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内部監査としての知識やスキルの向上を目指し、資格を取得するべきか悩んでいる方もいることでしょう。
また、内部監査業務に役立てるためには、どんな資格を取得すればよいのかわからない方もいるはずです。
本記事では、内部監査に携わる方におすすめの資格10選を紹介します。
資格の必要性や取得する効果、これから内部監査で働く方法なども解説しています。
内部監査で働くために、法律や規則で定められた資格の取得は必要ありません。
しかし、内部監査に関する知識や技能をもつことは、内部監査の質を高めるとともに、業務を効率的に進めることにつながります。
内部監査に必要な知識は資格の勉強以外でも得ることが可能ですが、資格の取得を通じて効率的に知識を習得できます。
したがって、内部監査に従事する方やこれから従事したい方が資格の取得を目指すことは意義があることです。
内部監査を担当するために資格は必須ないですが、取得することで以下のようなメリットを得られます。
内部監査の資格を取得していると、内部監査に関する基礎知識や実務スキルを身につけていることを証明できます。
組織のリスク管理やコンプライアンスに貢献できることを示せるため、内部監査としての評価につながるでしょう。
また、内部監査の資格は国際的にも認められているものが多いので、グローバルなビジネスに対応できることもアピール可能です。
内部監査の資格があることは、組織内や外部の関係者に対して内部監査人としての信頼感を与えることができます。
加えて、内部監査の質が高いことへの信頼にもつながります。
内部監査では監査対象部署からの反発を受けることもありますが、信頼感を与えることでこうした反発も抑えることが可能です。
内部監査の資格の勉強を通じて、組織全体を見渡せる視点や戦略的な思考力を身につけることができ、内部監査人としての自分の能力や価値を高められます。
現職の内部監査業務に役立つだけでなく、転職後のキャリアアップにも有利に働くでしょう。
内部監査部門に所属する場合はもちろん、内部統制やIPO担当、CFOなどの幹部などへのキャリアアップにもつながります。
内部監査に関連する資格は多数ありますので、以下でおすすめの資格を10個紹介します。
公認内部監査人(CIA)は、IIA(内部監査人協会)認定の資格です。
内部監査の資格の中では唯一の国際資格であり、内部監査の国際基準に関する知識を証明できます。
そのため、グローバル企業で内部監査をおこなう場合におすすめです。
コンプライアンスやコーポレートガバナンスが適切におこなわれているかは、企業の存続にかかわるため重要視されています。
それらの調査を公認内部監査人(CIA)が対応していることは、正しい調査が実施されていることをアピールできるため、企業の強みとなる人材として重宝されるでしょう。
参考:CIA認定資格試験ガイド|日本内部監査協会(IIA-Japan)
内部監査士(QIA)は、一般社団法人日本内部監査協会が主催する内部監査士認定講習会を修了すると与えられる称号です。
試験に合格する資格ではなく、講習会の受講と修了が条件となっています。
認定講習会では、内部監査の理論と実務を体系的に学ぶことが可能です。
年間6回の講習を受け、指定された期間内に24科目を48時間受講して、論文を提出します。
その後、2時間のフォローアップ研修を受けて合格すると、内部監査士の称号がもらえます。
公認情報システム監査人(CISA)は、ISACA(情報システムコントロール協会)が認定している国際資格です。
情報システムの監査および、セキュリティやコントロールに関する高度な知識と技能を証明できます。
試験に合格しただけでは公認情報システム監査人(CISA)として認められず、試験合格後の5年以内に、情報システム監査やセキュリティ分野、コントロールの実務経験を積む必要があります。
※参考:ISACA東京支部|CISA
公認リスク管理監査人(CRMA)は、内部監査やリスク管理、リスク評価などの専門知識を証明できる資格です。
申し込みにあたり公認内部監査人(CIA)の資格が必要で、英語のみでの受験となっています。
そのため、内部監査に関する資格の中では受験のハードルが高めです。
試験内容は「内部換算の役割と責任」「リスク管理ガバナンス」「リスク管理の保証」の3つのドメインから構成されています。
資格として公認されるためには、5年間の内部監査やリスクマネジメント実務の経験が必要です。
※参考:情報システム監査専門内部監査士|日本内部監査協会(IIA-Japan)
公認不正検査士(CFE)は、企業内不正の防止や発見、抑制のスキルを証明できる国際的な資格です。
ACFE(公認不正検査士協会)が認定しています。
内部監査部門では不正検査をおこなうことも多いので、公認内部監査人(CIA)とあわせて取得するケースが増えています。
試験内容は「財務取引と不正スキーム」「法律」「不正調査」「不正の防止と抑制」の科目で構成されており、すべてに合格することで資格として認定されます。
※参考:CFE(公認不正検査士)の概要 – ACFE JAPAN | 一般社団法人 日本公認不正検査士協会
内部統制評価指導士(CCSA)は、IIA(内部監査人協会)が認定する内部統制に関する幅広い知識を証明できる資格です。
現在は制度変更により、公認リスク管理監査人(CRMA)資格に統合されているため、興味がある方はそちらの受験を検討しましょう。
※参考:情報システム監査専門内部監査士|日本内部監査協会(IIA-Japan)
情報システム監査専門内部監査士は、日本内部監査協会が主催する情報システム監査専門内部監査士認定講習会を修了すると付与される称号です。
認定講習会では、情報システム監査の理論と実務を体系的に学べます。
※参考:情報システム監査専門内部監査士|日本内部監査協会(IIA-Japan)
金融内部監査士は、日本内部監査協会が指定する団体がおこなう研修を修了すると付与される称号です。
金融機関の内部監査における知識や技能を証明できる資格なので、金融業界での内部監査に携わる方におすすめです。
※参考:金融内部監査士|日本内部監査協会(IIA-Japan)
IPO・内部統制実務士資格は、IPOと内部統制に関する全般的な知識があり、実務を修了した場合に認定される資格です。
上場に必要な内部統制の構築や運用、コンプライアンスなどに関する知識を学べるので、上場を目指す企業で内部統制に関わる場合やIPO担当者におすすめです。
公認会計士は、法定監査をおこなえる唯一の国家資格です。
財務監査をおこなって、企業が健全経営をしていることを証明するための使命を担っています。
公認会計士資格は監査法人で活かすのが一般的ですが、事業会社やコンサル、税理士法人でも活かすことが可能です。
また、税理士試験を受けなくても、税理士として登録することができます。
社会的な信頼性も高い資格なので、内部監査の担当者がこの資格を取得すれば社内外から大きな評価を受けられるでしょう。
内部監査に資格は必要ない一方で、知識やスキルを備えておく必要はあります。
内部監査は、企業の経営や業務に関するリスクを評価し、改善策を提案する役割を担いま
す。
そのため、内部統制関係の法律や監査手続きに関する知識は必須です。
たとえば、金融商品取引法や会社法などの法令を理解し、適切な監査計画や監査報告書を作成できることが求められます。
また、日本内部監査協会が公表している内部監査基準、各業界や省庁が公開している内部監査に関するガイドラインなどにも精通していることが望ましいです。
内部監査は、自社の事業や業務に対して横断的に監査をおこないます。
そのため、自分の専門分野だけでなくほかの分野にも興味を持ち、幅広い知識を身につけることが必要です。
たとえば、管理部門だけでなく営業やマーケティング、ITやシステムなどの業務内容やプロセスを理解し、それぞれのリスクや課題を把握できることが求められます。
また、業界や市場の動向、競合他社の情報にも敏感であるとよいでしょう。
内部監査の実施においては、監査対象部門や経営層とのコミュニケーションが欠かせないため、コミュニケーションスキルは必須です。
監査対象部門との信頼関係を築き、円滑な情報収集や意見交換ができることが求められます。
経営層に対しては、監査結果や改善策を明確かつ説得力のある言葉で伝えることが必要です。
内部監査は企業のリスクを発見し、改善策を提案する必要があるため、洞察力や観察力は必須です。
数値や文書だけでなく、現場の様子や従業員の態度なども観察し、問題点や原因を見抜くことが求められます。
内部監査が未経験で、これから働くことを目指す方法としては、社内でのジョブチェンジ、もしくは転職があります。
現在就労している会社に内部監査部門があれば、異動してジョブチェンジする方法があります。
その場合、ただ異動願いを提出すれば希望が叶うわけではないので、内部監査で必要な知識やスキルを持っていることを示すことが必要です。
たとえば内部監査では、企業の経営状況やリスク管理をチェックする役割があるため、会計や財務、法務などの専門知識が役立ちます。
そのため、ジョブチェンジする場合は、これらの部署で経験を積んでいるとアピールできます。
また、内部監査に関する資格を取得してアピールすることも有利です。
今の会社に内部監査部門がない場合や異動が難しい場合は、転職を検討することもひとつの方法です。
転職する際は、内部統制や内部監査を重視する企業を選ぶことがポイントです。
たとえば、上場企業や金融機関などは、法令や規制に基づいて内部監査を実施しているため、内部監査として思い描く業務に従事できる可能性があります。
また、グローバル企業や大手企業などは、リスク管理やコンプライアンスの観点から内部監査を強化していることが多いです。
そのため内部監査のポジション需要が高く、経験や能力に応じて高い評価や待遇を得られる可能性があります。
転職によって内部監査で働くことを目指すのであれば、転職エージェントへの相談がおすすめです。
内部監査の求人は数が限られており自力で探すのが難しいですが、内部監査の転職支援を得意とする特化型の転職エージェントに相談すれば自分のスキルや経験に合った求人を探して紹介してくれます。
内部監査の市場動向や年収水準などの情報も提供してくれるため、転職活動をスムーズに進められるでしょう。
BEET-AGENTは、内部監査をはじめとする管理部門・バックオフィス系職種に特化した転職エージェントです。
管理部門の転職市場に詳しいキャリアアドバイザーと企業研究専任のリクルーティングアドバイザーが在籍するため、納得できる転職先をみつけやすいでしょう。
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最後に、内部監査職の転職事情や最新の市場動向について解説します。
内部監査職への転職理由は、人それぞれです。
前向きなものとしては、経営や業務の全体像を把握したいという好奇心、企業の経営改善や社会貢献に貢献したいという使命感などが挙げられます。
一方、ワークライフバランスの改善や体力的な理由から、転職する人も少なくありません。
監査法人はハードワークになりやすいので、企業の内部監査部門に転職して残業時間を減らしたいと考えるケースが多いようです。
従来、内部監査職の求人は対象人材の年齢層が高く、40代後半から50代の人材を想定していました。
内部監査には、豊富な経験や広範な知識が求められ、落ち着きや冷静さがある人材が適しているためです。
そのため、転職希望者としても40代後半以上の方が中心となっています。
しかし、近年は求人の対象年齢が広がっており、若手を将来の管理職候補として採用したいという企業も出てきています。
40代後半以上を想定した求人が多いですが、30代を想定した求人も増えている傾向にあるので、内部監査や内部統制に興味がある30代の方にもチャンスが広がっています。
コンプライアンスを強化しようと考える企業が増えているため、内部監査の求人も以前より増えました。
ただし、求人の総数自体は少なく、経理の転職などと比べて厳しいことは変わりありません。
求人が少ないのは、内部監査は自社の事業や業務内容への深い理解が不可欠であることから、社内登用が多い職種であることが関係しています。
また、そもそも内部監査部門が設置されているのは、大企業・上場企業が中心で中小企業ではニーズが低いため、求人は限られています。
内部監査で仕事をするために、資格は必須ではありません。
しかし、資格は知識や技能の客観的な証明となるため、社内外からの信頼性を確保できます。
このことは内部監査の信頼性も高めると同時に、キャリアアップや評価獲得にも貢献します。
内部監査に関する資格は豊富にあるので、興味があるものから取り組んでみてはいかがでしょうか。