「最新のファイルがどれかわからない」「マクロが壊れて修正に半日かかる」——Excelでの予算管理には、こうしたトラブルがつきものです。
予算管理システムを導入すれば、データの一元管理と集計の自動化が可能です。
これにより、財務・経営企画部門が本来注力すべき「分析」や「戦略立案」に、より多くの時間を充てられるようになります。
本記事では、主要な予算管理システム28製品を徹底比較しました。
Excelの操作感を活かせるタイプから、高度なシミュレーション機能を備えた大企業向けまで、特徴をタイプ別に整理しています。
予算管理システムとは、企業の予算編成から予実管理、分析までを一貫して効率化するツールです。
各部門のデータをリアルタイムで一元管理できる点が、従来のExcel運用との大きな違いです。
Excelでの予算管理には、ファイルのバージョン管理が煩雑になる、各部署から集めたデータの集計に手間がかかるといった課題がありました。
しかし、予算管理システムを導入すれば、各担当者がシステムに直接入力したデータが自動で集計されます。
手作業による入力ミスや集計漏れを防げるほか、特定の担当者に業務が偏る属人化の解消にもつながります。
| 比較項目 | Excel管理 | 予算管理システム |
|---|---|---|
| データ管理 | 各部署でファイルが分散しやすく、最新版の管理が難しい | データベースで情報を一元管理できる |
| データ集計 | コピー&ペーストや関数入力など、手作業が多い | 自動でリアルタイムに集計・反映される |
| 共有・連携 | メール添付や手動更新が必要で、反映漏れが起きやすい | 常に最新データをシステム上で共有できる |
| 業務の属人化 | 特定の担当者に依存しやすく、引き継ぎが大変 | 誰でも同じルールで操作でき、属人化を防げる |
本記事で紹介する全28種類の予算管理システムについて、機能や特徴を一覧表にまとめました。
「Excelライクな操作性」「データの一元管理」「高度な分析機能」といったタイプ別に分類しており、無料トライアルの有無も確認できます。
自社の課題や目的に合ったシステムを探す際にお役立てください。
予算管理システムを導入することで、業務効率の向上から経営判断の迅速化、内部統制の強化まで、さまざまな効果が期待できます。
ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。
予算管理システムを導入する最大のメリットは、予算編成にかかる工数を大幅に削減できる点です。
従来は、各部署への予算入力フォーマットの配布・回収、そしてファイルの集計に多くの時間を取られていました。
システムを導入すれば、これらの作業が自動化され、担当者は単純な集計作業から解放されます。
空いた時間を、より戦略的な分析業務に充てられるようになるでしょう。
予算と実績がシステム上でリアルタイムに可視化されるため、経営判断のスピードが向上します。
予実に差異が生じた場合も、その原因を即座にドリルダウンして特定できます。
変化の激しい市場環境において、迅速な軌道修正や次のアクションにつなげられる点は大きな強みです。
手作業でのデータ入力や集計に伴うヒューマンエラーを防げるのも、大きな利点です。
多くのシステムには、誰がいつデータを更新したかを記録するログ機能や、役職に応じたアクセス権限の設定機能が備わっています。
データの改ざんや情報漏洩のリスクを低減でき、内部統制の強化にもつながります。
多くのメリットがある一方で、導入にあたっては注意すべき点もあります。
事前にデメリットを把握しておくことで、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。
システムの導入には、初期費用や月額のランニングコストが発生します。
無料で使えるExcelと比較すると、費用面はデメリットといえるでしょう。
クラウド型のシステムであれば初期費用を抑えられる傾向にありますが、継続的なコストは必要です。
導入前に、削減できる工数や得られる効果と照らし合わせて費用対効果を検討することが大切です。
長年Excelでの運用に慣れた企業では、新しいシステムへの移行に現場が抵抗感を示すケースも少なくありません。
操作方法の習得や業務フローの変更が必要になるため、導入初期は一時的に業務負荷が増える可能性があります。
スムーズに定着させるには、丁寧な研修の実施や、導入目的の事前共有が欠かせません。
多機能で高価なシステムを導入したものの、自社の業務には不要な機能ばかりで結局使いこなせない——こうした失敗は避けたいところです。
自社の規模や課題に対してオーバースペックな製品を選んでしまうと、費用対効果が見合わなくなります。
まずは課題を明確にし、必要な機能に絞ったシンプルなツールで「スモールスタート」を切るのが有効です。
現場の負担を考慮して、Excelの操作感を活かした「Excel連携型」のシステムを検討するのもよいでしょう。
予算管理システムは、その特徴によって大きく3つのタイプに分けられます。
それぞれの強みや向いている企業像を理解しておくと、自社に最適なシステムを選びやすくなります。
| タイプ | 特徴 | こんな企業におすすめ |
|---|---|---|
| Excelのように操作できるタイプ | ExcelのUIを維持し、アドインなどで機能を拡張 | 現場の学習コストを最小限に抑えたい企業 |
| 一元管理できるタイプ | クラウド上でデータ入力から管理まで完結 | 脱Excelを進め、バージョン管理から解放されたい企業 |
| 高度な分析ができるタイプ | BI機能や多角的なシミュレーションに対応 | グループ経営やグローバル展開をおこなう大企業 |
Excelの使い慣れた操作感を維持しながら、システムならではのデータ一元化や堅牢性の恩恵を受けられるタイプです。
既存のExcelフォーマットをそのままシステムに取り込めたり、Excelのアドインとして動作したりする製品が多く、現場の学習コストを抑えられるのが最大のメリットです。
「システム導入で現場を混乱させたくない」「まずはExcel業務の属人化だけでも解消したい」など、スモールスタートを切りたい企業に向いています。
Webブラウザ上で予算の入力から承認、予実管理までを完結できる、クラウドベースのシステムです。
データが常に最新の状態に保たれ、バージョン管理の手間がなくなるのが大きな強みです。
複数の拠点や部署が関わる予算編成も、スムーズに進められます。
「脱Excelを本格的に進めたい」「全社のマスタデータを統一して管理したい」など、データ管理体制の変革を目指す企業におすすめです。
BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとしての機能も備え、複雑な経営分析や将来予測のシミュレーションを得意とするタイプです。
部門別・製品別といった多軸での収益性分析や、為替変動などを加味したシナリオプランニングが可能です。
連結会計システムとの連携機能を持ち、グループ経営の高度化を支援する製品も多くあります。
多数の子会社を抱える大企業や、グローバルに事業を展開する企業など、複雑な経営管理が求められる組織に適しています。
予算管理システムには、主に「予算編成」「予実管理」「見込管理」の3つのフェーズを支援する機能が搭載されています。
| フェーズ | 主な機能 | 概要 |
|---|---|---|
| 予算編成 | 入力フォーム作成、データ集計、ワークフロー | 各部門の予算入力を効率化し、承認プロセスをシステム化する |
| 予実管理 | 会計システム連携、差異分析、レポート | 実績データを自動で取り込み、予算との差異を可視化・分析する |
| 見込管理 | 着地予想、シミュレーション | 最新の実績をもとに期末の着地見込みを予測し、複数シナリオを比較検討する |
これらの機能を活用することで、予算管理のPDCAサイクルを高速化し、経営判断の精度を高められます。
自社に最適な予算管理システムを選ぶには、いくつかの重要な比較ポイントを押さえておく必要があります。
多機能さに惑わされず、「自社の課題を解決できるか」という視点で冷静に評価することが、失敗を防ぐ鍵です。
長年Excelで管理してきた企業にとって、既存の資産を活かせるかどうかは重要なポイントです。
使い慣れたExcelのフォーマットや計算式を新しいシステムにインポートできるか、事前に確認しておきましょう。
また、過去データの移行を支援してくれるベンダーのサポート体制が整っているかどうかも、スムーズな導入の鍵になります。
予算管理システムは、単体で利用するよりも、他のシステムと連携させることで真価を発揮します。
特に、実績データを取り込むために、現在利用している会計システム(freee、マネーフォワード、勘定奉行など)とAPI連携できるかは必ず確認しておきたいポイントです。
連携が実現すれば、CSVファイルを手動で取り込む手間がなくなり、リアルタイムでの予実比較が可能になります。
システムを実際に操作するのは、経理部門だけではありません。
各事業部門の担当者も日常的に利用することになります。
専門知識がなくても、マニュアルを見ずに直感的に入力できるインターフェースかどうかが重要です。
無料トライアルを活用し、実際の入力画面の操作性やレポート画面の見やすさを、複数人でチェックすることをおすすめします。
システムは導入して終わりではなく、全社に定着して初めて価値が生まれます。
導入時の設定をサポートするコンサルティングや、運用開始後の疑問に対応するカスタマーサクセス体制が充実しているかを確認しましょう。
チャットや電話でのサポート窓口の対応時間、ユーザー同士で情報交換できるコミュニティの有無なども、選定時の判断材料になります。
予算管理システムの費用は、提供形態(クラウド型かオンプレミス型か)、搭載機能、利用ユーザー数によって大きく異なります。
ここでは、タイプ別の相場と主な費用項目を整理します。
数百万円〜数千万円に及ぶこともあります。
自社サーバーの構築費用や大規模なカスタマイズ費用が含まれるため高額になりますが、セキュリティ要件が厳しい大企業などで採用される傾向があります。
数百万円から数千万円に及ぶこともあります。
自社サーバーの構築費用や、大規模なカスタマイズ費用が含まれるため高額になりますが、セキュリティ要件が厳しい大企業などで採用される傾向があります。
| 項目 | 費用内訳 | 目安 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 環境構築、導入コンサルティング | 0円〜100万円 |
| 月額/年額費用 | ライセンス料、保守サポート | 月額5万円〜50万円 |
| その他 | 連携開発、追加カスタマイズ | 都度見積もり |
ここからは、主要な予算管理システム28製品について、それぞれの特徴を詳しく解説していきます。
自社の課題や目指す姿と照らし合わせながら、最適なツールを見つけてください。

「BizForecast BC」は、Excelの使いやすさを活かしながら、データを一元管理できる予算管理システムです。
Excelに近い操作感のため現場への導入がスムーズで、「どのデータが最新かわからない」といったExcel特有の課題を解消できます。
入力画面は企業の運用に合わせて自由に設計でき、予算管理以外の業務にも応用可能です。
Excelでの集計作業に手間を感じている企業や、ファイル管理の属人化を解消したい企業に向いています。
| サービス名 | BizForecast BC |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 50,000円〜 |
| 無料トライアル | 要問い合わせ |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「Sactona」は、普段使っているExcelに機能を追加するアドイン形式の予算管理システムです。
新しい操作を覚える必要がなく、導入時の学習コストを最小限に抑えられるのが最大の特長です。
入力されたデータは自動でデータベースに集約され、手作業による集計ミスや転記ミスを防げます。
マクロの専門知識がなくても使えるため、Excel業務の効率化と属人化の解消を目指す企業におすすめです。
| サービス名 | Sactona |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「iFUSION」は、各部署で作成したExcelファイルを指定フォルダに保存するだけで、自動的に収集・集計できるツールです。
大規模なシステム導入は不要で、低コストかつ手軽に運用を始められます。
使い慣れたExcelフォーマットをそのまま活用できるため、現場の負担を抑えられます。
「まずはExcelファイルの配布・回収の手間から解放されたい」という企業のスモールスタートに最適です。
| サービス名 | iFUSION |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 要問い合わせ |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「Loglass 経営管理」は、直感的な操作画面で「脱Excel」を実現するクラウド型の経営管理システムです。
予算策定から予実管理、見込管理までの経営データを一元化し、迅速な意思決定をサポートします。
複雑な配賦計算や多角的なデータ分析機能に定評があり、データに基づいた高度な経営管理を目指す企業から支持されています。
特に経営企画部門での活用が進んでいます。
| サービス名 | Loglass 経営管理 |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド |

「Amoeba Pro」は、京セラ独自の経営管理手法「アメーバ経営」をクラウド上で実践するために開発されたシステムです。
部門別の時間当たり採算をリアルタイムで可視化し、従業員一人ひとりの経営参加意識を高めることを目的としています。
アメーバ経営の導入を検討している企業や、部門別採算管理を強化したい企業に向いています。
| サービス名 | Amoeba Pro |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 65,000円〜 |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「AVANT Cruise」は、国内トップシェアの連結会計システム「DivaSystem」との親和性が高い予算管理システムです。
グループ各社の予算データを効率的に収集し、DivaSystemとシームレスに連携できます。
グループ全体の経営管理を高度化したい企業や、内部統制の強化・決算早期化を目指す企業におすすめです。
| サービス名 | AVANT Cruise |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | - |
| 提供形態 | クラウド |

「DIGGLE」は、予算と実績の差異を分析するだけでなく、その原因を特定し、改善アクションの進捗まで管理できるシステムです。
単なる予実管理ツールにとどまらず、経営課題の発見から解決までのPDCAサイクルをシステム上で回せます。
着地見込みの精度を高めたい企業に最適です。
| サービス名 | DIGGLE |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド |

「Manageboard」は、マネーフォワードが提供するクラウド型の予算管理システムです。
さまざまな会計ソフトとAPI連携し、月次決算の早期化や予実管理の自動化を実現します。
AIによる将来のキャッシュフロー予測機能も搭載しており、中小企業の資金繰り改善にも役立ちます。
レポート作成機能も充実しており、経営会議資料の作成時間を大幅に短縮できます。
| サービス名 | Manageboard |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「集計名人アタボー5」は、Excelファイルの配布・回収・集計といった一連の作業を自動化することに特化したツールです。
予算管理だけでなく、アンケート集計や勤怠管理など、さまざまなExcel業務に応用できる汎用性の高さが魅力です。
プログラミングやマクロの知識がなくても、誰でも簡単に定型業務を自動化できます。
| サービス名 | 集計名人アタボー5 |
|---|---|
| 初期費用 | - |
| 月額料金 | 45,000円〜 |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「Workday Adaptive Planning」は、世界で6,000社以上の導入実績を持つクラウド型の経営管理プラットフォームです。
財務計画だけでなく、販売計画や人員計画など、企業全体のプランニング業務を統合的に管理できるのが強みです。
ドラッグ&ドロップの直感的な操作で、柔軟なモデリングやシミュレーションをおこなえます。
| サービス名 | Workday Adaptive Planning |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド |

「IBM Planning Analytics」は、独自のインメモリ技術「TM1エンジン」による高速な計算処理が最大の特長です。
数百万件規模の大量データでも、瞬時に集計・分析を実行できます。
ExcelライクなインターフェースとWeb画面の両方を提供しており、ユーザーは好みの環境で操作できます。
| サービス名 | IBM Planning Analytics |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「Oracle Cloud EPM」は、Oracle社のERP(統合基幹業務システム)と完全に統合された経営管理ソリューションです。
ERP内の財務・販売・人事などのデータをリアルタイムに連携し、経営状況を包括的に可視化できます。
AIを活用した高度な予測分析やシナリオプランニング機能も搭載しており、データドリブンな経営を目指す企業を支援します。
| サービス名 | Oracle Cloud EPM |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 連携可能なシステム | クラウド / オンプレミス |

「CCH Tagetik」は、財務データだけでなく、販売実績や顧客データといった非財務データも統合的に管理・分析できるプラットフォームです。
製品別・顧客別・チャネル別といった詳細な切り口での収益性分析を得意としています。
グローバルな会計基準(IFRS)にも対応しており、海外拠点を持つ企業にも適しています。
| サービス名 | CCH Tagetik |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「Diva System FBX」は、予算データの収集プロセスに特化し、現場担当者の入力しやすさを追求したシステムです。
シンプルな入力画面とExcelライクな操作性で、ITに不慣れな担当者でも迷わず利用できます。
収集したデータは連結会計システム「DivaSystem」と連携でき、グループ全体の決算早期化に貢献します。
| サービス名 | Diva System FBX |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | - |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「bixid」は、会計システムに蓄積されたデータを自動で取り込み、経営状況をわかりやすく可視化するクラウドサービスです。
専門的な知識がなくても、自社の財務状況をグラフや図で直感的に把握できます。
経営者と会計事務所間のコミュニケーションツールとしても活用されており、月次決算の早期化と経営改善をサポートします。
| サービス名 | bixid |
|---|---|
| 初期費用 | - |
| 月額料金 | 20,000円〜 |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド |

「board」は、中小企業や個人事業主向けの業務・経営管理システムです。
見積書や請求書を作成すると、そのデータが自動的に売上・原価として登録され、リアルタイムで損益状況を把握できます。
バックオフィス業務全体を効率化しながら予実管理も行いたい企業に向いています。
| サービス名 | board |
|---|---|
| 初期費用 | - |
| 月額料金 | 980円〜 (法人は1,980円〜) |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド |

「Anaplan」は、財務部門だけでなく、営業、マーケティング、人事、サプライチェーンなど、社内のあらゆる計画業務を単一のプラットフォーム上で連携させる「コネクテッドプランニング」を実現するシステムです。
高い柔軟性と拡張性を持ち、グローバルな大企業での導入実績が豊富です。
複雑なビジネスモデルを持つ企業の全社的な計画最適化を支援します。
| サービス名 | Anaplan |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド (オンプレミスとの連携も可) |

「fusion_place」は、超高速な多次元データベース(インメモリDB)を核に、Excelをフロントエンドとして活用できる柔軟な経営管理基盤です。
Excelの操作性を活かしつつ、大規模で複雑なデータ処理にも対応できるのが特長です。
連結管理、管理会計、予算管理など、幅広い業務領域をカバーする拡張性を備えています。
| サービス名 | fusion_place |
|---|---|
| 初期費用 | - |
| 月額料金 | 0円〜 |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「Jedox」は、Excelに近い操作性を持ちながら、データ分析(BI)と計画策定(EPM)の機能をオールインワンで提供するプラットフォームです。
Excelスキルを活かして、データベースのモデリングからレポーティングまでをノーコードで構築できます。
財務部門だけでなく、営業や人事といった各部門が自らデータを活用する文化を育てたい企業におすすめです。
| サービス名 | Jedox |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「STRAVIS」は、グループ経営をおこなう大企業向けに、連結会計システムとして豊富な実績を持つソリューションです。
各子会社からのデータ収集、連結処理、経営層へのレポーティングまで、グループ管理に必要な業務を一貫してカバーします。
大量データを高速で処理する性能にも定評があり、決算早期化やガバナンス強化を目指す企業に向いています。
| サービス名 | STRAVIS |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | - |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「BzPLAN」は、中堅・中小企業の経営管理にフォーカスした、財務会計連動型のパッケージシステムです。
予算編成はもちろん、期中の見直しをおこなう「補正予算」や、期末の着地見込みを立てる「見込管理」といった機能を標準搭載しています。
過去の実績だけでなく、将来の数字を作りPDCAを回していく「未来会計」の実現を支援します。
| サービス名 | BzPLAN |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | - |
| 提供形態 | オンプレミス |

「ヨジツティクス」は、中小企業やスタートアップ向けに、シンプルさと使いやすさを追求したクラウド型の予実管理ツールです。
「マニュアルなしで使える」ことをコンセプトにしており、直感的な操作性が魅力です。
Googleスプレッドシートと連携し、普段使っている帳票をそのまま取り込んで予実管理を始められます。
Excelやスプレッドシートでの管理から、手軽に一歩踏み出したい企業に最適です。
| サービス名 | ヨジツティクス |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | - |
| 提供形態 | クラウド / オンプレミス |

「予算会計エクスプレス」は、複式簿記のロジックを組み込んだ予算作成・管理システムです。
PL(損益計算書)の予算数値を入力するだけで、関連するBS(貸借対照表)やCF(キャッシュフロー計算書)の予算が自動で作成されます。
財務三表の整合性が取れた、精度の高い予算計画を効率的に策定できます。
会計の専門知識を活かした信頼性の高い予算管理を実現したい企業に向いています。
| サービス名 | 予算会計エクスプレス |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド |

「Biz.SCRUM」は、部門別・担当者別の損益管理を徹底し、全員参加型経営の実現を支援する経営管理システムです。
各部門の売上や経費はもちろん、本社経費などを各部門に割り振る「配賦」のロジックを柔軟に設定できるのが強みです。
社員一人ひとりが自部門の損益を意識する文化を育て、組織全体の収益力向上を目指せます。
アメーバ経営のような部門別採算制度の導入を検討している企業におすすめです。
| サービス名 | Biz.SCRUM |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 要問い合わせ |
| 提供形態 | クラウド |

「クラウドERP ZAC」は、広告、IT、コンサルティングなど、プロジェクト単位でビジネスを進める業種に特化したクラウドERPです。
案件ごとの売上、原価、工数(労務費)などを一元管理し、プロジェクト別の収支をリアルタイムに把握できます。
この実績データと予算を連携させることで、精度の高い予実管理が可能です。
プロジェクトの採算性を重視する企業に向いています。
| サービス名 | クラウドERP ZAC |
|---|---|
| 初期費用 | 100,000円〜 |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド |

「kpiee」は、KPIの予実管理に特化した、シンプルさが魅力のクラウドツールです。
複雑な機能はそぎ落とし、「目標(予算)と実績の比較」を直感的な数値とグラフで確認することに重点を置いています。
チームや個人の目標達成度が一目でわかるため、現場のモチベーション管理にも役立ちます。
スモールチームでシンプルなKPI管理から始めたい企業に最適です。
| サービス名 | kpiee |
|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | クラウド |

「Forguncy」は、使い慣れたExcelの操作感で、Webアプリケーションをノーコード開発できるツールです。
Excel方眼紙のレイアウトをそのままWeb画面として再現できるため、自社独自の予算申請フォーマットや承認フローを思いどおりにシステム化できます。
プログラミング知識は不要です。
市販のシステムではフィットしない、独自の業務フローを持つ企業におすすめです。
| サービス名 | Forguncy |
|---|---|
| 初期費用 | 開発ライセンス:189,200円〜 運用ライセンス:594,000円〜 同時接続追加ライセンス:308,000円〜 (基本ライセンスと同時接続追加ライセンスが必要) |
| 月額料金 | 0円 (※保守更新ライセンスとして保守1年更新費56,100円〜、基本ライセンス更新費151,800円〜、同時接続追加ライセンス更新費79,200円〜が必要) |
| 無料トライアル | 〇 |
| 提供形態 | オンプレミス |
「いきなり脱Excelは現場の抵抗が大きい」「まずは今の運用を効率化したい」と考える企業には、Excelの操作性を活かせるタイプがおすすめです。
使い慣れた操作感はそのままに、バージョン管理の煩雑さや集計の手間といった課題を解決できます。
「ファイルの乱立によるバージョン管理の混乱から抜け出したい」「経営数値をリアルタイムに把握したい」といった課題を抱える企業には、クラウド上でデータを一元管理できるタイプが向いています。
常に最新のデータに誰もがアクセスできる環境は、スピーディーな意思決定の基盤になります。
「グループ全体の経営状況を多角的に分析したい」「精度の高いシミュレーションを経営戦略に活かしたい」といったニーズを持つ大企業には、高度な分析機能を備えたタイプが適しています。
複雑な組織構造やビジネスモデルにも対応でき、データに基づいた将来予測が可能になります。
高機能なシステムを導入しても、使いこなせなければ意味がありません。
「思ったより手間がかかる」「現場が使ってくれない」といった失敗を防ぐために、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
いきなり全部門で、全ての機能を完璧に使いこなそうとする必要はありません。
まずは経理部門や経営企画部門など、中心となる部署の特定業務から導入を始めるのが成功の秘訣です。
「予算編成時のファイル集計だけを自動化する」といったように目的を絞り、小さく始めて徐々に対象範囲を広げていきましょう。
「なぜシステムを導入するのか」という目的を、経営層から現場の担当者まで全員が理解している状態が理想です。
「集計作業をなくして、分析に時間を使えるようにする」といった具体的な目的を共有することで、現場の協力を得やすくなります。
システム導入は単なるツールの入れ替えではなく、業務改革のプロジェクトであるという意識を持つことが大切です。
システムの導入効果を最大化するには、入力するデータのルールが統一されていることが欠かせません。
たとえば、「勘定科目コード」や「部門コード」が部署ごとにバラバラだと、正確な集計ができません。
導入を機に、社内のマスタデータを整理・統一しておきましょう。
このひと手間が、導入後のスムーズな運用を支えます。
本記事では、予算管理システム28製品を比較し、自社の課題に合った選び方を解説しました。
Excelによる予算管理は手軽ですが、事業の成長とともに限界を迎えるケースは少なくありません。
集計作業やバージョン管理に追われる状況から抜け出し、より付加価値の高い分析業務にシフトするうえで、システム導入は有効な選択肢です。
多くのシステムでは、無料トライアルや個別相談会が用意されています。
まずは気になる製品の資料をいくつか取り寄せ、自社の課題を解決できそうかどうか、比較検討してみてください。