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企業がイベントを開催した後には、イベント報告書と呼ばれるレポートを書くことが多くあります。
報告書の提出先は上司や協力企業などさまざまですが、読んでもらう相手によって書き方や書く内容は変わってきます。読み手がイベントの目的や成果を理解できるよう、読みやすくわかりやすいイベント報告書を作成しましょう。
本記事では、イベント報告書の目的や書き方のポイント、作成時の注意点を解説します。
イベント報告書は、以下6個の項目を盛り込むことが一般的です。
各項目について、説明します。
導入として、イベントの概要や目標、参加者数などを簡単に紹介します。イベントの日時や場所、参加者数や主催者、協賛者などの基本情報も記載します。
イベント報告書のメインとなる部分です。イベントの内容を、詳しく、順序立てて説明しましょう。具体的かつ客観的に伝えることが重要です。
各セッションやアクティビティの目的、内容、効果などを記述します。事前に作成したイベント実施計画書を見ると、書きやすくなります。
イベントの効果や成果を評価するとともに、イベントから得た学びを再確認します。数値データや参加者の感想・意見などを参考にして、目標達成度や満足度などをまとめましょう。
イベント参加者の感想や意見は、イベントの効果や成果を表す重要な情報です。
感想や意見を募る方法としては、イベント終了後にアンケート調査を実施する、SNSで意見を募集するなどの方法があります。
イベントにおける課題や問題点も、正直に振り返ります。アンケートやフィードバックで指摘された改善点や苦情を分析し、原因と対策を考えます。
たとえば時間配分や進行管理、会場の設備やサポートスタッフ、コンテンツの質や量などです。
課題や問題点を認めて改善することで、次回以降のイベントの品質を高めることができます。
最後に、今後の目標とまとめを述べます。今回のイベントで得られた成果や学びを踏まえて、次回以降のイベントで実現したいことや取り組みたいことを明確にします。
また、今回のイベントに関わったすべての人に感謝の言葉を述べましょう。
関連情報や写真はイベントの内容や雰囲気を示すなど、報告書の内容を補完する役割を果たします。
関連情報は、たとえば講演者のプロフィールなどが記載されたウェブサイトや資料などがあります。写真は、イベントの様子を表すものを選んで、キャプションやコメントを付けるとよいでしょう。
イベント報告書の作成例を3つご紹介します。
■午前セッション:
9:00〜10:00: 会社概要とビジョンの説明
10:15〜12:00: コミュニケーションスキル向上のワークショップ
■午後セッション:
13:00〜15:00: 問題解決のためのグループディスカッション
15:15〜17:00: 実務に関するシミュレーション
グループディスカッションを通じて新入社員同士のコミュニケーションが円滑になり、チームワークの重要性が深く理解されました。実務シミュレーションでは、具体的な業務体験を通じて実践力が向上しました。
一部の参加者から、シミュレーション時間が短かったとの意見がありました。また、午前セッションでのワークショップの進行が少し遅れたことが確認されました。
今後は、シミュレーション時間を延長し、より深く実務を体験できるように調整します。また、ワークショップの進行をスムーズにするために、タイムキープの徹底を図ります。次回も引き続き、参加者のスキルアップと社内文化の理解を深めるための研修を企画します。
14:00〜14:10: 開会の挨拶
14:10〜14:40: 製品紹介プレゼンテーション:製品の特徴、技術的な革新点、使用例
14:40〜15:10: デモンストレーション
15:10〜15:40: Q&Aセッション
15:40〜16:00: ネットワーキングセッション
参加者からのフィードバックは非常に好評で、特にデモンストレーションが製品の機能性と利便性を明確に伝えるのに役立ちました。顧客からの関心が高まり、多くのメディア露出も得られました。
Q&Aセッションで時間が不足したため、より多くの質問に答えることができませんでした。また、オンライン配信の要望が多かったため、次回はその準備も検討します。
次回はQ&Aセッションの時間を延長し、オンライン配信を実施する計画を立てます。今後も新製品のPR活動を強化し、顧客満足度の向上に努めます。
8:00〜8:30: 開会の挨拶とウォームアップ
8:30〜10:00: 5kmラン
10:00〜10:30: 表彰式と閉会の挨拶
10:30〜12:00: フリータイム(飲食・交流)
参加者からのフィードバックは非常に良好で、目標金額の100万円を達成しました。参加者は運動の楽しさとチャリティの意義を感じ、多くの参加者が次回の開催を希望しました。
給水ポイントの数が不足していたため、参加者からは不便との意見がありました。また、コースの案内表示が不十分で、一部の参加者が迷う場面がありました。
次回は給水ポイントを増設し、コースの案内表示を強化します。引き続き、地域貢献と健康促進を目指し、より多くの参加者を集めるための工夫をします。
イベント報告書は、イベントの内容や成果、反省点などをまとめた文書です。イベント報告書を作成する目的は、以下のようなものがあります。
イベント報告書でイベントの様子やデータ、参加者の反応や感想などを記録することで、イベントの振り返りや共有をしやすくします。イベントを振り返ることで、イベントの成功点や課題点を明確にすることができます。
また、イベントの内容や成果を関係者と共有することで、イベントへの理解や関心が高まります。イベントに参加しなかった人とも内容を共有すれば、「次回は参加したい」というアクションを促すことにもなります。
イベント報告書では、イベントの目的や目標に対して、どの程度達成できたかを測定することができます。
たとえば参加者数や満足度、リピート率、売上や問い合わせ数などの指標を用いてイベントの効果を数値化することが可能です。
イベント報告書で記録したイベントの効果測定や振り返りにもとづいて、次のイベントに向けた改善策を考えることができます。
改善策は、具体的かつ実行可能なものにすることが重要です。また、改善策を実施する際には、その効果を検証する方法も考える必要があります。
イベント報告書は、協力企業への提出・報告にも役立ちます。協力企業とは、イベントに協賛した企業や協力したメディアなどを指します。
協力企業への提出・報告をすることで、イベントへの感謝や評価を伝えることができます。また、協力企業との関係性を深めることもできます。
企業のブランディングにも役立ちます。
イベント報告書を公開することで、企業の活動内容や成果を多くの人にアピールすることができます。また、イベント報告書に参加者の声や写真などを掲載することで、企業の人間性や信頼性も高めることが可能です。
わかりやすいイベント報告書を作成するためには、以下のポイントを意識することが大切です。
イベント報告書は、読み手によって書き方や内容を変えます。
たとえば社内の上司や同僚に向けた報告書なら、イベントの目的や背景、達成度などを詳しく説明する必要があります。これに対して、外部のクライアントやパートナーに向けた報告書なら、イベントの概要や効果、感想などを簡潔に伝えることが重要です。
読む人の立場や関心を考えて、適切な情報を選択しましょう。
イベント報告書では、イベントの内容と成果を具体的に示すことが求められます。
イベントの内容は日時や場所、参加者数、プログラムなどを記載します。成果は、目標と実績を比較した数値やグラフ、アンケート結果や参加者の声などを用いて表現します。
また、イベントの内容と成果の関係性も明らかにしましょう。
たとえば「プログラムAは参加者の満足度が高く、目標値を上回った」というように具体的な根拠を示すことで、イベントの効果を強調できます。
イベントの成果や実績は、数値で記載することが望ましいです。
一方で、イベントの主催者やレポートする立場として、実際に感じ取った雰囲気や意見といった主観も重要です。
数値実績と主観は混同するとわかりづらくなるので、区別して記載するようにしましょう。
タイトルや見出しは、読み手の興味を引くフレーズで作成することが大切です。
イベントのテーマや特徴、成果などを端的に表現することで、読みたいと思わせることができます。
たとえば「○○社主催のオンラインセミナーで1000人以上が参加!」などのタイトルや見出しが考えられます。
文章だけでなく、写真や図表など視覚的な表現方法も活用しましょう。文章よりも直感的に理解できるため、読み手の印象に残りやすいです。
また、文章と視覚的な表現方法を組み合わせることで、情報量も増やせます。
文章は簡潔にまとめることで、読み手の負担を減らし、重要なポイントを伝えやすくなります。
そのためには余分な言葉や繰り返しを省き、主語や述語を明確にすることが必要です。
また、わかりやすい構成で書くことで読み手の理解を促進します。そのためには見出しや段落、箇条書きなどを使って情報を整理することが必要です。
敬語や専門用語などは、読み手の立場や知識によって受け取り方が変わります。
たとえば社内の上司や同僚に向けた報告書なら、敬語を使って丁寧に書くことが必要です。一方、外部に向けた報告書なら、敬語を使うのはもちろんですが親しみや感謝の気持ちも表現することも必要です。
また、専門用語は読む人が理解できる範囲内で使うことが必要です。専門用語を使う場合は、定義や解説を付け加えるか、別の言葉で言い換えることが必要です。
イベント報告書を作成する際には、チームメンバーと協力して役割分担を決めるとスムーズに進めることができます。
イベントの場合、ライターとカメラマン、校正者に分けて作成すると一人あたりの負担が軽減されます。
また第三者の目で確認や校正をすることで、精度の高い報告書を作成できます。
イベント報告書は誰目線で書くのかによって、書き方や書くべき内容が変わってきます。
主催者としてイベント報告書を書く場合、まずはイベントの目的や背景を明確にすることが大切です。なぜこのイベントを開催したのか、どんな課題やニーズに応えようとしたのかを述べることで、イベントの意義や価値を伝えることができます。
次に、イベントの内容や成果を具体的に示します。どんなプログラムがあり、どんなゲストがいたのか、どんな反応があったのかなどを紹介します。データや写真などを用いて紹介することで、イベントの様子や成果をわかりやすく伝えることができます。
さらに、イベントには改善すべき点や課題があるはずです。それらを率直に振り返りましょう。どう改善していくか、今後どう継続していくかなどを述べることで、イベントの成長や発展に対する姿勢やビジョンを伝えることができます。
参加者として書く場合は、イベントに参加した動機や期待していた点を述べます。なぜそのイベントに参加したのか、どんなことを学びたいと思ったのか、どんな人と出会いたいと思ったのかなどを述べましょう。それにより、自分がイベントに参加した背景や目的を伝えることができます。
またイベントで何を学んだのか、どんな気づきやインスピレーションがあったのかなどを述べます。これにより、自分の体験を他者に伝えることができます。
最後には、イベントで交流した人や関係者に感謝やメッセージを述べることも大切です。
取材者としてイベント報告書を書く場合、まずはイベントの概要や目的、主催者、日時や参加人数などの基本情報を簡潔に紹介します。
次に、イベントの見どころやハイライトを取り上げます。イベントで行われたプログラムやゲストの中から特に注目すべきものや印象的な人を取り上げ、その内容や魅力を詳しく説明しましょう。
最後に、イベントの評価や感想を述べます。イベントがどんな効果や影響をもたらしたのか、参加者や主催者の声はどうだったのかなどをまとめます。取材者として、自分自身はどう感じたのかを伝えることも大切です。
イベント報告書を作成する際には注意点もあります。
作成した報告書が差し戻しになったり参加者とトラブルになったりしないよう、以下の点に気を付けましょう。
イベント報告書に掲載してはいけない項目もあります。
たとえば個人情報やプライバシーに関わる内容、他者の権利や名誉を侵害する可能性のある内容は掲載してはいけません。また、企業秘密や機密情報も掲載しないようにしましょう。
掲載していけない内容があるかどうかは、事前に関係者や上司に確認しておくことが重要です。
イベントで撮影した写真を報告書に掲載する場合は、写っている人の肖像権を尊重する必要があります。肖像権とは、自分の顔や姿を自由に使われないようにする権利です。
写真を掲載する前には、写っている人の同意を得ることが大切です。同意を得ていない写真の場合は、顔や特徴的な部分を隠すか、写真を不鮮明にするなどの対策をとる必要があります。
イベント報告書に数値データを入れる場合は、データの出所や根拠を明記することが大切です。たとえば参加者数や満足度などのデータは、どのように集計したか、どのような基準で判断したかなどを説明する必要があります。
また、外部から引用したデータは、データの出典や引用元を正確に記載することが必要です。
数値データには信頼性や正確性が求められるため、できるだけ最新のものを使うようにしましょう
イベント報告書は、イベントが終わった直後に作成するのが望ましいです。
イベントの印象や感想が鮮明なうちに書くことで、読者にも伝わりやすくなります。イベントの関係者や参加者にも、早めにフィードバックを与えることができます。
作成するスピードを上げるためには、イベントの目的や概要、流れなどを事前に整理しておくとよいでしょう。
イベント報告書を作成することで、イベントの振り返りや共有、効果の測定などをすることができます。
書き方に明確な決まりはないものの、わかりやすい報告書を作成するためには誰が読むのかを意識して、具体的かつ簡潔に書くことが大切です。
写真の肖像権やデータの引用などにも注意して、読む人の理解を促進できる報告書を作成しましょう。
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