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弁護士サブスクの利用メリットと注意点とは?自社採用がおすすめのケースも解説

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弁護士サブスクの利用メリットと注意点とは?自社採用がおすすめのケースも解説

近年、弁護士のサブスク(サブスクリプションサービス)を提供している法律事務所が増えています。月額料金で法務サービスを利用できることから、注目している企業も多いのではないでしょうか?

しかし、弁護士のサブスクを利用する前に、メリットや注意点を理解しておくことが大切です。場合によっては、弁護士の自社採用のほうが適しているケースもあります。

本記事では、弁護士のサブスクの概要やメリット、注意点を紹介するとともに、自社採用がおすすめの理由を解説します。

弁護士をサブスクで依頼できる?

まずは、弁護士のサブスクのサービスについて解説します。

弁護士のサブスクとは

そもそもサブスクとは、ユーザーが定期的に料金を支払うことで、一定期間内に継続的なサービスや商品を利用できるビジネスモデルのことを指します。動画や音楽のストリーミングサービス、ソフトウェアの定期利用サービスなどが代表的です。

弁護士のサブスクと呼ばれるサービスもこれと同様に、企業や個人が定額料金を支払うことで、一定期間内に弁護士からの法的アドバイスやサポートを受けられるサービスです。

顧問契約との違い

弁護士の顧問契約は、企業が弁護士と定期的な契約を結び、必要な法的アドバイスやサポートを継続的に受けるための契約形態です。顧問契約を結ぶことで、企業は日常的な法務問題の相談や対応を迅速におこなうことができます。

顧問契約も定額料金を払うという点ではサブスクと同じです。なかには、従来の顧問契約を指してサブスクとうたっているサービスも存在します。

ただし、弁護士のサブスクは、一般的な顧問契約に比べて利用料金が低いケースが多いのが特徴です。また、顧問契約では企業の状況に応じて柔軟に契約内容を決めるケースが多いですが、弁護士のサブスクはサービス内容がある程度標準化されていることが多いという違いもあります。

どんな弁護士サービスを利用できる?

弁護士のサブスク利用できるサービス内容は、サービスの提供元によって異なります。

一般的には、企業法務の相談や契約書のチェックなどのサービスが中心です。契約書に関してはゼロから作成することはせず、すでにできている契約書をチェック(リーガルチェック)するケースが多いでしょう。

また、なかには従業員の福利厚生として個人的な法律相談(離婚・交通事故・借金など)ができるサービスもあります。

反対に、弁護士のサブスクで利用できないサービスとしては、訴訟や交渉の代理人などが挙げられます。サブスクを契約した法律事務所に依頼することは可能ですが、別途費用が必要です。

弁護士サブスクの費用相場

費用相場もサービスの提供元によって異なります。数千円から3万円以上と幅があり、費用が高いほど利用できるサービスの幅も広いケースが一般的です。

顧問契約の場合、相場は5万~10万円が目安なので、これに比べると低額で利用できるケースが多いでしょう。

また、法律事務所によっては、サブスクサービスのなかでもいくつかのプランがあり、選べるケースがあります。

企業が弁護士サービスをサブスクで利用するメリット

弁護士のサブスクは、企業が法的リスクを管理するための新しい方法として注目されています。以下では、企業が弁護士のサブスクを利用するメリットを解説します。

法務部門の設置や顧問弁護士より低コスト

弁護士のサブスクを利用する企業は、自社に法務部門がないというケースが多数です。

企業が自社で法務部門を設置する場合、法務担当者の人件費や関連コストがかかります。また、顧問弁護士を契約する場合でも、長期的な契約や高額な月額料金が必要となることが多いでしょう。

一方、弁護士のサブスクは定額料金で法的サービスを受けられるため、これらのコストを大幅に削減することが可能です。また、毎月の費用が一定であるため、予算管理が容易というのもメリットです。

法律面での困り事をいつでも相談できる

企業は日常的にさまざまな法的問題に直面するため、これらの問題をすぐに解決できる環境が整っていることが重要です。弁護士のサブスクを利用することで、いつでも法律の専門家に相談できるため、迅速かつ的確な対応が可能となります。

日常業務で発生する法的疑問や不安をすぐに解消できることは、経営上の安心感につながるでしょう。

トラブル時の対応がスポット依頼よりもスピーディ

突然の法的トラブルが発生した場合、弁護士をスポットで依頼するよりも、すでに契約しているサブスクを利用するほうが迅速に対応してもらえます。

弁護士のサブスクの場合、顧問契約ほど弁護士と密接にやり取りが発生するわけではありません。しかし、既存の契約関係があるため、弁護士は企業の状況や背景をある程度理解しています。

そのため、法的トラブルが発生してから弁護士に事情を説明して解決してもらうスポット依頼よりも、初期対応がスムーズで迅速な問題解決が可能です。

ホームページで顧問契約として掲載できる

弁護士のサブスクでは、ホームページで掲載可能とうたっているケースが多くあります。

企業が弁護士を利用していることを対外的に公開することで、企業の信頼性や信用度が向上します。法的な問題に関して弁護士への相談体制が整っていれば、取引先や顧客に対して、法的リスク管理がしっかりしている企業だと示すことができます。

個別案件の費用が割引される場合がある

訴訟や交渉などの個別案件が発生した場合、サブスクの月額料金内では対応してもらえないケースが一般的です。

しかし、弁護士のサブスクのなかには、個別の法的案件に対する費用が割引される特典が含まれている場合があります。これにより、突発的な法的トラブルや特定のプロジェクトに関する法的サポートを受ける際のコストを軽減できます。

弁護士のサブスクで気をつけたい点

弁護士のサブスクは多くのメリットがある一方で、注意点もあります。

必ずしも「使い放題」ではない

弁護士のサブスクは定額制であるため、「使い放題」のように見えることがありますが、必ずしもすべてのサービスが無制限に利用できるわけではありません。多くのサブスクプランには、利用回数やサービス内容の制限があります。

たとえば、月に利用できる相談回数やサービスの利用時間に制限がある、契約書のチェックで回数制限がついているといったケースです。また、契約内容によっては特定のサービスが含まれていない場合や、追加料金が発生する場合などがあります。

したがって、契約内容を十分に理解し、「必要なサービスが含まれているか」「どの程度の利用が可能か」を確認することが重要です。

個別案件はその都度費用が発生する

弁護士のサブスクでは、日常的な法務相談や定型業務については定額料金で利用できますが、特定の個別案件に対しては追加の費用が発生することが一般的です。

たとえば、訴訟が発生した場合の対応や裁判所への出廷、M&Aや企業再編などの大規模プロジェクトに関する法務サポート、高度な専門知識が求められる法的問題への対応などは追加料金が発生します。

そのため、こうした個別案件への対応を期待している企業は、追加料金の発生条件やその料金体系を事前に確認しておくことが不可欠です。期待する内容によっては、ほかの方法での依頼が適している場合があります。

使わないと月額料金が無駄になる

弁護士のサブスクは、利用しなかった場合でも月額料金が発生します。

そのため、法務サポートの利用頻度が低い企業にとっては、サービスの費用対効果が低くなる可能性があります。

したがって、弁護士のサブスクを検討中の場合は、まず自社の法務ニーズを把握し、サブスクが本当に必要かを評価することが大切です。また、自社の利用頻度に合ったプランを選ぶことで無駄なコストを削減できます。

弁護士費用を抑えたいなら弁護士の自社採用がおすすめ

弁護士のサブスクはサービス内容が限定され、対象外のサービスは追加料金が発生するのが基本です。

そのため、弁護士費用を削減したいとの理由でサブスクを契約しても、想定以上の費用がかかってしまうことが少なくありません。

弁護士費用を抑えたいなら、長い目でみた場合にはサブスクではなく自社採用がおすすめです。

自社の社員として活動してもらうことで外部弁護士への依頼費用を抑えるとともに、以下のようにさまざまなメリットを得ることができます。

幅広い法律業務を担当してもらえる

サブスクや顧問弁護士を含めて外部弁護士を依頼する場合、どんな業務が対応可能か、どの業務にいくらの費用が必要かをその都度検討しなければなりません。

そうすると、手間がかかるうえに依頼に時間を要します。コストが高すぎて依頼を断念することもあるでしょう。

しかし、自社で弁護士を採用すると、以下のように法律に関する多岐にわたる業務を担当してもらえます。

  • 契約書の作成・レビュー
  • 労務問題
  • 知的財産の管理
  • コンプライアンスのチェック、コンプライアンス研修の実施
  • 社内の法律相談 など

これらの業務を依頼する際に手間や時間、別途料金は一切かかりません。

自社の事業分野や内情に詳しいから迅速な対応が可能

自社採用の弁護士は、自社の社員として企業の事業内容や内部事情を深く理解しているため、法的トラブルが起きた場合でも、迅速かつ的確な対応が可能です。企業の特性に応じた的確なアドバイスなど、サブスクでは難しい細やかな対応にも期待できます。

予防法務に取り組める

弁護士のサブスクや顧問契約では、弁護士が自社に常駐するわけではありません。

基本的には、法律上の困りごとやトラブル発生後の相談や対応依頼をする形をとります。

しかし、自社採用の場合は弁護士が社内に常駐します。そのため、トラブル発生後の対応だけでなく、予防法務に積極的に取り組むことができます。定期的な法務チェックとリスク管理が可能なので、リスクの早期発見と将来的なトラブルを未然に防ぐことにつながります。

ビジネスを推進できる

外部弁護士の場合は、法律違反を犯さないためのサービス利用という側面が強くあります。もちろんこれも極めて重要なことですが、ビジネスの推進という点ではリーガルサービスの範疇を超えており、外部弁護士には対応できないことが一般的です。

弁護士が企業内部にいることで、法律違反を防ぐだけでなくビジネスの推進にも寄与します。

たとえば、新規事業の立ち上げや拡大を検討しているとき、「これはできない、それもだめ」というのではなく、「どうしたらできるか」を考えられるのが自社採用の弁護士です。

また、経営陣は企業内弁護士による法的な観点からのタイムリーなアドバイスを受けながら、迅速に意思決定できます。

弁護士が常在することで社内外からの信用が高まる

企業の内部に弁護士が常にいることは、社内外からの信用度を高めます。

とくに、取引先や顧客に対して、法的リスク管理体制が整った企業であることをアピールできます。安心感を提供するので、自社サービスの継続的な利用にもつながります。

法務部門全体の底上げにつながる

一般的に、法務部門のスタッフに弁護士資格までは求められません。

法務部門のスタッフは勉強熱心で優秀な人材が多いですが、法律知識や法的解釈・理解といった点では専門家である弁護士を上回ることは難しいでしょう。

しかし、自社で弁護士を採用することで、純粋に法務部門に優秀な人材が1人増えることになります。弁護士の知識や経験がほかの法務スタッフに共有され、法務知識やスキルの向上につながります。法務部門全体のレベルアップを実現できます。

弁護士の自社採用でおすすめの採用支援サービス

弁護士を自社採用することで企業は多くのメリットを享受できます。

ただし、弁護士は専門性が高いことから採用部門でスキルや経験を評価するのが難しく、他社との競争もあるため獲得は簡単ではありません。

そのため、採用支援サービスを利用して採用活動を進めることをおすすめします。

NO-LIMIT

NO-LIMITは、経験豊富な弁護士が多数登録している弁護士特化型の採用支援サービスです。

弁護士業界に精通したアドバイザーがサポートするため、企業内法務への理解が深く、マッチする人材と出会えます。

公式サイト:https://no-limit.careers/recruitment/

BEET-AGENT

BEET-AGENTは、法務をはじめとする管理部門人材の採用支援に特化した人材紹介サービスです。管理部門の実務に詳しいアドバイザーが企業と求職者の両方を担当する「両手型」のサポートで、ミスマッチのない採用に導きます。

公式サイト:https://beet-agent.com/recruiting/

MS Agent

MS Agentは、管理部門と士業の採用を専門に扱う採用支援サービスです。人材紹介サービスと自社で気になった人材を直接スカウトするスカウトサービスを利用できます。2つを併用することでスピーディな採用が実現可能です。

公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/corporate/

弁護士ドットコムキャリア

弁護士ドットコムキャリアは、弁護士・法務採用に特化したサービスです。国内最大規模の法律ポータルサイト「弁護士ドットコム」の運用で構築した弁護士ネットワークがあるので、幅広いタイプの弁護士に出会えます。

公式サイト:https://career.bengo4.com/corporate/

ビズリーチ

ビズリーチは、即戦力人材を直接スカウトできるスカウト型採用サービスです。求職者に利用料が発生する珍しいサービスなので、人材データベースに転職意欲の高い人が多いのが特徴です。ビズリーチの審査を通過した優秀な人材だけが登録しているため、採用したい人材が見つかるでしょう。

公式サイト:https://bizreach.biz/service/bizreach/

まとめ

弁護士サービスのサブスクは、企業にとってコスト効率がよく、手軽に法的リスク管理を強化するための効果的な手段です。

しかし、サービス内容や回数に制限があるため、思っていたよりも費用がかかってしまうことが少なくありません。

弁護士を自社採用すれば、制限なく法的業務を任せられるので結局はコストを抑えられます。自社の仕組みやサービスについての知識もあるため、迅速かつ的確な対応が可能なのも魅力です。

サブスクか自社サービスで悩んでいる場合は、それぞれのサービスに問い合わせをして判断しましょう。

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BackOfficeDB編集部
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BackOfficeDB編集部
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