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カジュアル面談を実施するメリットとは?実施の流れ・ポイントについても解説

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カジュアル面談を実施するメリットとは?実施の流れ・ポイントについても解説

近年の採用方法の中で、カジュアル面談を導入している企業は増えています。

カジュアル面談は選考前におこなわれるため、求職者と企業の相互理解が深められ、採用活動においてミスマッチを少なくする効果があります。

本記事では、カジュアル面談の概要やメリット、注目されている背景について解説します。

カジュアル面談を導入しようか検討している企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。

カジュアル面談が注目されている理由

近年の採用難によって、1人あたりにかかる採用コストが高まっており、選考時点でマッチ度の高い人材を集めて、採用獲得につなげることが理想の採用活動とされています。

そのような状況の中、選考前にマッチ度が低い人材を省いてマッチ度の高い人材を集められる方法として、カジュアル面談が注目されています。

カジュアル面談のメリット

カジュアル面談のメリットに、次の2つが挙げられます。

応募者の志望度を確認できる

カジュアル面談は選考ではないため、応募者は気軽に応募・参加ができます。

そのため、転職顕在層だけでなく、「とりあえず話を聞くだけ」「現状に満足しているけど可能性はみてみたい」「自分ふがどのポジションで働けるのかを知りたい」など、従来の採用方法では出会えなかった転職潜在層にもアプローチが可能です。

また、カジュアル面談を通して自社のファンにできれば、将来の転職先候補としてもらえる可能性もあります。

ミスマッチによる早期離職を防止できる

カジュアル面談は、応募者と企業の双方がマッチしているかどうか見極める場です。

事前にマッチしているかどうか見極めるため、選考に進んだ工程でのミスマッチおよび、採用後の早期離脱を防止できます。

面接よりも企業と応募者がフラットな関係でお互い本音を話し合えるため、率直な意見を聞きやすいといったメリットがあります。

カジュアル面談の実施方法3選

カジュアル面談の実施方法は、次の3つです。

会食

会食は、ランチ・軽食などを摂りながら実施されるカジュアル面談です。

実施場所は、会議室・応接室よりも、ラウンジや多目的エリア、社内のリフレッシュスペースなど、応募者の緊張がほぐれるような場所を選ぶとよいです。

なお、上位役職者候補とカジュアル面談を実施する場合は、居酒屋・料亭の個室などが選ばれるケースもあります。

オンライン面談

新型コロナウイルスの流行をきっかけに主流となっているのが、オンラインでのカジュアル面談です。

対面による面談の場合、面談場所へ移動する負担が生じる他、近場にいる応募者でないと面談できません。

一方、オンライン面談であれば、パソコン・スマホといったデジタル端末と、インターネット回線があれば、場所問わずどこでも面談できます。

そのため、移動の負担がかからない、遠方の応募者とも気軽に面談できるといったメリットがあります。

交流会・座談会などのイベント

交流会・座談会などのイベントは、複数対複数で実施できるカジュアル面談です。

企業担当者だけでなく、応募者同士で対話もできるため、会食やオンライン面談形式で開催するよりも、さまざまな情報を交換できます。

カジュアル面談の事前準備

カジュアル面談前に実施しておくべきことは、次の3つです。

  • 資料を応募者に共有する
  • 募集部署の社員を面談に同席させる
  • 応募者への質問を用意する

資料を応募者に共有する

事前に、企業サイトのURLや資料を応募者に共有しておくとよいです。

事前に共有しておけば、面談前に企業の基本情報を把握してもらえるため、面談当日は質疑応答や具体的な企業説明に時間を取れます。

共有する情報は企業によってさまざまですが、企業のビジョン・ミッションや企業文化、価値観、仕事内容、福利厚生、職場環境、キャリアパスなどの情報は最低限資料にまとめておくとよいです。

また、面談担当者や同席する社員のプロフィールを送付しておけば、信頼感・安心感をより与えられます。

募集部署の社員を面談に同席させる

カジュアル面談を実施する際は、募集している職種・部署に在籍している社員を面談に同席させるとよいです。

実際に現場で働いている人と話せば、業務のイメージがより明確になります。

また、現場で働いている人が質問に回答すれば、より実態に近い回答ができるため、応募者の不安が解消され、選考に進む意欲を高められます。

応募者への質問を用意する

カジュアル面談終了後に聞きたいことが出てくるのは、非常にもったいないです。

応募者の情報をしっかりと引き出すためには、質問事項を事前に洗い出し、リスト化しておく必要があります。

選考の面接でも質問をする時間はありますが、合否に関係ないカジュアル面談だからこそ本音を引き出すチャンスであるため、聞きたい情報はカジュアル面談で聞いておくことが大切です。

カジュアル面談の流れ

カジュアル面談の流れは、次のとおりです。

  1. 自己紹介・アイスブレイク
  2. 面談の目的共有
  3. 応募者の状態・ニーズなどをヒアリング
  4. 質疑応答・ニーズに合わせて自社の魅力をアピール
  5. 選考の案内

自己紹介・アイスブレイク

アイスブレイクとは、「ice break(氷を壊す)」という意味で、その場の緊張を溶かすために実施される面接・会議前の雑談のことです。

担当者は名前・部署名だけでなく、趣味などのアイスブレイクを交えながら自己紹介をするとよいです。

入社前の経歴や入社した経緯も話すと応募者の共感を得やすくなり、応募意欲を高めやすくなります。

面談の目的共有

自己紹介・アイスブレイクが終わったら、合否を決める面談でないことを再度確認し、企業のことを知ってもらうことが目的であることを共有するとよいです。

カジュアル面談に慣れていない応募者の場合、すでに選考がはじまっているのではないかという不安を感じがちです。

面談の目的を共有すれば、緊張・不安を取り除き、本音で話せる雰囲気に持っていけます。

応募者の転職状況・ニーズなどをヒアリング

応募者の転職状況や自社について聞きないことはなにかなど、ニーズをヒアリングします。

応募者がどのようなニーズを持ってカジュアル面談に参加したのかが分かれば、応募者とのギャップを埋めながら、ニーズに合わせて自社の魅力をアピール可能です。

質疑応答・ニーズに合わせて自社の魅力をアピール

ヒアリング内容をもとに、ニーズに合わせて自社の魅力をアピールできます。

この際、虚偽の情報を伝えるのはNGですが、応募者が魅力に感じる情報を的確に捉えてアピールしていくことが大切です。

同時に質疑応答も実施し、応募者の疑問を解消しながら、ミスマッチを防止していきます。

選考の案内

お互いの情報交換が終了し、自社とのマッチ度が高く、入社してほしいと感じた場合は、その気持ちを応募者に伝えます。

面談の熱量が薄れないように、可能であればカジュアル面談の終了直後、遅くでも当日中には伝えるようにするとよいです。

カジュアル面談から採用につなげるための5つのポイント

カジュアル面談から採用につなげるためのポイントは、次の5つです。

  • ネガティブな部分も伝えてフォローする
  • 応募者のニーズに合った情報を伝える
  • 面談応募者用の選考フローを設ける
  • 応募者と担当者の話す比率を意識する
  • 同世代の社員に同席してもらう

ネガティブな部分も伝えてフォローする

魅力をアピールするあまり、ポジティブな部分を伝えがちですが、課題・弱みといった自社のネガティブな部分も伝えることが大切です。

ネガティブな部分を伝えることで、応募者との距離が縮まり、自社に魅力を感じてもらえる可能性があります。

また、課題解決に向けた活動や企業方針などを伝えると、応募者に企業の方向性を理解してもらえるため、応募意欲の向上も期待できます。

応募者のニーズに合った情報を伝える

応募者のニーズに合った情報を伝えるのも、採用につなげるポイントです。

例えば、福利厚生を気にしている応募者に、職場環境の情報を伝えても、あまり意味がありません。

候補者のニーズをしっかりとヒアリングし、ニーズを満たせる情報を提供することが大切です。

面談応募者用の選考フローを設ける

選考の案内をしても、選考が進まなければ、連絡先を交換して終了したり、他の企業に転職されたりするリスクがあります。

カジュアル面談の目的は自社とのマッチ度が高い優秀な人材の早期獲得です。

選考スピードの遅さで辞退されないためには、カジュアル面談者は一次面接免除するなど、応募者にあわせて柔軟に対応できる選考フローを設けておく必要があります。

応募者と担当者の話す比率を意識する

話す比率は、担当者:応募者=6:4です。

担当者が応募者の情報を引き出すことに徹してしまうと、応募者側が知りたい情報を提供できないため、企業理解が深められず、選考意欲を高められません。

応募者の情報を少しでも引き出したい気持ちは分かりますが、あくまでも相互理解が重要なため、双方が情報交換するという意識を持つ必要があります。

同世代の社員に同席してもらう

カジュアル面談を実施する際、応募者と同世代か経歴が近い社員を同席させるとよいです。

同世代か経歴が近い社員であれば、応募者と同じ目線で自社の魅力を伝えられる他、実態に近い答えを聞けるため、応募者の不安や悩みを解消できます。

カジュアル面談実施における注意点

カジュアル面談における注意点は次の3つです。

  • 選考ではなくあくまでも面談であることを意識する
  • 合否を判断しない
  • 体制を構築して社内に周知する

選考前の面談であることを意識する

面接のような質問攻めをしてしまうと、応募者は知りたかった情報を取得できないため、企業理解を深められません。

また、質問攻めにより、面接のような圧迫感を覚えてしまうと、本音でやりとりできない恐れがあります。

カジュアル面談は選考ではなくあくまでも面談であるため、相互理解を意識して、リラックスできる雰囲気にしていくことが大切です。

合否を判断しない

カジュアル面談に慣れてない担当者の場合、ついつい応募者の合否を判断しがちです。

しかし、カジュアル面談は選考ではないため、合否を判断して、応募者に伝えてはいけません。

体制を構築して社内に周知する

カジュアル面談を成功させるためには、社員を面談に同席させたり、必要に応じて複数の社員と会わせたりしなければなりません。

これらを実現するためには、社員の協力が必要不可欠となります。

そのため、カジュアル面談の体制を構築したら社内に周知して、社員に協力してもらえるように努めなければなりません。

カジュアル面談の成功事例3選

カジュアル面談の成功事例は、少なくありません。ここでは、カジュアル面談の成功事例を企業別に3つ解説します。

カジュアル面談でオファー承諾率アップ

九州エリアで医療サービスを提供している企業では、転職マッチングサービスのスカウト機能とカジュアル面談を活用し、多くの採用成功事例を生み出してきました。

「面接を受けるまでの意思はないけど詳しい話は聞きたい」という転職潜在層が多いことに気付き、希望がある場合にオンライン面談を実施しています。

面接前にオンライン面談を実施すると、実施しない時と比べてオファーの承諾率が上がるなどの効果が現れているといいます。

また、オンライン面談を介して1度でも顔を合わせて話をしておけば、信頼関係の基礎ができて安心感が生まれるため、お互いフランクに面接できたり、緊張することなく質問に応えたりできるそうです。

代表取締役がカジュアル面談実施

東京都でデータシステムの企画・開発・提供をしている企業は、代表取締役が最初のカジュアル面談を担当します。

代表取締役が担当している理由はさまざまありますが、もっとも大きな理由は「応募者に会社を気に入ってもらうこと」だそうです。

代表取締役自らカジュアル面談を実施して会社を気に入ってもらうことで、競合他社と差別化を図り、次の面談に進む確率を高めています。

応募者の視点と自社との相性を重視した採用手法により、正社員を数名採用することに成功しています。

カジュアル面談実施で離脱回避

東京都を拠点に人材紹介をはじめ、さまざまなサービスを展開している企業も採用活動の一環としてカジュアル面談を実施しています。

カジュアル面談に参加した応募者が「面談に来てよかった」と思ってもらえるように心掛けているそうです。

そのため、現場メンバーで面談前に作戦会議をしたり、複数名でカジュアル面談を実施したりするといった体制を構築しています。

また、面談後すぐにフィードバックを実施することで、リードタイムが長引くことによる、応募者の離脱を回避しているそうです。

オウンドメディアによる情報発信やスカウト返信の迅速化など、カジュアル面談以外の施策も実施することにより、高い受諾率の実現に成功しています。

まとめ

カジュアル面談は、ミスマッチの少ない採用活動を実施するうえで有効な施策です。

求職者に、現職の社員とざっくばらんに話すことができる場を提供することで、企業に対する満足度も上がることでしょう。また、転職活動自体に悩んでいる層にまで、企業を知ってもらえる機会にもつながります。

採用でお困りの企業担当者は、カジュアル面談をうまく活用して採用活動を進めてみてはいかがでしょうか。

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BackOfficeDB編集部
この記事の執筆者
BackOfficeDB編集部
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