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経理の管理職の仕事内容は?管理職になるために必要な能力も解説!

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経理の管理職の仕事内容は?管理職になるために必要な能力も解説!

経理部門で管理職になることを目指している場合、仕事内容を理解することでキャリアアップのためにすべき具体的な努力の方向性が見えてきます。

しかし、経理部門の管理職がどんな仕事をしているのか、外からはわかりにくいものです。

そこで本記事では、経理の管理職の仕事内容や必要とされるスキルセットについて解説します。

経理部門における管理職の仕事内容

経理の管理職は、どんな仕事をしているのでしょうか。以下では、一般の経理部員の仕事と比較しながら、管理職の仕事内容について解説します。

財務報告書の分析と経営陣への報告・助言

一般の経理部員は、日常的な取引の記帳や仕訳入力、月次・四半期・年次決算に関する各種資料や財務報告書の作成といった実務をおこないます。

これに対し、経理の管理職は財務報告書の作成指示や取りまとめ、最終的な確認と承認を担当します。完成した財務報告書の分析や経営陣に対する報告、戦略的な助言を提供するのも管理職の仕事です。

予算の策定と予算達成に向けた計画の立案

予算に関する業務について、一般の経理部員は予算データの入力や集計作業などをおこないます。部門別の予算実績をモニタリングし、管理職に報告します。

経理の管理職は、予算の策定全体を指導・管理するのが仕事です。部下が集計したデータを見て予算と実績の乖離を分析し、その原因を追求します。

また、予算達成に向けた改善策や計画を立案するのも重要な役割です。

会計監査や税務調査の対応

会計監査や税務調査の対応も、経理部門が担当します。その際、一般の経理部員は管理職の指示に従い、監査・調査のための資料準備やデータ提供をおこないます。監査人や税務署職員の質問に対して、基本的な回答をすることもあります。

これに対して経理の管理職は、会計監査や税務調査の全体対応を統括する立場です。監査人や税務署との主要なコミュニケーションや対応を担当し、必要に応じて交渉します。また、監査・調査結果にもとづく改善策を実施し、内部統制を強化することも求められるでしょう。

資金管理

独立した財務部門がない企業の場合、資金管理も経理の業務に含まれます。一般の経理部員は毎日の出納管理や銀行取引の記帳、資金繰り表の作成補助などを担当します。

経理の管理職は、全体の資金管理を監督して適切な資金配分をおこなうのが役割です。また、銀行との主要な交渉や資金調達計画の策定、資金調達などもおこないます。

業務プロセスの改善

経理部門において業務プロセスの改善を進めることは業務効率化やコスト削減、正確性の向上など多くのメリットがあります。この業務に関して、一般の経理部門は日常業務の改善提案や新しいプロセス・システムの導入に対するサポートなどを担当します。

経理の管理職は業務プロセス全体の改善を推進し、効率化を図るのが役割です。最新の会計ソフトウェアや技術の導入を計画・実施したり、業務のデジタル化を戦略的に進めたりすることも重要な仕事です。

経理部門の業務の進捗管理

自身に割り振られた担当業務を進める一般の経理部員に対して、管理職は経理部門全体の業務の進捗管理をおこないます。各種の経理業務が計画通りに進行し、期限内に完了することを保証するために欠かせない業務です。

具体的には、定例業務のスケジュールを策定・管理するとともに、経理部員それぞれの業務進捗を定期的に確認し、必要に応じてサポートします。また、業務のボトルネックを特定し、リソースの再分配や追加の研修などをおこなうこともあります。

業務の成果物が適切な品質を保っているかを確認し、誤りや不備がないように注意を払うのも管理職の責任です。

経理スタッフやチームの指導・教育、人材育成等のマネジメント

経理部門の管理職は、チーム全体のスキルアップや人材育成を推進し、部門のパフォーマンスを向上させる重要な役割を担っています。

たとえば、各経理部員のスキルや経験に応じて個別に指導やアドバイスを提供します。税法の改正などに対応するための教育プログラムを企画・実施し、部門全体で最新の知識を保てるようサポートするのも管理職の仕事です。

経理部員一人ひとりのキャリア開発にも責任をもちます。定期的な評価面談を通じて各部員の強みや改善点を把握し、将来的なキャリアパスをともに考えます。

BEET

経理の管理職に求められるスキルセット

経理の管理職を目指す場合、どのようなスキルや知識、能力を磨けばよいのでしょうか?以下では、経理の管理職に必要とされるスキルセットについて解説します。

財務・会計や財務に関する深い知識

経理の管理職として、財務・会計に関する深い知識は欠かせません。財務諸表を理解し、適切に作成・分析するスキルが必要です。日本の会計基準のほかに、USGAAP(米国会計基準)やIFRS(国際会計基準)に関する理解も求められます。

また、税務に関する知識も必要です。法人税や消費税などの知識や税務申告書の作成スキル、節税対策や税務リスク管理のスキルなどが必要とされます。

業界や自社の事業に関する理解

経理の管理職にとって、業界や自社の事業に関する深い理解は不可欠です。財務データを正確に解釈し、経営陣に対して有益な情報やアドバイスを提供するために欠かせません。

たとえば、業界特有の財務指標や市場動向を把握していると、収益の予測やコスト管理の精度が向上します。また、自社のビジネスモデルを理解することで戦略的な意思決定をサポートし、自社の成長を促進できます。

データ分析スキル

経理の管理職には、大量のデータを分析し、経営陣に対して経営に役立つ洞察やアドバイスを提供する能力が求められます

たとえば、財務データのトレンド分析やKPI(重要業績評価指標)の監視などが挙げられます。データ分析スキルを磨くことで、経営陣が迅速かつ正確な意思決定をおこなえるようにサポートすることが可能です。

コミュニケーションスキル

経理の管理職は、経営陣やほかの部門との連携を推進するために、複雑な財務情報をわかりやすく伝えるコミュニケーションスキルが重要です。

監査法人や金融機関など、外部機関とのやり取りや交渉をおこなうためのスキルも求められます。また、部下との円滑なコミュニケーションを通じて、チーム全体のパフォーマンスを向上させることも必要です。

最新の会計ソフトウェアやデジタルツールの活用能力

経理業務のデジタル化が進むなかで、最新の会計ソフトウェアやデジタルツールを活用する能力は、経理の管理職にとって欠かせないものとなっています。

たとえば、ERPシステムやBIツールの利用スキルなどが挙げられます。これらのツールを効果的に活用することで、業務の効率化やデータの精度向上を図れます。

プロジェクト管理やチームマネジメントのスキル

経理の管理職には、プロジェクト管理やチームマネジメントのスキルも必要です。プロジェクトの計画立案・進捗管理・リスク管理、リソースの最適化などを効果的におこなう能力が求められます。

また、チームメンバーのスキルやモチベーションを最大限に引き出し、協力体制を築くことが必要です。優れたマネジメントスキルにより、部門全体の生産性と士気を高めることができます。

戦略的思考力

経理の管理職には、戦略的思考力が求められます。単なる数字の管理にとどまらず、企業の中長期的な戦略に貢献する視点が重要です。

たとえば、企業の成長を見据えた長期的な財務計画の立案やリスク管理の強化などを実行することが求められます。

経理の管理職になるためのステップ

経理の管理職になるには、実務経験やスキルの強化からはじめ、マネジメント能力の習得や人脈の構築などを進める必要があります。

実務経験を積んで経理人材としての価値を高める

経理の管理職を目指すためには、まずは実務経験をしっかりと積むことが不可欠です。

日々の業務を通じて、基礎的な経理処理から高度な財務分析まで幅広いスキルを習得し、自身の専門性を高めていきましょう。あわせて、専門的な知識やスキルを強化するために、日商簿記1級や税理士などの資格を取得するのも効果的です。

後輩の指導などを通じてマネジメント能力を鍛える

マネジメント能力は、一般の経理部員のうちから鍛えることが可能です。

たとえば、後輩や新入社員の指導や教育を通じて指導力を養いましょう。また、プロジェクトのリーダーに積極的に立候補し、プロジェクトの計画立案や進捗管理をおこなうことも考えられます。

そのほかにも、経理部門のメンバーと常日頃から円滑なコミュニケーションを図り、信頼関係を築くことも重要です。

社内外の人脈構築に努める

経理の管理職になるためには、社内外での人脈を構築することも大切です。

社内の人脈では、他部署との交流を積極的におこない、ほかの部門のリーダーやメンバーとの関係を築きましょう。

社外の人脈については、業界の同業者や税理士・会計士などの専門家、金融機関の担当者、会計システムの専門家などが考えられます。人脈を広げることで、情報やサポートを得ることができ、キャリアアップの機会も増えます。

他企業の経理管理職ポジションへの転職も視野に入れる

管理職のポジションに空きがないなど自社でのキャリアアップが難しい場合、転職もひとつの選択肢です。経験値やスキルによっては、管理職やその候補となるポジションで採用されることがあります。

また、管理職としての転職ではない場合でも、自分のスキルや経験を活かせる新たな環境を見つけることで、さらなる成長とキャリアアップが可能です。

BEET

経理管理職の採用ニーズ

経理の管理職は市場において高いニーズがあり、好条件での転職も可能です。

経理管理職の採用ニーズは高い

経理管理職の採用ニーズは、高い状況が続いています。

多くの企業は経営の安定と成長を実現するために、経理部門を強化したいと考えています。そのため、経理の専門知識と実務経験をもち部門全体を統括できる管理職が求められています。

幅広い業種で経理管理職の求人があるため、転職によるキャリアアップを目指す方にはチャンスが広がっている状況です。

グローバル化や会計DXに対応できる管理職が求められている

企業が国際的な取引を拡大するのにともない、グローバルな基準にもとづいた財務報告を求められることが増えています。そのため、国際会計基準(IFRS)に精通し、語学力がある経理管理職のニーズはとくに高いです。

また会計業務のDXが進むなかで、デジタルツールやシステムを活用して効率化を図れる管理職も必要とされています。

たとえば、RPAやAIを活用したデータ分析のスキルをもつ人材は評価の対象となります。

人材確保のため高年収が提示されるケースも多い

経理管理職に対する高い採用ニーズを背景に採用競争が激化しており、優秀な人材を確保するために高年収が提示されるケースが増えています。

経験豊富で即戦力となる経理管理職を引きつけるために、他社よりも魅力的な報酬を提示する企業も少なくありません。経理の専門知識に加え、マネジメントスキルやグローバルな視点をもつ候補者には、高い報酬が提示されることが多くあります。

経理管理職におすすめの転職サービス

経理管理職の経験がある方や、管理職ポジションを目指して転職する方は、転職サービスの利用がおすすめです。

以下では、経理領域や管理職の転職に強みをもつサービスを紹介します。

BEET-AGENT

BEET-AGENTは、経理や財務などの管理部門に特化した転職エージェントです。企業の成長を支えるリーダーポジションやミドル層の転職支援に強いため、管理職に興味がある経理人材におすすめします。

年収1,000万円を超える求人も保有しているため、年収アップの転職も叶うでしょう。

公式サイト:https://beet-agent.com/

MS Agent

MS Agentは、管理部門と士業のキャリア支援を専門とする転職エージェントです。

特化型として最大級の求人を保有しているため、スキルや経験を活かせる管理職求人に出会えるでしょう。MS Agentならではの独占求人もあります。

公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/

REXアドバイザーズ

REXアドバイザーズは、経理・財務・会計士・税理士に特化した転職エージェントです。

会計士や税理士などの有資格者のキャリアに詳しいため、企業の経理部門で管理職として転職したい有資格者におすすめします。

公式サイト:https://www.career-adv.jp/

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリアは、経理や税理士などの会計人材の転職支援に強みをもつエージェントです。

独自のネットワークを活かして希少性の高い情報を集めているため、転職活動における情報収集の精度が高まり、ミスマッチの少ない転職が実現できます。

公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/

ビズリーチ

ビズリーチは、ハイクラス人材向けのスカウト型転職サービスです。

登録することで、企業やヘッドハンターから直接スカウトを受けることができます。管理職や専門職などの即戦力人材を探している企業が利用しているサービスなので、経験管理職を求める企業と出会えるでしょう。

公式サイト:https://www.bizreach.jp/

まとめ

一般の経理部員がデータ入力・集計・資料作成などの実務を担当するのに対し、管理職はデータ分析や経営者への報告・アドバイスといった戦略的な業務を担当します。

また、人材マネジメントや部門全体における業務の進捗管理なども重要な仕事です。管理職を目指す場合は仕事内容への理解を深め、必要なスキルや能力を磨いていきましょう。

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BackOfficeDB編集部
この記事の執筆者
BackOfficeDB編集部
こんにちは。BackOfficeDB編集部です。 私たちは、管理部門に関する情報発信を専門にしています。 業務効率化や、各職種のキャリアプラン、スキルアップなど、管理部門の様々なお悩みにお答えします。
佐藤 大輝
この記事の監修者
佐藤 大輝

法務部・経理財務をはじめとした管理部門のコンサルタント。不動産営業・管理事務等を経験したのち、バックオフィス専門のアドバイザーとして参画。