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社内広報とは?目的・役割や企業が注力するメリット、仕事内容を解説

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社内広報とは?目的・役割や企業が注力するメリット、仕事内容を解説
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社内のコミュニケーションや情報共有を図る手段として、効果的なのが社内広報です。

インナーコミュニケーションやインターナルコミュニケーションとも呼ばれ、組織の連携強化や従業員のエンゲージメント向上など、企業にさまざまなメリットをもたらします。

本記事では、社内広報とは何かをテーマに、目的・役割やメリット、担当者の仕事内容などについて解説します。社内広報担当者の採用を支援するサービスや社内広報の成功事例も紹介します。

社内広報とは

社内広報とは、自社やグループ会社内などに向けて、広報活動を展開することです。社内広報が重視されている背景や社外広報との違いなどを解説します。

社内広報が重視されている背景

「広報」というとマスコミや消費者向けの社外広報をイメージする方が多いかもしれませんが、近年では社内広報も重視されるようになっています。

その背景のひとつにあるのが「働き方の多様化」です。

テレワークやフレックスタイム制など多様な働き方が浸透したことで、従業員同士が顔をあわせる機会が減り、社内でのコミュニケーションが希薄になっています。

キャリアに対する価値観の変化」にも影響しています。

日本では長く続いた終身雇用制度が崩壊し、転職によってキャリアアップを図る人が増えました。一方、組織内で人材が流動化することで、企業は自社のビジョンや価値観を従業員に浸透させることや、連携を強化させることが困難になります。

また、グローバル展開や事業の多角化などによって、世界中のあらゆる場所に自社の従業員が点在するようになり、社内コミュニケーションや連携が円滑に進まないリスクが増しています。

このような背景から、全社的な意思統一を図り、連携を強化するために社内広報が果たす役割が大きくなっているのです。

社内広報の担当部署

社内広報の担当部署は企業によって異なります。

たとえば、独立した広報部があり、その中で社内広報担当と社外広報担当がわかれているケースがあります。比較的規模の大きい企業では、このケースに該当することが多いでしょう。

また、広報部自体はなく、総務課や秘書課などに所属する従業員が、社内広報を担当するケースもあります。その場合、社内広報業務のみをおこなうのではなく、ほかの業務と兼任するケースが多数です。

社外広報との違い

社内広報が重視されるようになっても、社外広報が不要になるわけではありません。

両者は、そもそも果たす役割や目的が違います。

社内広報は、自社の従業員に向けた広報活動によって社内コミュニケーションを充実させるためのものです。自社の理念やビジョンを浸透させるとともに、従業員や役員の考え方や行動変革をうながすといった役割があります。

一方、社外広報は消費者やマスコミなど外部に向けた広報活動を通じて自社の商品やサービスの認知度を高め、最終的に売上に貢献することが目的です。また、消費者や株主など社外のステークホルダーとのコミュニケーションを通じ、自社のイメージやブランド価値の向上を図る目的もあります。

社内広報の目的・役割

社内広報に力を入れる前に、その目的や役割を理解しておくことが必要です。主な目的・役割としては、以下の3つに分類できます。

経営理念の浸透

社内広報の大きな目的のひとつが、自社の経営理念を浸透させることです。

性別や年齢、国籍や価値観を問わずさまざまな人が同じ組織内で働く中で、それぞれを根底で結びつけるのは経営理念やビジョンといった軸となる概念です。

経営層がいくら素晴らしい理念やビジョンをもっていたとしても、それが全従業員に浸透していなければ、理想を実現することは難しいでしょう。

社内広報を通じて自社が掲げた経営理念や価値観を共有することにより、社内の意識統一を図ることができ、組織力の強化につながります。

社内の情報共有・連携強化

社内の情報共有も、社内広報の重要な役割です。

従業員個々は熱意をもって目の前の仕事に取り組んでいても、他部署では何をやっているのか、どんな課題があるのかまで理解できていないケースは少なくありません。

その場合、部署をまたいだ業務が発生した際に衝突が起きたり連携が取れなかったりし、組織全体で見たときの生産性が低下することになります。社内広報を通じて各部署の活動や成果、課題などを共有することで、従業員は視野を広く持つことができるはずです。

部署をまたいだ業務で協力体制を築きやすくなり、連携が強化されます。

従業員のエンゲージメント向上

従業員エンゲージメントとは、従業員が自社の理念に共感し、自発的に貢献しようとする意欲のことです。

従業員エンゲージメントを高めることで、従業員は自主性をもって業務に取り組み、課題解決や業務改善にも積極的になります。結果として、組織全体の生産性や商品・サービスの品質が向上し、企業価値も上がっていきます。

従業員エンゲージメントを上げるためには、前述した経営理念の浸透が欠かせません。

社内広報は、鮮度が高い情報を頻繁に従業員に提供することで理念を浸透させ、エンゲージメントの向上に貢献することが求められます。

企業が社内広報に力を入れることのメリット

社内広報の取り組みを強化することは、企業にさまざまなメリットをもたらします。

生産性の向上

社内広報に力を入れることで、生産性の向上に期待できます。

明確で一貫したコミュニケーションは、従業員が企業の目標と方針を理解し、自分の仕事が大きな目標にどのように貢献しているかを把握するのに役立ち、従業員は自分の役割により一層の意義を見出し、モチベーションの向上につながります。

また社内広報は従業員間の情報共有を促進しチームワークを強化するため、プロジェクトの遅延を防ぎ、効率的な作業フローを実現させます。

これらのことは、結果的に生産性の向上に貢献します。

離職率の低下

社内広報へ注力することは、従業員のエンゲージメントと満足度を高め、結果として離職率を低下させる重要な戦略です。

良質な社内コミュニケーションは、従業員が組織のビジョンと目標に共感するとともに、職場への忠誠心を深めます。

また、社内広報は情報の透明性を確保し信頼感を醸成することで、不安や誤解を減らし職場の士気を高める効果があります

従業員が安心して長期にわたり勤務できる環境が整えられることで、離職率の低下に直結します。

企業価値の向上

経営理念が浸透しており、従業員がそれを反映したサービスを提供していることは、独自のブランド価値の確立につながります。

また、社内のオープンなコミュニケーションはイノベーションを促進し、新しいアイデアや改善の提案が活発になります。これにより、企業は市場での競争力を保ち、顧客のニーズに迅速に応えられるようになります

さらに、従業員エンゲージメントが高く離職率が低いと、求職者や投資家など社外からの評価も高まり、優秀な人材を獲得しやすくなります。

結果として、 企業やブランドの価値はさらに上がっていくでしょう。 

     社内広報で取り組む主な仕事内容

社内広報担当の仕事内容は多岐にわたります。以下に代表的なものを紹介します。

社内報の作成

社内広報の主要な仕事のひとつが、社内報の作成です。

社内報は組織内のコミュニケーションを促進し、従業員間の情報共有を図る重要な手段です。各部署の活動内容や社内イベントの様子、社員の功績などを紹介することで、従業員のモチベーション向上と企業文化の醸成に寄与します。

また、社内報は経営層からのメッセージを伝えるプラットフォームとしても機能し、組織の透明性を高める役割を果たします。

Webサイト・SNSの運用

近年では、社内向けWebサイトやSNSをコミュニケーションの手段として活用するケースも多い傾向です。

社内向けWebサイトとでは、Web社内報や掲示板機能がある社内ポータルサイト、事業部の情報発信サイトを運用し、社内のニュースやイベントの様子を発信します。

またSNSは、社内向けに特化したコミュニケーションツールとして、部署をまたいだ情報共有やノウハウの蓄積、企業理念の浸透などに活用されています。

企業活動の報告

従業員に向けて企業活動を報告することで、企業活動の透明性を確保し、従業員に会社の動向を知ってもらうことができます。

たとえば、新しいプロジェクトの開始や社会貢献活動、CSRの取り組みなどがあります。

これらを効果的に報告することで、従業員のモチベーションを高め、組織全体の目標に対する一体感を醸成します。

社内イベントの企画・運営

社内イベントの実施も、社内広報の仕事のひとつです。

全体企画から細部の進行管理、効果的なコミュニケーション戦略の策定、イベント後のフィードバックの収集と分析までが含まれます。

社内イベントは従業員間のコミュニケーションを促進し、組織全体の士気を高める効果が期待できます。

アンケート調査の実施

アンケート調査の実施も、社内広報の仕事に含まれます

アンケートでは、従業員の意見や感想を集め、組織のコミュニケーション戦略を改善するための貴重なデータを得ます。

アンケートは、社内のさまざまな事案に関して従業員から直接的なフィードバックを得るための効果的な手段です。社内広報担当者は、アンケートの設計や実施、結果の分析などをするとともに、コミュニケーション戦略の調整をおこないます。

社内広報の採用支援サービス3選

このように多岐にわたる業務をおこなう社内広報担当には経験やノウハウが求められます。市場になかなか出回らない希少性の高い人材なので、採用は簡単ではありません。

そこで社内広報の採用には、採用支援サービスの利用をおすすめします

BEET

BEETは、広報をはじめとする管理部門系職種に特化した、採用支援サービスです。BEETに登録している求職者は実務経験がある方なので、即戦力採用が叶います。

実務知識があるアドバイザーが担当するため、ミスマッチが少なく効率的に人材の採用ができるでしょう。

公式サイト:https://beet-agent.com/recruiting/

マスメディアン

マスメディアンは、マーケティング・デジタル・クリエイティブ職種に特化した人材紹介エージェントです。

専門分野での採用支援実績が豊富で、広報経験のある即戦力人材を紹介してもらえます。求人票の作成や面接調整などの採用活動をトータルでサポートしてもらえるため、採用担当者の負担を大きく減らすことが可能です。

公式サイト:https://www.massmedian.net/

ビズリーチ

ビズリーチは、236万人以上が登録する即戦力人材に特化したダイレクトリクルーティングサービスです。

求職者が登録する際に審査があるのに加え、有料化することで転職意欲の高い人材だけが登録しているため、採用したい人材を見つけやすいのが特徴です。従来の採用では出会えない転職潜在層にもアプローチできます。

参考:https://bizreach.biz/service/bizreach/

社内広報の活用成功事例3選

最後に、社内広報に力を入れている企業の事例を3社紹介します。どういった工夫で社内コミュニケーションを図っているのかなど、自社の社内広報の参考にしましょう。

カルビー

カルビー株式会社は社内報を通じて経営理念を浸透させるとともに、トップと従業員、従業員同士のコミュニケーションツールとしても活用しています。

双方向のコミュニケーションを取れるようにしたことで、風通しのよい企業文化を醸成した成功事例です。

イントラネット版の「Loop plus Web」は「経団連推薦社内報」のWEB社内報部門で企画賞を受賞しています(2022年度)。アンケートを通じて得た読者の意見を積極的に取り入れたことでPV数が前年比1.5倍になったことが評価されました。

参考:Calbee|カルビーグループをつなぐイントラネット「Loop plus Web(ループラ・ウェブ)」2022年度「経団連推薦社内報」WEB社内報部門で「企画賞」を受賞

アフラック

アフラック生命保険株式会社では、動画とWeb、冊子を組み合わせた社内広報を展開しています。

社内報創業時には紙媒体だったのが、音声による社内ニュースの開始、動画配信へと変わっています。コロナ禍ではリモートワークに対応できるようストリーミング配信に変更するなど、時代やそのときの状況にあわせて柔軟に発信方法を変化させてきたのが特徴的です。

「社内報アワード2023」では、動画社内報部門でゴールド賞およびシルバー賞を受賞しています。

参考:Aflac|NEWS RELEASE「社内報アワード2023」における「ゴールド賞」の2年連続受賞について

マクロミル

株式会社マクロミルは組織の一体感や企業文化を醸成するために、インターナルコミュニケーションに力を入れています。

その中でも、年4回発行する社内報「ミルコミ」は社内向けアンケートで「とても面白かった」「やや面白かった」と回答した割合が毎回90%を超えるなど、従業員の満足度が非常に高い媒体です。

「社内報アワード2023」紙社内報部門では、2年連続グランプリを受賞しており、社外からの評価も高くなっています。2020年度以降は社外にも公開されているため、参考のひとつに活用してみてもいいかもしれません。

参考:MACROMILL|マクロミルの社内報『ミルコミ』が、「社内報アワード2023」で2年連続グランプリを受賞

まとめ

社内広報は自社の経営理念を浸透させ、組織力の連携強化を図るうえで重要な役割を果たします。

適切に社内広報を実施することで、生産性の向上や離職率の低下など大きな効果が期待できるでしょう。

社内広報担当者には経験が求められるため、採用の際には採用支援サービスの利用も検討してみてはいかがでしょうか。

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BackOfficeDB編集部
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BackOfficeDB編集部
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