せるための動きなどが求められます。
最近は新卒向けのダイレクトリクルーティングサービスやエージェントサービスも多数ありますので、各種サービス・媒体への出稿からエージェントとの打ち合わせも業務の一環になります。これらのサービス利用に加え、自社採用サイトの設計・制作が加わるケースもあり、その業務量は多岐にわたるでしょう。
最終的には自社への応募、内定数を目標数字に置くことになりますので、この数字を最大化させるための動きが求められます。この採用業務では、下記のようなキャリアパスが考えられます。
ポジション | 主な業務 |
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若手(1~3年目) | ・新卒および中途採用のリーダーのアシスタント L 応募者の履歴書・職務経歴書改修 L 応募者との面接設定 L 二次面接以降の設定 L 部署面接の場合は担当者の所感回収 ・ダイレクトリクルーティング:スカウト業務 ・エージェント対応:採用要件のすり合わせなど |
リーダー(3~5年目) | ・採用リーダーとして部下を持つ L アシスタントが付き、自身がやっていた業務の棚卸し ・中途領域・新卒領域いずれかの責任者ポジションとして従事 ・メンバーのマネジメントも行う |
マネージャー(6年目以降) | ・メンバーの評価制度の整備やリーダーのマネジメントを行う ・採用の難しい職種(管理職・エンジニア)の担当など ・社外でのセミナー等への参加 |
特にエンジニアやマーケティグ部門の採用は、転職市場に優秀層が少なくなっていることもあり、採用難が予想されます。その状況でも採用できる基盤作りや体制構築の経験があると、市場価値の高い人材として認識されます。
採用担当からスタートして人材育成を経験し、経営陣の一員やHRBP(HRビジネスパートナー)を目指すのも、人事の代表的なキャリアパスの1つです。
若手・中堅・管理職とキャリアを積むことで、業務内容の幅を広げていきます。経験年数ごとに任される可能性が高い業務は、以下で確認しておきましょう。
ポジション | 主な業務 |
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若手(1~5年目) | 新卒・中途採用者の研修を実施。 社会人経験の浅い若手の人事は、身近なロールモデルとして新卒採用を担うことからスタートし、インターンや会社説明会、内定者フォローなどをおこなうケースが多い。 新卒採用業務をひととおり理解したら、中途採用や新人研修を担当するなど、業務幅を広げることで人事の知識を増やしていく。 |
中堅(6~10年目) | 採用や研修計画の立案・実行を任されるようになる。 中堅クラスになると人事業務をある程度経験しているため、若手のマネジメントを担う機会も増える。人事以外の業務として、新たに経営的な視点をもつことが求められるようになる。 |
管理職 | 人事制度の設計や人事企画を経験。 戦略人事の視点で人事制度の設計・企画、評価制度の策定をおこなう。 |
経営の一員 or HRBP | 経営陣の一員になったり、HRBP(HRビジネスパートナー)へ進んだりして、戦略人事の役割を果たす。 経営課題などを理解したうえで、人事的・組織的に戦略を立案し、実行する。 |
このように、人事の経験を重ねながら徐々にキャリアを拡張していくパターンの場合、与えられる業務内容が段階的に高度になります。
最終的には人事以外に経営の視点も求められるため、自身の成長とキャリアの構築をより実感しやすいかもしれません。
人事の採用担当から、採用のプロフェッショナルとしてリクルーターを目指すルートも考えられます。
人事のなかでも「採用」の専門性を高めると、転職・就職市場で活躍するリクルーターのキャリアを築けます。求職者と企業をつなぐプロフェッショナルなリクルーターになれれば、大小さまざまな業界の企業と関わることができ、各市場に対する理解も深めていけるはずです。
具体的なキャリアプランは、以下を確認してください。
ポジション | 主な業務 |
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若手 | 新卒・中途採用を担当。 柔軟な思考力と対応力を学び、求職者の人柄を汲みとるスキルを習得する。 |
管理職 | 採用計画を立案するかたわら採用業務も担う。 経営者や現場責任者と人材の要件定義をおこない、採用コストの管理に携わることも。採用の実務経験に加えて専門知識やマネジメントスキルを習得することで、リクルーターとしての市場価値を高めていく。 ※業界によっては、採用専門のリクルーター職が存在する。 |
リクルーター職は、主にIT・ゲーム業界のエンジニア採用や、医療業界など採用難易度が高く採用数が多い企業で設けられています。そのほか、人事の採用業務を極めて人材業界のリクルーターに転職する人もいます。
なお、海外では企業の採用目標を達成するために、プロ・リクルーターを導入するケースが多くあります。また国内においても、外資系や大手企業ではプロ・リクルーターが在籍して、即戦力人材の獲得競争を繰り広げることが増えてきたようです。
経験・知識の豊富なリクルーターには注目が集まるため、結果的に年収アップへつながるキャリアパスを歩めるでしょう。
人事のなかで教育・研修部門が独立している場合、研修のスペシャリストを目指すことも可能です。このときのキャリアパスでは、企業の人材育成担当としてさまざまな研修経験を経て知識を高め、最終的には研修の企画や運営にも携わるようになります。
研修のスペシャリストを目指すキャリアプランは、以下を参考にしてください。
ポジション | 主な業務 |
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若手 | 新人研修の実施からスタートし、各研修の知識を習得する。 |
管理職 | 従業員の育成を通して「相手に伝わりやすい話し方」など、研修に欠かせないスキルを身につける。 研修講師として独立したり、パートナー企業で研修を実施したりする。 |
なお、研修のスペシャリストになるうえでは、人事のトレンドを見逃さないことも大切です。たとえば「ダイバーシティ研修」は、人材の多様化が注目される現代において注目されている研修で、企業が従業員への理解を深めておきたいと考えるもののひとつに挙げられます。
その他、メンタルヘルス研修・シニア研修などの知識を高めて運営できるようになれば、企業内外で各研修を正しく実施できるようにもなるでしょう。そうすれば、研修講師として独立する選択肢も、キャリアパスとして目指せるようになります。
企業によっては、人事に在籍しながら従業員の生産性の向上や労働環境の改善といった「労務管理」を担うケースもあります。
若手時代は事務的な仕事からスタートして基礎知識を習得し、次第に労働環境の見直しや労働組合との意見交換を図るなど、企業が安全配慮義務違反にならない環境づくりまで業務幅を広げていきます。
人事として労務のキャリアを築いていくと、ゆくゆくは経理や財務など他の管理部門と関わる機会も増え、経営目線で業務を担うことが多くなります。社労士資格を取得すれば社労士法人やアウトソーサーへの転職機会にも恵まれるなど、人事業務の枠を超えたキャリアを築けるでしょう。
具体的なキャリアプランは、以下を確認してください。
ポジション | 主な業務 |
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若手 | 給与計算・保険手続きなどの労務実務を担当。 |
中堅・管理職 | 労務相談・労基署対応も経験。 社労士資格を取得し、専門家として社労士法人やアウトソーサーへ転職。 |
人事の代表的なキャリアパスとして、人事制度の運営から人事コンサルタントへ進むルートがあります。
企業で人事制度の構築・改定に携わっている場合、経営陣とやり取りする機会が多く、経営・事業戦略に関わることで次第に経営感覚が身についていきます。また幅広い年齢層へのヒアリングや、新しい制度の導入に伴う現場への説明などを定期的におこなうことで、高度なコミュニケーションスキルも養われるでしょう。
これらの経験で得た知識とスキルは、人事コンサルタントへのキャリアを確かなものにしていくはずです。
人事コンサルタントになる場合は「コンサルティングファーム」と呼ばれる企業へ転職することで、クライアント企業の経営・人事課題を解決できるようになります。コンサルティングファームには専門領域があり、代表的なものは以下の4つです。
各支援領域の詳細を紹介します。
「組織・人事コンサルティングファーム」とは、人事制度の策定や戦略設計、社内変革の推進に特化した企業群です。基本的には外資系企業が中心となり、グローバルな観点で企業課題の解決を図ります。また近年は、M&Aにまつわる人事制度の統合も手掛けています。
「総合コンサルティングファーム」とは、各企業がもつ経営課題に幅広く対応するコンサルティングファームです。業務プロセスの改善や戦略策定、組織変革、テクノロジーの導入など、多様なニーズに取り組み、経営層の意思決定をサポートする重要な役割を担います。
「国内独立コンサルティングファーム」とは、大手のグローバルに展開するコンサルティングファームよりも小規模なケースが多く、国内企業のニーズに合わせたサービスを提供する企業群です。おもに特定の業界やビジネス領域に特化したコンサルタントが在籍し、市場の課題や競争状況を把握したうえで、より具体的かつ効果的な解決策を提供しています。
「シンクタンクコンサルティングファーム」とは、おもに政府や官公庁の政策決定をサポートするコンサルティングファームです。国や地域の発展に向けて、経済や社会・政策に関する分析調査や提案をおこない、最適な解決案の提供を図ります。
人事のキャリアパスとして、フリーランス・独立開業のルートがあります。実はバックオフィス系の職種でもフリーランスとして働くことは可能で、あらゆる人事業務を企業が委託する流れで業務をおこないます。
フリーランスの人事が受託できる業務の一例は、以下のとおりです。
詳細を解説します。
採用代行は、企業が採用プロセスを効率化したいときに利用されます。おもな業務内容は、求人広告の作成や掲載からはじまり、書類選考や面接に至るまでのほとんどの採用ステップを担うケースが多いようです。人事として採用業務に従事してきた場合に、目指せる可能性があります。
面談代行は、採用プロセスの一環にある面接に特化した代行業務です。応募者との面接日時の決定や面接を通したスキル・人物像の評価、適切な候補者を選ぶための意見提供など、面接の質の向上を目的におこなわれるケースが多くなっています。
スカウト代行は、企業の求める人物像に合致した人材を積極的に探し出す代行業務です。特定した候補者に対して、企業の魅力や求人詳細を伝え、興味を抱いてもらえるようアプローチします。即戦力となりうる優秀な人材確保が難航する現代では、需要の高い業務といえます。
人事コンサルは、企業や組織が抱える人事課題について戦略を立案し、実行を支援する業務です。おもに採用・育成・評価制度・組織変革など、人事に関連したさまざまな問題に対して解決を図ります。
人事コンサルは中長期的な目線で取り組むことになりますが、企業の成長促進にも影響するなど、非常にやりがいを感じられる業務といえるでしょう。
特殊な経験や専門知識を有する人事担当者は、スペシャリストやゼネラリストのキャリア形成を考えることが可能です。
たとえ異業種への転職難易度が高くても、これまでのスキル・経験を活かして人事分野で活躍の幅を広げられます。
とくに現代ではグローバル人材の増加や働き方の多様化により、人事領域の需要がますます高まっていくでしょう。
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想定年収 | 650万円〜900万円 |
職種 | 人事(採用責任者) |
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業務内容 | ・採用戦略・チャネル戦略の構築 ・次のユーティルにフェーズに必要な人材の要件設計 ・エージェント・リファラルなどの採用チャネルの展開 ・ダイレクトリクルーティングにおける採用Opsの強化 ・採用広報の再設計・施策実施 など |
想定年収 | 700万円〜1000万円 |
職種 | 採用責任者 |
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業務内容 | ・採用ニーズの収集と要件定義 ・求人票の作成 ・候補者、採用メディア、人材紹介会社との連絡 ・採用オペレーション全般(面談、面接、候補者対応) ・役員や事業責任者との採用計画調整 ・採用計画の立案・実行(チャネル選定、ファネル改善) ・採用広報 ・部門の採用活動推進 ・採用部門マネージャーとの連携、採用ニーズに関する相談 ・採用戦略と戦術の策定・実行 ・採用企画(面接フローの構造化と改善) |
想定年収 | 700万円〜1,200万円 |
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