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内部監査は高収入?年収を上げるために必要なことや転職のポイント

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内部監査は高収入?年収を上げるために必要なことや転職のポイント

内部監査人は、企業の経営や業務に関する問題やリスクを発見し、改善策の提案などを行う職種です。多様な知識やスキル、経験が求められるうえに責任が重い仕事なので、年収は高い水準にあります。

この記事では内部監査人の年収をテーマに、平均年収や年収が特に高いケース、年収を上げるためにできることについて解説します。内部監査人の将来性や転職する場合のポイントも確認しましょう。

内部監査の年収

内部監査人の年収は経験年数や企業によっても異なりますが、大体の目安は存在します。以下で平均的な年収を確認しましょう。

内部監査の年収相場

内部監査人の平均年収は約650万円です。帝国データバンクによると上場企業の2022年度の平均給与は638万円だったので、内部監査人の年収はおおむね上場企業の水準と同程度であることがわかります。

※参考:求人ボックス給料ナビ|内部監査の仕事の年収・時給・給料
※参考:帝国データバンク|上場企業の「平均年間給与」動向調査(2022年度決算)

年代別年収

20代で内部監査人になる人は多くありませんが、この場合でも年収400万~600万円と、比較的高い水準です。これは内部監査人を必要とする企業の多くが大企業であるため、もともとの年収水準が高いことと関係しています。

30代以降になると年収600万円以上は得ているケースが多く、主担当を任されると700万円も見えてきます。40代・50代のベテラン層になると700万円以上となり、責任者やスペシャリストになると1,000万円以上稼いでいる人も少なくありません。

ほかの管理部門系職種との年収比較

ほかの管理部門系職種の平均年収は以下のとおりです。

  • 総務:300万~400万円
  • 広報:400万~500万円
  • 経理:400万~500万円
  • 財務:450万~550万円
  • 人事:450万~550万円
  • 経営企画:500万~600万円
  • 法務:500万~600万円

内部監査人の平均年収は約650万円なので、管理部門系職種の中でも特に高い水準にあることがわかります。

内部監査の年収水準が高い理由

内部監査人の年収水準が高いのは、経営に深く関わる重要な業務であるため責任が重く、相応の経験がないとできない業務だからです。監査スキルや法律・コンプライアンスの専門知識、分析能力や問題解決能力など多岐にわたるスキル・能力が必要とされることも理由です。

業務の難易度が高く、豊富な経験が求められるため、若手や未経験者が就くことはほとんどないことも影響しています。

内部監査の年収が特に高いケース

もともと年収水準が高めの内部監査人ですが、その中でも特に年収が高いケースがあります。いくつか具体例を挙げて、年収が上がる理由を解説します。

監査法人出身の公認会計士

監査法人出身の公認会計士は、外部監査の経験や知識をもっており、監査のスキルやノウハウを高く評価されます。また、公認会計士という資格は、会計や財務に関する専門性が高く、企業にとって貴重な人材とみなされます。

そのため、監査法人出身の公認会計士が内部監査職に転職する場合は、年収が大幅にアップすることが多いです。たとえば監査法人で5年間働いた後に内部監査職に転職した場合、年収は800万円~1,200万円程度になることがあります。

もちろん、企業や個人の実績によって差はありますが、監査法人出身の公認会計士は、内部監査職の中でも特に高い年収を得ることが可能です。

内部監査室の責任者

内部監査室の責任者になると、年収は大幅にアップします。一般的には1,000万円から2,000万円程度と言われています。これは、ほかの部門の管理職と比べても高い水準です。内部監査室の責任者は、企業の経営や業務に関するリスクを管理し、企業価値を向上させる重要な役割を果たすため高い年収が支払われます。

内部監査室の責任者は内部監査室の運営や方針を決めたり、内部監査計画や報告書を作成したりする責任あるポジションです。経営陣や外部監査人とのコミュニケーションも担います。内部監査室の責任者になるには、長年の内部監査経験や管理能力、リーダーシップなどが必要です。

実務経験が豊富なベテラン層

実務経験が豊富なベテラン層とは、一般的には10年以上の内部監査経験がある人たちを指します。この層は内部監査の専門知識やスキルが高く、さまざまな業界や企業の内部監査に対応できます。また、コミュニケーション能力やリーダーシップも備えており、内部監査チームのマネジメントや教育も行えます。

このような実務経験が豊富なベテラン層は、企業からの需要が高いため転職市場で有利であり、自分の希望する条件に合った企業に転職することができます。年収交渉の余地も大きく、高い年収を得ることも可能です。

内部監査として年収を上げるために必要なこと

ここからは、内部監査人が今よりも年収を上げるために何ができるのかについて解説します。

内部監査の専門知識やスキルを高める

内部監査人は企業のリスク管理やコンプライアンスを支える重要な役割を担っています。そのため、内部監査の業務に必要な法令や規制、基準やガイドラインなどを把握し、最新の情報や動向にも敏感であることが求められます。また内部監査のプロセスや手法、ツールなどに関しても理解を深め、効率的かつ効果的に業務を遂行できるようにする必要があります。

知識やスキルを高めるには、内部監査に関する資格や認定を取得したり、研修やセミナーに参加したりすることなどが有効です。

コミュニケーションスキルや対人関係を強化する

内部監査人が組織のリスク管理やコントロールの効果性を評価し、改善策を提案するには、監査対象部門や経営層との信頼関係を築き説得力のある報告書を作成する必要があります

また、内部監査はチームワークが求められる仕事です。同僚や上司との円滑なコミュニケーションは、業務の効率化や品質向上につながります。コミュニケーションスキルや対人関係を強化することは、キャリアアップのためにも有効です。

内部監査は専門性が高く市場価値の高い職種ですが、高い年収を得るには組織のニーズに応えられる柔軟性やリーダーシップも求められます。そのような能力を身につけるためには、コミュニケーションスキルや対人関係を強化することが不可欠です。

グローバルな視点をもつ

グローバルな視点をもつことで、自社の業務やリスクを国際的な基準や環境に照らして分析し、適切な対策や提案ができます。このような視点がある人材は海外の子会社や関係会社との連携や交流をスムーズに行えるだけでなく、自社の競争力や信頼性を高めます。

また、グローバルな視点をもつことは、自身のキャリアにも有利にはたらきます。海外での勤務や異動のチャンスが増えるだけでなく、外資系や大手グローバル企業への転職可能性も広がります。これらのことは内部監査としてのスキルや価値を高めることにつながり、結果的に年収の向上にも貢献するでしょう。

デジタルやAIなどの最新技術に関する知見を深める

業界を問わず、各部署の業務プロセスにデジタルやAIなどの最新技術を活用するケースが増えています。最新技術に対応して適切な監査を実施するためには、内部監査人は自らもデジタルやAIに関する知識を身につける必要があります

たとえばデータ分析やビッグデータの活用、クラウドサービスやブロックチェーンの導入、AIの倫理や法規制など内部監査に関連する最新技術は多岐にわたります。これらに関する知見を深めて適切に評価や監査を行うことは、内部監査人としての価値を高め、年収アップにもつながります。

資格を取得すると査定や転職で有利になることも

内部監査は資格がなくても就ける仕事ですが、資格を取得すると自分の能力や価値を証明することができ、査定や転職の際に有利になることがあります。結果的に年収が上がる可能性を高めるでしょう。

たとえばCIA(公認内部監査人)やCISA(公認情報システム監査人)、内部監査士などの資格・認定があると、グローバルな企業や外資系企業でのキャリアアップや転職のチャンスが広がります。

内部監査のニーズと将来性

内部監査は就く人の数がそれほど多くない仕事なので、内部監査人として転職することが自身に有利にはたらくのか、不安を抱くことがあるかもしれません。内部監査人のニーズと将来性について解説します。

不正防止やコンプライアンスの観点から、ニーズは高い

近年、企業の不正や法令・コンプライアンス違反に対する社会の目が厳しくなっています。消費者や投資家は、企業の倫理や社会的責任に対する期待を高めており、企業の不祥事やスキャンダルは大きなダメージとなります。

このような背景から内部監査人のニーズは高く、不正行為や法令違反などのリスクに対して内部監査人が事前に防止や検出を行うことが求められています。また内部監査人が組織内のコンプライアンスの意識を高めることで、組織の倫理規範や社会的責任を守ることにも貢献します。

優秀な人材が市場に出回らないため、希少性が高い

需要の高さに反して、内部監査に必要な知識やスキルを持つ人材は市場に十分に供給されていません。理由として、内部監査は多様な分野に精通する必要があり、高度な専門性が求められることが挙げられます。また組織の問題点を指摘することが多いという業務の性質上、関係者とのコミュニケーションや調整が難しく、高いレベルでのコミュニケーションスキルも求められます。

このようなスキルをもつ人材は数が少なく、企業も高い報酬を支払って自社にとどまってもらうため、市場にはなかなか出てきません。そのため優秀な内部監査人は、転職市場では希少性が高い人材として評価されます。

環境の変化に順応する人材は、より高評価

近年におけるビジネス環境の変化により、内部監査にも新たなニーズや課題が生じています。たとえばIT化にともなって組織の業務プロセスやリスク管理が複雑化し、内部監査人に必要とされる知識やスキルも多様化しています。またテレワークが普及したことで、組織のコミュニケーションやコントロールが変化し、内部監査人が実施する現場調査や面談などの方法も見直す必要が出てきています。

これらの変化に対応するためには、内部監査人は自らの専門性を高めるとともに、最新の技術やツールを活用する能力を身につけることなどが求められます。

内部監査職が転職で年収アップを狙うなら

転職によって年収アップを狙う場合は、以下の点がポイントとなります。

長期戦も視野に入れて転職活動を行う

内部監査職を募集するのは大企業や上場企業が中心なので、求人数は限られており、自分に合った求人を見つけるのは容易ではありません。また、内部監査はもともとの年収水準が高いことが多いため、希望する年収アップを実現するのは簡単ではないでしょう。

したがって、転職活動は長期戦も視野に入れることが必要です。時間や労力がかかりますが、市場動向や求人情報をしっかりと把握し、焦らずに自分の価値を正当に評価してくれる企業を探しましょう

転職支援サービスを活用する

スカウト型サイトや転職エージェントを利用することで、自分では見つけられなかった求人情報や企業情報を入手することができます

スカウト型サイトの場合は職務経歴を登録するだけで、それを見た企業の担当者からのオファーを受け取れます。

転職エージェントは求職者の希望に合った求人を探してきてくれます。応募書類の添削や面接対策などのサポートも提供してくれるため、内定の獲得可能性も高まります

昇進・昇格条件や賞与などをチェック

転職して年収アップを狙う場合、基本給だけでなく昇進・昇格条件や賞与などについてもよく確認しておくことが重要です。そうしないと、基本給は上がったものの年収ベースでは反対に下がってしまうといったことが生じます

応募先における内部監査の役割や評価基準も確認しておきましょう。たとえば内部監査の専門性や経験を重視する企業では、昇進・昇格のチャンスが多いかもしれませんが、賞与は少ないかもしれません。反対に、内部監査の業務量や成果を重視する企業では、昇進・昇格のチャンスが少ないかもしれませんが、賞与は多いかもしれません。

このように内部監査職の待遇は企業によって大きく異なる可能性があるので、転職する前にしっかりと調べておく必要があります。

企業内のキャリアパスを確認しておく

内部監査人のキャリアパスは企業によって異なる場合があるため、自分が思い描くキャリアパスが実現可能かどうかを確認しておきましょう。

たとえば、いずれは内部監査室長を目指そうと思っていたとしても、内部監査室長は本部からの出向者や外部からの登用が通例になっているケースがあります。その場合、転職先でいくら実績を積んでも内部監査室長にはなれないかもしれません

したがって、応募先でどのようなキャリアパスがあるのかを事前に把握しておく必要があります。方法としては、求人情報や企業ホームページをチェックすることや、面接時に質問することなどが挙げられます。転職エージェントの情報網を活用することも有効です。

年収交渉を効果的に行う

転職して年収を上げるには、自分の価値を正しく評価し、適切な交渉を行うことが必要です。そのためには、転職エージェントに年収交渉を依頼することが有効です。

転職エージェントは内部監査職の市場価値や年収相場を把握しており、企業との信頼関係があるため、求職者自身でで交渉するよりも有利な条件を引き出すことができます。特に内部監査の転職支援実績をもつ転職エージェントに相談するのがよいでしょう。

たとえば、内部監査の転職支援実績がある「BEET-AGENT」は、求人紹介から内定後の条件交渉まで一貫してサポートしてくれます。サービス提供前に求職者一人ひとりとキャリア面談を実施しており、希望条件や潜在的な転職に対する考え・理想を引き出したうえでマッチする求人を紹介してくれます。

◆公式サイト:https://beet-agent.com/

内部監査としての市場価値を上げて、年収アップを狙う

内部監査人の年収は約650万円です。一般的な会社員の年収水準(400万円台前半)と比べて高く、上場企業の会社員の年収水準と同程度です。

もともとの年収が高い方は今よりも年収を上げるのは簡単ではありませんが、グローバルな視点やAIなどの最新技術の知見があり、ビジネス環境の変化に対応できる人材は市場における価値が高まります。

「必要とされる内部監査」になることで、年収アップが実現できるでしょう。

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BackOfficeDB編集部
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